【ビットコイン原論文16】Timestamp Server:タイムスタンプ・サーバ2
ここで出てくる「タイムスタンプ」は、ブロックチェーン/ビットコインのために新たに開発された技術ではありません。公開鍵暗号技術(公開鍵/秘密鍵)もそうでしたが、ブロックチェーン技術内では、新しい技術が盛り込まれているのではなく、既存の実績ある技術を利用しているのが特徴のひとつです。
一般的にタイムスタンプは「TSA:Time-Stamping Authority=時刻認証局(タイムスタンプ局)」が発行します。そして、TSA(時刻認証局)は、認定を受けた「TAA:Time Assessment Authority=時刻配信局」から正確な時刻の提供を受けるとともに、TAA(時刻配信局)による監査が義務付けられています。
これにより信頼性(TSA:時刻認証局)と正確性(TAA:時刻配信局)のあるタイムスタンプが発行されます。
タイムスタンプの発行手順・確認
1.依頼者は作成した情報/データからハッシュ値を生成し、TSA(時刻認証局)にタイムスタンプの発行を依頼
2.TSA(時刻認証局)はTAA(時刻配信局)から同期した正確な時間を、依頼されたハッシュ値に付加してタイムスタンプを発行
3.依頼者は発行されたタイムスタンプを情報/データに付加
4.タイムスタンプの内容とオリジナルの情報/データの内容を比較することで、簡単・確実に改ざんの検証が可能
何度も出てきたとおり、ブロックチェーン/ビットコインは『完全なる』P2P型電子通貨システムを目指しているため、第三者機関の仲介を許しません。
従って、ブロックに付加されるタイムスタンプに第三者機関であるTSAとTAAは介入していません。そのためスタンプの時刻が正確である保証はないのです。
ただブロックチェーン技術の場合、ブロックが生成された際にタイムスタンプを付加する仕様ですので、完全に正確な時刻を必要とはしていません。もし大きく時間が異なっているブロックが生成された場合は、改ざんされている可能性が高いということで、ノードから承認を受けることができません。
また、ブロックチェーン内でタイムスタンプを発行していますので、ブロックチェーン自らがTSAの役割を担っているとも言えます。
[ビットコインのホワイトペーパー原文は、bitcoin.org様より転載させていただきました。
Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System]
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