CMEビットコイン上場の取引概要
シカゴマーカンタイル取引所(CME)がビットコイン先物の上場予定を発表してからちょうど1か月がたちました。12月中にも上場される予定ですから、どのような取引概要となっているのかを今の内に簡単に眺めておきましょう。
CMEのビットコイン先物はビットコインの価格をベースに算出されるBRR(Bitcoin Reference Rate、ビットコイン参考基準レート)をベースとしたBRTI(Bitcoin Real Time Index)の取引となります。
BRR自体は1日に1回公表されるドル建てのビットコイン価格で、FXですとドル円仲値のようなものです。各地で取引されているビットコインの価格を集約し、ひとつの価格としてCMEグループが開発した計算手法で算出します。このBRRをベースにリアルタイムで動くBRTIがCMEで取引されるビットコイン先物となるようです。
そして取引単位は5ビットコインなので、仮に1ビットコイン10,000ドルとするならば50,000ドルです。円の通貨先物が1250万円(1ドル110円換算で113,636ドル)ですから半分程度ですが、変動率を考ええると十分に大きな金額と言えます。そして、1ビットコインあたりの最小呼値(刻み)が5ドルなので、5倍の25ドルが最小変動刻みとなります。
次に制限値幅ですが、前日決済値から上下20%の変動でストップ高、ストップ安となります。また特別制限値幅が上下7%と13%と決められていますので、それぞれの変動があった時に一定時間(通常5分)の取引停止が行われると考えられますが、これらの特別制限値幅は連日のように発動される可能性はありそうです。
最後に限月は、他の通貨先物と同様に3, 6, 9, 12月を限月とした期近が中心限月で、限月の最終金曜日が最終取引日となっています。特に驚くような取引概要ではありませんが、大手の店頭取引が行われている業者価格をベースにBRRという透明性のあるビットコイン価格を使うところが評価できそうです。
シカゴオプション取引所も認可待ちか
なお米国の取引所ではCBOE(シカゴオプション取引所)もビットコインの上場を考えていて、現在CFTC(商品先物取引委員会、監督当局)の認可待ちのようです。ビットコインの急騰の原因のひとつがビットコイン先物の上場予定があったのですが、果たして初値はいくらになるのでしょうか。
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