ビットコインの価格分析:『下値余地を探る展開が継続。テクニカル的な弱さが相場の重石』

ビットコインの対円相場は、8/17に記録した高値132.2万円(2019年7月以来の高値)をトップに反落に転じると、9/8には一時104.6万円まで急落しました

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ビットコインの価格分析:『下値余地を探る展開が継続。テクニカル的な弱さが相場の重石』

1. ファンダメンタルズ分析

1.	ファンダメンタルズ分析

ビットコインの対円相場は、①世界各国による景気対策期待(世界的な財政出動→投資家心理改善→リスク選好ムード)や、②大規模量的緩和を背景としたインフレヘッジ需要の高まり(世界的な量的緩和→過剰流動性相場→法定通貨のインフレ懸念→インフレヘッジを目的とした金及びビットコイン買いへの波及経路)、③米中対立激化や米政治不安を背景としたドル売り圧力(ドル全面安の地合いを背景に中国勢が直近3年間相対経由で蓄えてきたUSDTをBTCに交換するのではないかとの思惑)、④アルトコインの堅調推移(Defiバブル→ETHが牽引する形で暗号資産全体の時価総額が上昇)、⑤世界的な大手企業や機関投資家の参入期待が支援材料となり、8/17には、約1年1ヵ月ぶり高値となる132.2万円(2019年7月以来の高値圏)まで急伸しました(対ドルでも心理的節目12,000ドルを突破し、高値12,444ドルまで急上昇)。

しかし、短期間で上昇した反動から急落に転じると(短期筋の利食い売りや見切り売り)、⑥中国四川省での大雨被害に端を発したハッシュレートの低下や、⑦暗号資産オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(リスクリバーサルがBTCコールオーバーからBTCプットオーバーに転換)、⑧CME先物市場におけるネットショート拡大(同時に建玉も減少→ビットコイン市場から資金流出)、⑨アルトコインの急反落(Defiバブル崩壊→アルトコイン急落→ビットコイン連れ安)、⑩米主要株価指数の冴えない動き(ダウ平均株価は9/3をトップに上値の重い展開→リスク回避ムード再燃→リスクアセット売り→ビットコイン売りへの波及)が重石となり、9/8には、7/26以来、約1ヶ月半ぶり安値となる104.6万まで急落しました(対ドルでの心理的節目10,000ドルを割り込む展開)。もっとも、売り一巡後は自律反発に転じ、現在(日本時間9月12日午前7時00分現在)は、110.3万円前後で推移しております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダー(上から順番に短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線が並ぶ状態)が続いていますが、ローソク足が21日移動平均線を割り込んだことで、現在は90日移動平均線に絡む攻防が続いています(直近9日間、90日移動平均線を挟んで上下する展開が継続)。目先は21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロス(パーフェクトオーダー終了→上昇トレンド終焉)や、90日移動平均線のクリアな下方ブレイクに注目が集まります。これらが実現できた場合には、最後の関門となる200日移動平均線(97.5万円)トライが視野に入ります。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、足元の急落を受けて、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォークが発生しました(ローソク足がボリンジャーバンド下限に沿って下落を続ける形状)。バンド幅も低ボラから持ち直しつつあり(スクィーズからの上放れ)、来週もボラティリティ拡大に伴う一段安に注意が必要でしょう(ミッドバンドより下側で推移している限り、戻り売りスタンス継続)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、強い売りシグナルを示唆する三役逆転(①一目均衡表遅行線のローソク足下抜け、②一目均衡表転換線及び一目均衡表基準線のデッドクロス、③ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃う状態)が続いております。9/5以降の反発局面においても一目均衡表雲下限が続伸を阻むなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ(上値の重さ)」が意識されます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは一時過熱感(売られ過ぎ感)を示唆する30%付近まで低下しましたが、足元では再び中立圏(30%−70%ゾーン)に戻りました。9/3以降の急落劇はひとまず落ち着きを取り戻した状態です(但し、ショートポジションの過熱感が収まったことから、新規のショートメイク=戻り売りが入り易くなっている点には要注意)。

6. まとめ

ビットコインの対円相場は、8/17に記録した高値132.2万円(2019年7月以来の高値)をトップに反落に転じると、9/8には一時104.6万円まで急落しました(対ドルでも一時心理的節目となる10,000ドル割れ)。この間、一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線及びボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的にみて「地合いの悪さ」を印象付けるチャート形状となっております(105万円前後に潜む支持帯を下抜けられれば、いよいよ心理的節目100万円や、200日移動平均線97.5万円を試すシナリオが射程圏内に)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、①歴史的量的緩和を背景としたインフレヘッジ需要の高まり(9/15ー9/16に予定されている米FOMCで明確なフォワードガイダンスが示された場合は、金融緩和長期化観測を通じてドル売りの流れが再開する可能性→法定通貨のインフレ懸念→ゴールドと共にビットコインへの資金流入期待再開)や、②米中対立激化を背景とした逃避需要の高まり(11/3に開催される米大統領選を前に対中強硬姿勢が強まる恐れ)、③上記①②を背景とした中長期的なドル売り圧力、④新興国からビットコインへの資金流入期待、⑤英国の合意なき離脱リスクの再燃、⑥機関投資家参入期待など、ビットコイン円相場の上昇を連想させる材料は残っております。

以上の通り、ビットコイン円相場は、ファンダメンタルズ的な強さに下支えされながらも、目先はテクニカル主導で下落するシナリオが想定されます(事実、オプション市場のリスクリバーサルは短期物がダウンサイドリスクを織り込む一方、長期物はトップサイドを織り込む股裂き状態)。欧米株(9/3以降の株安→リスクオフの流れが続くか否か)や商品市況(特にビットコインと相関性の強い金価格)の動向、米大統領選に関する続報(トランプ米大統領のツイート内容)、米ドル及び新興国通貨の動き(来週は自民党総裁選、FOMC、日銀金融政策決定会合などイベント目白押し)、米中対立リスクや新型コロナに関するヘッドライン、英国・EU間の通商協議の行方、先物市場やオプション市場のポジショニング、アルトコインの動向(Defiバブル崩壊に伴うアルトコインの投げがもう一段出てくるか否か)を睨みながらも、当方では引き続き、ビットコイン円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(BTCJPY): 100.0万円−115.0万円

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