ビットコインの価格分析『節目100万円を巡る攻防が継続。来週は突発的な値幅拡大に要注意』(7/11)

今週はショートカバー主導で一時101.3万円まで反発するも、100万円アッパーでは戻り売り意欲も根強く、99.3万円付近まで押し戻される展開となっております

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ビットコインの価格分析『節目100万円を巡る攻防が継続。来週は突発的な値幅拡大に要注意』(7/11)

1. 直近数ヶ月の動向(ファンダメンタルズ分析)

1.	直近数ヶ月の動向(ファンダメンタルズ分析)

ビットコインの対円相場は、3/13に記録した約1年ぶり安値44.2万円(新型コロナショックに伴うリスクアセット売却→ビットコイン暴落)をボトムに反発に転じると、①世界的な外出規制緩和に伴う楽観ムード(新型コロナ収束後のV字回復期待→株高・原油高を受けたリスク選好ムード)や、②世界各国による新型コロナ対策への期待感(金融政策と財政出動の組み合わせ→投資家心理改善→リスク選好ムード)、③大規模量的緩和を受けた世界的なインフレヘッジ需要(大規模量的緩和→過剰流動性相場→法定通貨のインフレ懸念→インフレヘッジを目的としたビットコイン買い需要)、④デジタル人民元やデジタルドル、デジタル円などCBDCに関する相次ぐポジティブ報道、⑤4年に1度の半減期通過に伴う安堵感(一部で警戒されていたような採算性悪化に伴うマイニングファームの撤退観測が後退)が支援材料となり、6/1には、一時110.5万円(2/24以来、約2ヶ月半ぶり高値)まで上昇しました(緑色のサポートライン)。

しかし、年初来高値115.0万円(2/13高値)に一歩届かず反落に転じると、⑥新型コロナ第2波リスクへの警戒感の高まり(米国や中国、欧州や新興国で新型コロナウイルス感染者数が再拡大)や、⑦上記⑥を受けた資産現金化需要の高まり(新型コロナ第2波リスク→リスクアセットを売却して米ドルに戻す資産現金化の流れ→株安・原油安に端を発したリスクアセット売り→ビットコイン売り)、⑧暗号資産オプション市場やCME先物市場に見られるダウンサイドを織り込む動き(マイナーや取引所によるダウンサイドヘッジの思惑)、⑨世界的な出来高低迷(約8カ月ぶりの低商い)、⑩未確認取引の増加が重石となり、6/27には、約1ヵ月ぶり安値となる95.1万円まで反落しました。

今週はショートカバー主導で、7/9に一時101.3万円まで反発するも、心理的節目100万円アッパーでは戻り売り意欲も根強く、本稿執筆時点(日本時間7月11日午前11時30分現在)では、99.3万円付近まで押し戻される展開となっております。尚、ビットコインのヒストリカルボラティリティは日に日に低下基調を辿っており、今週の値幅は僅か3.7万円に留まりました(7/6安値97.6万円、7/9高値101.3万円)。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、21日移動平均線をレジスタンス(抵抗帯)に上値の重い展開が続いております(今週は一時的に同抵抗帯を上抜ける場面も見られましたが、すぐに21日線付近へ押し戻されるなど、上値の重さを再確認)。短中長期移動平均線の形状は強い買いシグナルを表すパーフェクトオーダーを成立させておりますが、向こう数週間以内の「デッドクロス(21日線と90日線)」が視野に入ることから、上値余地は限られると予想されます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、ミッドバンド(赤線)を挟んだ動きが継続するなど、方向感を見出しづらい時間帯が続いております。但し、バンド幅の低位安定が2ヵ月程度続いていることもあり、突発的なボラティリティ拡大(値幅の急拡大)には常に警戒が必要でしょう(長期膠着相場の影響でエネルギーが想像以上に溜まっている状態)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

転換線と基準線のデッドクロス及び、遅行線のローソク足下抜けを受けて、強い買いシグナルを示唆する三役好転(①遅行線のローソク足上抜け、②転換線と基準線のゴールデンクロス、③ローソク足の一目均衡表「雲」突破が全て揃う状態)は終了しました。これまでサポートとして機能してきた一目均衡表転換線や基準線、雲上限も下抜けしており、テクニカル的にみて、「地合いは弱い」と判断できます。来週は一目均衡表雲下限の位置が99.1万円付近まで引き上がってくることから、雲下限下抜け→強い売りシグナルを示唆する三役逆転成立→ビットコイン下落の波及経路に注意が必要でしょう。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

既存ポジションの手仕舞い(クローズ)のタイミングを示唆すると言われるダイバージェンス(逆行現象)の発生(オレンジ線)を経て、ビットコイン価格は下落基調に転じました。但し、RSIは49.0%付近で推移するなど、過熱感は特段見られておりません。今週はショートカバー主導でやや反発に転じましたので(あく抜き)、来週は一巡後の反落に警戒が必要でしょう。

6. CME先物ポジション(需給分析)

6.	CME先物ポジション(需給分析)

米CFTC(商品先物取引委員会)が7/10に公表した7/7時点のCME先物ポジションを確認すると、ネットショートが本年3/3以来の高水準へ膨らんでいることが確認できます(ネットショート12,345BTC=2469枚)。新型コロナ第2波リスクの高まりを背景に、リスクアセットを売却する動きが水面下で着々と進行している可能性もあり注意が必要です(コロナショックの際は2/18に史上最高水準となるネットショート14,030BTCを記録し、現物価格がボトムを記録したのが3/13の44.2万円。つまり、ネットショート拡大と実際の現物価格の下落には約1ヶ月程度の時間差が生じた→CME先物市場が先行指標となっている可能性もあり、ビットコインのダウンサイドリスクには引き続き注意が必要)。

7. まとめ

ビットコインの対円相場は、6/1に記録した約2ヶ月半ぶり高値110.5万円をトップに反落に転じると、6/27には、約1ヵ月ぶり安値となる95.1万円まで下げ幅を広げました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、雲上限及び心理的節目100万円を下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も終了するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります(来週は一目均衡表雲下限下抜け→三役逆転成立→ビットコイン下落に要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、①新型コロナ第2波リスクの高まり(投資家心理の悪化懸念)や、②欧米株及び原油先物価格の不安定化(リスク回避ムード再燃→資産現金化需要を背景としたリスクアセット売り→ビットコイン下落)、③CME先物市場に見られるダウンサイドを織り込む動き(投機筋のネットショートは3/13以来の高水準)、④ビットコイン市場の出来高急減(約8カ月ぶり低商い)、⑤約2ヵ月に亘る膠着相場(ヒストリカルボラティリティが低下する一方でインプライドボラティリティが上昇する展開=市場参加者が膠着相場の終焉を織り込み始めた)など、ビットコイン相場の下落を示唆する材料が増えつつあります。

以上の通り、ビットコイン円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。新型コロナ第2波リスク(世界的な感染者再拡大→ロックダウン再開懸念)を巡るヘッドラインや、欧米株及び原油先物価格の動向、資産現金化需要に伴うリスクアセット売却の動き、米中対立を巡る続報、先物市場やオプション市場の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(※新型コロナ第2波リスクや米中対立激化を背景に、過剰流動性相場のポジション調整が促され、ビットコインを含むリスクアセットには強い下落圧力が加わる展開をメインシナリオとして想定)。
来週の予想レンジ(BTCJPY): 90.0万円−105.0万円

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