ビットコインの価格分析:『三役好転成立でセンチメント回復。来週は上値余地を探る展開か』(10/10)

ビットコインの対円相場は、9/8に記録した安値104.6万円をボトムに反発に転じると、10/10には一時121.1万円まで急伸しました。

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ビットコインの価格分析:『三役好転成立でセンチメント回復。来週は上値余地を探る展開か』(10/10)

1. ファンダメンタルズ分析

1.	ファンダメンタルズ分析

2020年第3四半期以降のビットコイン円相場は、①世界的な大型景気対策期待を背景としたリスクセンチメントの改善(世界的な財政出動期待→投資家心理の改善→リスク選好ムード)や、②大規模量的緩和を背景としたインフレヘッジ需要の高まり(世界的な量的緩和→過剰流動性相場→法定通貨のインフレ懸念→インフレヘッジを目的とした金及びビットコイン買いへの波及経路)、③米中対立激化や米政治不安を背景としたドル売り圧力(ドル全面安の地合いを背景にUSDTからBTCへのシフト観測)、④DeFiバブルに端を発したアルトコインの堅調推移(ETHが牽引する形で暗号資産市場全体の時価総額が上昇)、⑤暗号資産市場における機関投資家や大手企業の参入期待が支援材料となり、8/17には、約1年1ヵ月ぶり高値となる132.2万円(2019年7月以来の高値)まで急伸しました(対ドルでも心理的節目12,000ドルを突破)。

しかし、短期間で上昇した反動から利食い売りが強まると、⑥中国四川省の大雨被害に端を発したハッシュレートの急低下や、⑦暗号資産オプション市場のダウンサイドを織り込む動き、⑧CME先物市場におけるネットショート急拡大、⑨アルトコインの急反落(DeFiバブルの崩壊→アルトコイン急落→ビットコイン連れ安)、⑩財政出動限界論の台頭(米景気対策の交渉難航→世界各国による財政の崖リスクの高まり)が重石となり、9/8には、7/26以来、約1ヶ月半ぶり安値となる104.6万まで急落しました(対ドルでの心理的節目10,000ドルを割り込む展開)。

もっとも、10月入った後は、⑪グレースケールによるビットコインの追加大量購入観測や、⑫SBIリクイディティ・マーケットによる暗号資産大手TAOTAOの全株式取得報道(本邦暗号資産業界の再編加速を好感)、⑬米ソフトウェア企業のSquare社(Twitterを創設したJack Dorsey氏がCEO)による50百万米ドルのビットコイン購入報道、⑭暗号資産取引所大手BitMEXのArthur Hayes CEOの退任報道(悪材料出尽くし感)、⑮強力なレジスタンスの突破(レジスタンスとして機能し続けてきた一目均衡表雲下限の突破)、⑯米追加景気対策期待を背景とした伝統的金融市場のリスク選好ムード(株高→ビットコイン連れ高)、⑰ビットコインと連動性の高い貴金属市場の持ち直し(金価格上昇→ビットコイン連れ高)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間10月10日午後3時現在)では、120.1万円前後まで反発する動きとなっております(10/10の日通し高値は121.1万円)。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン価格の上昇を受けて、ローソク足は21日移動平均線(青色)及び90日移動平均線(緑色)を突破しました。強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダー(上から順番に短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線が並ぶ状態)の再点灯も期待される中、来週は堅調な動き(上値余地を探る動き)が予想されます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、足元の堅調推移を背景に、強い上昇トレンド入りを示唆する強気のバンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態=オシレータ系インジケータが機能しづらい地合い)が発生しました。トレンドの方向性を示唆するミッドバンドも上昇基調を辿るなど、来週はビットコイン相場の続伸に期待が集まります(但し、ボラティリティ拡大に伴う乱高下=高値掴み勢を振るい落とすボラタイルな値動きには要注意)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、雲のねじれを境に反発に転じ、約1ヵ月半ぶりに強い買いシグナルを表す一目均衡表三役好転(①ローソク足の雲上限突破、②転換線と基準線のゴールデンクロス、③遅行線のローソク足突破が全て揃う状態)が成立しました。来週もテクニカル的な地合いの強さを背景に堅調推移が続くと予想されます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは、引き続き中立圏(30%−70%ゾーン)での推移が続いていますが、足元64%付近まで上昇している点には留意が必要でしょう(70%付近まで上昇すると短期筋の利食い売りが上値を抑制する可能性あり=高値掴みに要警戒)。

6. まとめ

ビットコインの対円相場は、9/8に記録した安値104.6万円をボトムに反発に転じると、10/10には一時121.1万円まで急伸しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲上下限を突破した他、強い上昇トレンド入りを示唆する強気のバンドウォークや、強い買いシグナルを示唆する三役好転も成立するなど、テクニカル的にみて「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となりつつあります。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、①新型コロナウイルスの感染再拡大懸念(1日の感染者数が過去最多を記録→欧米を中心にロックダウン再開の恐れ→本年3月に見られたコロナショック再来リスク→資産現金化のドル買い→ビットコイン下落の波及経路)や、②世界的な財政の崖リスク(財政出動限界論の台頭→株式市場の急反落リスク→ビットコイン下押し)、③インフレヘッジ資産の軟調推移(リスク回避のドル買い→インフレヘッジ資産である金や銀など貴金属市場に下押し圧力→ビットコイン連れ安)、④世界的な規制強化の流れなど、ビットコイン相場の下落を想起させる不安材料は引き続き沢山残っている状態です。

以上の通り、ビットコイン円相場は、ファンダメンタルズ的な脆弱さを残しながらも、テクニカル主導で短期的な続伸が期待されます(8/17に記録した年初来高値132.2万円を試すシナリオ)。欧米株や米ドル相場の動き、ビットコインと連動性の高い貴金属市場(金や銀など)の動向、米国の大統領選挙(10/16に予定されている第2回大統領候補者討論会(→注:後中止と報道、編集部))や英国の合意無き離脱リスクに関するヘッドライン(英国が定めた10/15のFTA合意期限)、先物市場やオプション市場のポジショニング(米CFTCが10/9に公表した10/6時点の投機筋の先物ポジションは引き続き13000BTCを超える高水準のネットショート)、新型コロナウイルスに関する続報(欧米での感染者数急拡大→ロックダウン再開懸念)を睨みながらも、当方では、短期的な(来週1週間)上昇をメインシナリオとして予想いたします(ファンダメンタルズ的な弱さを孕みながらもテクニカル主導で上値余地を探る展開。但し高値掴みには要警戒=高値更新後の急反落には常に警戒。また、来週はボラティリティの拡大にも要注意)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 112.5万円−127.5万円

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