/ビットコインの価格分析『約1ヵ月ぶり高値圏へ反発するも戻り鈍い。反落リスクに要警戒』(7/25))

来週はリスクオン相場からリスクオフ相場への転換に要注意

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/ビットコインの価格分析『約1ヵ月ぶり高値圏へ反発するも戻り鈍い。反落リスクに要警戒』(7/25))

1. 直近数ヶ月の動向(ファンダメンタルズ分析)

1.	直近数ヶ月の動向(ファンダメンタルズ分析)

ビットコインの対円相場は、新型コロナショックに端を発したリスクアセット総売りの流れ(過剰流動性相場の逆流)を背景に、3/13に約1年ぶり安値となる44.2万円まで急落しましたが、その後は、①世界的な外出規制緩和に伴う楽観ムードの広がり(新型コロナ収束後のV字回復期待→株高・原油高を受けたリスク選好ムード)や、②世界各国による新型コロナ対策への期待感(金融政策と財政出動を組み合わせた景気対策→投資家心理の改善→リスク選好ムード)、③歴史的量的緩和を背景としたインフレヘッジ需要の高まり(大規模量的緩和→過剰流動性相場→法定通貨のインフレ懸念→インフレヘッジを目的としたビットコイン買い需要)、④4年に1度の半減期通過に伴う安堵感(マイナーによる撤退観測の後退+マイナーによる売り圧力減退)が支援材料となり、6/1には、一時110.5万円まで急回復する動きとなりました(2ヵ月半で150%の上昇率)。

しかし、2/13に記録した年初来高値115.0万円をバックに伸び悩むと、⑤新型コロナ第2波リスクへの警戒感や、⑥米中対立激化の恐れ(米中報復合戦への再開)、⑦暗号資産オプション市場やCME先物市場に見られるダウンサイドを織り込む動き(マイナーや取引所によるダウンサイドヘッジの思惑)が重石となり、6/27には、再び95.2万円まで下げ幅を広げる場面も見られました。

もっとも、7月中旬以降は、⑧欧米の追加景気対策期待(約5日間にわたる対面協議を経て、EU復興基金案が合意に至ったことや、米政府による数兆ドル規模の追加景気対策合意期待)や、⑨米中対立激化を背景とした暗号資産需要(香港国家安全維持法を受けて無国籍通貨=暗号資産への需要が拡大)の高まり、⑩過剰流動性相場再開に伴う金価格の高騰(金価格の上昇を横目にデジタルゴールドと称されるビットコインにも上昇圧力が加わる展開)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間7月25日午前7時00分現在)では、101.7万円付近まで持ち直す動きとなっております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、21日移動平均線及び90日移動平均線をサポートに底堅い動きが続いております。しかし、細かく見ると、21日移動平均線と90日移動平均線がデッドクロスしており、約2ヵ月間続いたパーフェクトオーダー(上から順番に短期線・中期線・長期線が並ぶ状態=地合いの強さを示唆)は消失しました。目先は「パーフェクトオーダー消失に伴う地合いの悪化→ローソク足の21日移動平均線及び90日移動平均線下抜け→売りシグナル点灯」の流れに注意が必要でしょう。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、数週間に亘る膠着商状を経て、バンド幅(バンドワイズチャート)は幾分広がる展開となりました。ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続けるバンドウォークも発生するなど、歴史的膠着商状からの脱却に期待が集まります(※現時点では、数週間に亘る膠着商状で溜められたエネルギーが全て発散されたとは言い難く、来週以降は更なるボラティリティ拡大に警戒が必要。外国為替市場など伝統的金融市場では週末にかけてボラティリティが急回復しており、こうした動きがビットコイン相場にも波及する恐れあり)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は7/17に強い売りシグナルを示唆する三役逆転が3ヵ月ぶりに成立しましたが、7/21以降の反発を受けて、今度は一転して強い買いシグナルを示唆する三役好転(①転換線の基準線上抜け、②遅行線のローソク足上抜け、③ローソク足の雲上限上抜けが全て揃う状態)が成立しました。目先は一目均衡表転換線や雲上限を下抜けられるか否か(サポートされるか否か)に注目が集まりそうです。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の上昇を受けて、オシレータ系インジケータのRSIは60%付近まで上昇しました(約2ヵ月ぶり高水準)。しかし、買われ過ぎ感を表す70%ラインは上回っておらず、現時点で過熱感は見られません。

6. まとめ

ビットコインの対円相場は、6/27に記録した安値95.2万円をボトムに反発に転じると、今週は一時102.7万円まで反発しました(約1ヵ月ぶり高値)。この間、一目均衡表基準線及び転換線、雲上下限及び心理的節目100万円を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や、強い上昇トレンド入りを示唆するバンドウォークも発生するなど、テクニカル的にみて、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。

しかし、ファンダメンタルズ的に見ると、①新型コロナ第2波リスクの高まり(投資家心理が再び悪化する恐れあり)や、②米中対立懸念の高まり(米政府によるテキサス州ヒューストンの中国総領事館の閉鎖命令→対抗措置として中国政府も四川州成都市にある米国総領事館を閉鎖命令)、③トランプ米大統領の支持率低迷(地政学的リスクへの波及懸念)、④欧米株及び原油先物価格の不安定化(リスク回避ムード再燃→資産現金化需要を背景としたリスクアセット売り→ビットコイン下落)など、ビットコイン円相場の下落を示唆する材料が増えつつあります(週末にかけて伝統的金融市場が値を崩したことや、金価格の上昇に比べてビットコイン価格の連れ高感が鈍いことも懸念材料)。

以上の通り、ビットコイン円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しが見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。新型コロナ第2波リスクを巡るヘッドラインや、欧米株及び原油先物価格の動向、資産現金化需要に伴うリスクアセット売却の動き、米中対立報道(週明けの伝統的金融市場が崩れる恐れあり)、先物市場やオプション市場の動向を睨みながらも、当方では引き続き、ビットコイン円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(※新型コロナ第2波リスクや米中対立激化を背景に、ビットコインを含むリスクアセットに下落圧力が加わる展開を想定。欧米の追加景気対策期待は織り込み済みであり、来週はリスクオン相場からリスクオフ相場への転換に要注意。心理的節目100万円を下抜けた場合、失望感から見切り売りが強まる恐れあり)。
来週の予想レンジ(BTCJPY): 90.0万円−105.0万円

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