仮想通貨(暗号資産)週報 「リスクオフがビットコイン売りとなる理由」(2月第4週)

今週のビットコインは、25(火)・26(水)に大きく下げる動きとなりました

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仮想通貨(暗号資産)週報 「リスクオフがビットコイン売りとなる理由」(2月第4週)

今週の仮想通貨(暗号資産)レンジ

時価総額が大きい3つの仮想通貨(暗号資産)の週間レンジを示しています。始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値から金曜正午までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。

今週の仮想通貨(暗号資産)レンジ

Crypto Index=仮想通貨(暗号資産)インデックスの詳細は、サイト右側メニューの「仮想通貨(暗号資産)分析情報」から「仮想通貨(暗号資産)インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。

今週の仮想通貨(暗号資産)レンジ 2枚目の画像

チャート(上段から上記表の順番)は、到達確率チャートと同じ1時間足・週7日のチャートです。
上記レンジに含まれていない前週金曜午後~日曜午前9時も表示されています。

今週の振り返りと来週の見通し

今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

*中長期の動きと今週の振り返り(日足)

*中長期の動きと今週の振り返り(日足)

今週のビットコインは、25(火)・26(水)に大きく下げる動きとなりましたが、その理由は2つで米国株が急落し投資マインドが落ちていたところに、米国SEC(証券取引委員会)が、ビットコインETFの上場案を却下したことです。
今回のETFはビットコインと米国債券とを組み合わせたバスケット型のETFでしたが、SECは今回も仮想通貨(暗号資産)で組成するETFを承認することはありませんでした。今回も却下の決定に異議を示しているSEC理事はいるものの、同氏が言っているように、今後も承認される可能性は低いのかもしれません。現在の米国当局は仮想通貨(暗号資産)やデジタル通貨に対して否定的な見方をしていることを考えると、逆に却下されて当然のように思えますが、この報道でビットコインは8640ドルまで下落。その後も上値の重たい流れが続いています。
こうなると昨年12月安値と今年2月の高値で当面の上下を見たこととなりそうですが、両価格の半値にあたる8467ドルと61.8%押しの7987ドルが今後の下値の目途となりそうです。4時間足チャートで短期的な動きも見てみましょう。

*ここからの見通し(4時間足)

*ここからの見通し(4時間足)

日足チャートに示したフィボナッチ・リトレースメント(青)に加え、2月13日高値を起点とした逆N波動によるフィボナッチ・エクスパンション(ピンク)のターゲットを表示してあります。今週ここまでの安値は日足チャートに示した半値押しの水準に近いだけでなく、127.2%(161.8%の平方根)エクスパンションとほぼ同値となっています。
いったん、下げ止まりやすい水準でもありますが、米国株式市場の大幅安やETFの承認却下といった悪材料が続く中で、まだ下げ止まったと言える状況ではありません。最近は値幅も大きくなってきていますので、来週は8200ドルをサポートに、9200ドルをレジスタンスとするレンジを見ておきます。

今週の主なトピックス

今週の仮想通貨(暗号資産)関連のニュースの中から、筆者が気になった内容をコメントともに「主なトピックス」として取り上げていきます。今週はこの1週間(前回執筆時以降)で気になったニュースを国内から2本取り上げます。

取り上げた元記事を確認できるように、ピックアップするソースを日経新聞に絞っています。日経新聞の朝刊と電子版の別と日時を併記してありますので、ご自身の目でお読みいただくと良いと思います。

今週の主なトピックス

*筆者コメント
匿名性が高いダークウェブ(闇サイト)の掲示板に、仮想通貨(暗号資産)を交換するためのアカウント情報を販売すると書き込んだ会社員が犯罪収益移転防止法違反の疑いで逮捕されています。ダークウェブには色々なサイトがありますが、今回のケースでは「オニオンちゃんねる」が使われた様子で、同サイトは違法ソフトウェアの情報交換等で古くから有名なダークウェブのひとつです。
知人に頼んでアカウントを作り、それを2万円で販売していたようですが、犯罪に使われる可能性があるであろうことは容易に想像できるでしょうし、おそらくはそのための販売なのでしょうが、その程度の金額で逮捕され全国紙に名前を出されてしまうのでは割が合わないと思います。
今回は13の府県警が捜査を進めていたようですが、少しでもダークウェブを犯罪に使う抑止力になれば良いことですね。

今週の主なトピックス 2枚目の画像

*筆者コメント
日本経済新聞社と金融庁は3月9・10日に予定していたブロックチェーンをテーマにした国際会議を延期し4月21~23日にするとのことです。
最近の政府による規模が大きいイベントの自粛や学校の休校の要請を見ていれば当然とは思いますが、比較的近い日程でリスケしているところを見ると、4月に入れば暖かくなり新型コロナウイルスも落ち着いているだろうという判断でしょうが、現状の感染者拡大を見ていると既にSARSの10倍規模で、イタリアでの感染者が日本を急速に上回るなどWHOもパンデミックの可能性に言及しています。本当に4月下旬ならば大丈夫なのかという感じですが、私が出る予定となっていた2月・3月の会場イベントは全て延期です。
観光地が閑散としている様子はTVのニュースでもよく見ますが、今後もしばらくは世界的に景気減速が急速に進んでいくことを悩ましいものがあります。今週のコラムでは、この景気減速懸念と仮想通貨(暗号資産)について書いてみましたので、併せて参考にしてください。

今週のコラム「リスクオフ相場とビットコイン」

先週までは新型コロナウイルスの感染拡大にも関わらず、株式市場を中心に理由なき楽観が市場参加者を覆っていたと思いますが、週末のイタリアの感染者急増(既に日本を上回っている)あたりから、深刻な現実を直視し始めたと言えます。NYダウは月曜火曜に2日間として過去最大の下げ幅、昨日は1日として過去最大の下げ幅と、2月中旬には史上最高値を更新していた状況とは様変わりです。

そして、株式市場が売り一色となる中で米国債に資金がシフトし、債券価格が上昇したことで長期債の利回りは過去最低を記録することとなりました。そして米国債とともに安全資産の代表である金(ドル建て)も月曜は1690ドル近くまで上昇していましたが、そこからは徐々に価格が下がっています。

こうした違いは、主にリスクオフ局面には2つの段階があることから来ています。リスクオフの動きが出てきた時に米国の投資家はリスク資産である株式を売り、安全資産である米国債や金へと資金をシフトさせますが、リスクオフが進んでくるとまさに今のような状況へと変化してきます。

金には安全資産の面だけでなくコモディティファンド等投資対象としての面もありますが、株式市場の下げが急速になると、金の保有者でかつこれまで上昇してきた含み利益がある投資家は金を現金化することで株式の実現損を埋め合わせるといった行動に出てくることがしばしば見られます。こうなると、株安と債券高(長期金利低下)は変わりませんが、金価格は下落というステージです。

ここでビットコインやアルトコインはどういった立ち位置なのかですが、個人的には仮想通貨(暗号資産)はアセットクラス足りえないという見方です。ブロックチェーン技術は認めますが、そこから派生して誕生した仮想通貨(暗号資産)が資産(アセット)となるのかとなると、これも今はそうですが今後どうなるのかは何とも言えないとしかいいようがありません。

投資家として最も余裕ある資金が仮想通貨(暗号資産)市場に流れていると考えるならば、リスクオフの中で仮想通貨(暗号資産)が代替資産として買われるという動きはしっくりきませんし、どちらかというとリスクオフの時には余裕資金が減少するため仮想通貨(暗号資産)市場も下落するか、もしくは関係なし、というのが正解ではないかと思っています。

アセットクラス足りえるのか、仮想通貨(暗号資産)とリスクオフの関係、どちらも時間をかけて歴史が証人となるのでしょうが、少なくともリスクオフの際に代替資産となるには、他市場に比べてあまりにも規模が小さいですし、米国を中心とした監督当局も厳しい目を向けている現状ではリスクオフ時に買われるということにはならないと見ています。

ディスクレーマー

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