ビットコインの価格分析:『ショートカバー発動も戻りは鈍い。現金化需要は根強く、反落リスクに要注意』

ビットコイン円相場のベア見通し(弱気見通し)をメインシナリオとして予想いたします。

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ビットコインの価格分析:『ショートカバー発動も戻りは鈍い。現金化需要は根強く、反落リスクに要注意』

1. 概況(ファンダメンタルズ分析)

1.	概況(ファンダメンタルズ分析)

ビットコインの対円相場は、①米国によるイラン司令官殺害に端を発した地政学的リスクの高まり(中東情勢の緊迫化→リスク回避ムード再燃→逃避目的のビットコイン買い需要)や、②本年5/18前後に予定されている「4年に1度の半減期」を見越した期待先行のビットコイン買い(半減期に伴うマイニング報酬の減少→通貨供給量の減少に伴う価格上昇圧力)、③ヘッジファンドやアセットマネジャーのビットコイン先物建玉の急増(建玉増加→ビットコイン上昇の好循環)、④CMEによるオプション市場ローンチやナスダックによる先物市場ローンチ報道を受けた機関投資家参入期待が支援材料となり、2/13には、昨年9/6以来、約5ヶ月ぶり高値となる115.0万円まで急伸しました。

しかし、昨年9/6に記録した高値117.1万円をバックに反落に転じると(対円での115万円達成及び対ドルでの10000ドル達成を受けた利食い売り)、⑤米連邦保安官局(USMS)による4,000BTC規模のオークション実施や、⑥新型コロナウィルスの感染拡大を受けた投資家心理の急速な悪化(※一般的なリスク回避局面であればデジタルゴールドと称されるビットコイン買いに波及するケースも想定されるが、今回は通常時より深刻なリスク回避局面と捉えられていることから、安全資産の代名詞であるゴールドですら売却される危険な地合い=資産現金化の流れ)、

⑦中国企業の稼働停止に伴うハッシュレートの急低下、⑧相次ぐ金融緩和・景気対策を受けても尚金融市場の動揺が収まらないことに伴う不安感(官製相場の逆流)、⑨仮想通貨(暗号資産)オプション市場におけるダウンサイドのショートガンマ(マイニング勢や取引所によるPUT買いが主因)、⑩テクニカル的な地合いの脆さ(詳細後述)が重石となり、3/13には、昨年3/28以来、約1年ぶり安値となる44.2万円まで急落しました(僅か1ヶ月で▲70.8万の暴落劇)。足元を持ち直すも上値は重く(フィボナッチ38.2%戻しラインである71.3万円前後がレジスタンス)、現在(3/21午後9時)では、68.2万円付近で推移しております。
本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、2月下旬以降の急落劇を受けて、21日移動平均線(青線)、90日移動平均線(緑色)、200日移動平均線(赤線)の下抜けに成功しました。足元、強い売りシグナルを表す弱気のパーフェクトオーダー(移動平均線が下から順番に、21日線、90日線、200日線で並ぶ状態)が成立するなど、テクニカル的に見て「地合いの弱さ」を感じさせるチャート形状となっております。3/20の反発時においても、21日移動平均線がレジスタンスとなり結局続伸を阻まれる結果となりました。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

2月下旬以降の急落劇を受けて、これまでサポートとして機能してきたボリンジャーミッドバンド(赤線)を下抜けしました(同時にミッドバンドの傾きも下方シフト)。3/19にショートカバーが発生したことで弱気のバンドウォーク(ローソク足がボリンジャーバンド下限に沿って下落を続ける状態)は終了しましたが、ミッドバンドを突破するには至りませんでした。来週はミッドバンドをバックに戻り売りが強まる展開が想定されます。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

2月下旬以降の急落劇を受けて、強い売りシグナルを示唆する一目均衡表・三役逆転(①遅行線のローソク足下抜け、②転換線の基準線下抜け、③ローソク足の雲下限割れ)が成立しました。3/20の反発局面においても一目均衡表基準線がレジスタンスとして機能するなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が警戒されるチャート形状となっております。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

2月下旬以降の急落劇を受けて、オシレータ系インジケータのRSIは、一時、歴史的低水準となる15.3%(3/12)まで急低下しました。しかし、3/19のショートカバーを受けて、現在は中立圏となる41.1%まで回帰しております。俄かショートのポジションが一掃した(ロスカットさせられている)公算が大きく、来週は新規のショートINが出やすい状態と言えそうです(ポジションが相応に軽くなった為)。

6. まとめ

ビットコインの対円相場は、2/13に記録した約5ヶ月ぶり高値115万円をトップに反落に転じると、3/13には約1年ぶり安値となる44.2万円まで急落しました。この間、強い売りシグナルを表す、①弱気のパーフェクトオーダー(移動平均線が下から順に21日線、90日線、200日線が並ぶ状態)や、②一目均衡表三役逆転(ローソク足の雲下限下抜け、遅行線のローソク足下抜け、転換線の基準線下抜けが全て揃う状態)が成立するなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」を強く意識させるチャート形状となっております。ファンダメンタルズ的に見ても、③新型コロナウィルスの感染拡大を背景とした投資家心理の急速な悪化や、④上記③を受けた資産現金化需要の高まり(リスク資産を現金に戻そうとする圧力)、⑤マーケットメーカーの業績悪化に伴う流動性の著しい低下(一部のクリプト専門ヘッジンファンドが破産したとの報道あり)が重石になると見られ、当方では、ビットコイン円相場のベア見通し(弱気見通し)をメインシナリオとして予想いたします。特に来週は、「ドル高・ドル金利上昇→資源国及び新興国ショック→株安・商品安のリスクアセット売り地合い→ビットコイン売り」への波及経路に注意が必要でしょう。
来週の予想レンジ(BTCJPY): 50.0万円−75.0万円

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