ビットコインの価格分析:『米ドル及び金・銀に振らされる展開。一巡後の下落リスクに要警戒』(9/26)

ビットコイン円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、短期的に見て、下落リスクが警戒されます。

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ビットコインの価格分析:『米ドル及び金・銀に振らされる展開。一巡後の下落リスクに要警戒』(9/26)

1. ファンダメンタルズ分析

1.	ファンダメンタルズ分析

第3四半期(7月−9月)のビットコイン円相場は、①世界各国による景気対策を背景としたリスクセンチメントの改善(世界的な財政出動期待→投資家心理改善→リスク選好ムード)や、②大規模量的緩和を背景としたインフレヘッジ需要の高まり(世界的な量的緩和→過剰流動性相場→法定通貨のインフレ懸念→インフレヘッジを目的とした金及びビットコイン買いへの波及経路)、③米中対立激化や米政治不安を背景としたドル売り圧力(ドル全面安の地合いを背景にUSDTをBTCにシフトするのではないかとの思惑)、④アルトコインの堅調推移(DeFiバブル→ETHが牽引する形で暗号資産全体の時価総額が上昇)、⑤暗号資産市場における機関投資家参入期待が支援材料となり、8/17には、約1年1ヵ月ぶり高値となる132.2万円(2019年7月以来の高値)まで急伸しました(対ドルでも心理的節目12,000ドルを突破)。

しかし、短期間で上昇した反動から急落に転じると、⑥中国四川省の大雨被害に端を発したハッシュレートの急低下や、⑦暗号資産オプション市場のダウンサイドを織り込む動き、⑧CME先物市場におけるネットショート急拡大、⑨アルトコインの急反落(DeFiバブル崩壊→アルトコイン急落→ビットコイン連れ安)、⑩米主要株価指数の冴えない動き、⑪財政出動限界論の台頭(世界各国による財政の崖リスクの高まり)が重石となり、9/8には、7/26以来、約1ヶ月半ぶり安値となる104.6万まで急落しました(対ドルでの心理的節目10,000ドルを割り込む展開)。

もっとも、その後は、心理的節目100万円を死守したことに伴う安堵感から買戻しが優勢となり、本稿執筆時点(日本時間9月26日午後4時00分現在)では113.7万円付近へ持ち直す動きとなっております。但し、今週は、⑫新型コロナウイルスの感染再拡大懸念や、⑬資産現金化需要の高まりを受けたインフレヘッジ資産の急落(ビットコインとの相関性が高い金や銀、銅価格など貴金属市場の反落)、⑭外国為替市場におけるドル全面高の動き、⑮デジタル通貨における世界的な規制強化の方向性等、悪材料が噴出しており、予断を許さない状況に変わりはありません(下値リスクを孕んだ状態)。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、21日移動平均線(青色)と90日移動平均線(緑色)の約4ヵ月半ぶりデッドクロスを受けて、強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダー(上から順番に短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線が並ぶ状態)が消失しました。目先は上昇から中立へのトレンド転換が意識されます(足元では、21日線及び90日線に絡む動きが続いていますが、同水準を維持できず反落した場合は、200日移動平均線が走る99.0万円付近への下落も想定)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、9月中旬以降の反発を受けて、約2週間ぶりにボリンジャーミッドバンドを回復しました。バンド幅も再び低下に転じるなど、ビットコイン相場の膠着(方向感を見出しづらい時間帯)が確認されます。但し、115万円−120万円ゾーンの回復に時間を要する場合には、短期筋による見切り売り(上値の重さを嫌気したロング解消)を通じて、サイクル的にビットコイン相場が再び短期下落トレンド入りする恐れもあるため、注意が必要です。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、強い売りシグナルを示唆する三役逆転(①一目均衡表遅行線のローソク足下抜け、②一目均衡表転換線及び一目均衡表基準線のデッドクロス、③ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃う状態)が続いております。足元持ち直す動きが見られるものの、目先は一目均衡表雲下限が位置する114.5万円付近が関門となりそうです(同水準の突破に失敗した場合は、再び短期下落トレンド入りする可能性もあり、注意が必要)。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは、9月初旬のビットコイン相場急落を受けて、一時過熱感(売られ過ぎ感)を示唆する30%近辺まで低下しておりましたが、9月中旬以降の持ち直しを受けて、足元では再び中立圏(50%ゾーン)に回帰しました。ショート勢のロスカット(ショートカバー)は一巡しており、ここから先は投資家による新規のショート造成に注意が必要です(ポジションが幾分軽くなったことで新規ポジションを作り易い状態)。

6. まとめ

ビットコインの対円相場は、9/19に記録した高値116.8万円をトップに反落に転じると、9/21には一時107.9万円まで急落しました。足元113.7万円付近まで持ち直すも、①21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロス、②強い売りシグナルを示唆する三役逆転を考慮すれば、テクニカル的に見て「上値余地は乏しい=地合いは弱い」と判断できます。来週は、一目均衡表雲下限をバックに戻り売りが強まる展開を想定いたします。

一方、ファンダメンタルズ的に見ると、①歴史的量的緩和を背景としたインフレヘッジ需要の高まり(法定通貨のインフレ懸念→金や銀などと共にビットコインへの資金流入期待)や、②米中対立激化を背景とした逃避需要の高まり(11/3に開催される米大統領選を前に対中強硬姿勢が強まる恐れ)、③上記①②を背景とした中長期的なドル売り圧力、④新興国からビットコインへの資金流入期待、⑤英国の合意なき離脱リスクの再燃、⑥機関投資家の参入期待など、中長期的なビットコイン買い材料が残るものの、短期的には、上記①や③の逆流(新型コロナウイルスの感染再拡大懸念を通じた資産現金化需要の高まり→ドル全面高の様相→インフレヘッジ資産と言われる金や銀、銅など貴金属市場の急落→デジタルゴールドと称されるビットコインにも下押し圧力)が生じつつあり、予断を許さない状況の継続が予想されます。

以上の通り、ビットコイン円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、短期的に見て、下落リスクが警戒されます。欧米株や米ドル相場の動きや、米中対立リスクや英国の合意無き離脱リスクに関するヘッドライン、先物市場やオプション市場のポジショニング(特にオプション市場は9/25の過去最大級のカットオフを受けてポジションが軒並み減少しており、相場が上下共に走り易い状態になっている点に注意)、新型コロナウイルスの感染拡大や、それに伴う資産現金化需要の動向、ビットコインと連動性の高い貴金属市場(金や銀など)の推移を睨みながらも、当方では引き続き、ビットコイン円相場の軟調推移(一巡後の反落)をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 105.0万円−120.0万円

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