金融庁公表【仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ】1
8月10日に金融庁は「仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ」を公表しました。
主なポイント
仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ
これは、これまでに金融庁が仮想通貨交換業者等に対して実施した検査・モニタリングで把握した実態や問題点について取りまとめたものです。
立入検査は登録業者の一部7社と、みなし業者全16社社に対して、モニタリングは登録業者全16社と、みなし業者全16社に対して実施されました。
公表された各事例に関して金融庁は「監督上の着眼点を、より具体的に理解する上で有益なもの」と述べています。そして仮想通貨交換業に関係する事業者に対して、「この各事例を踏まえ態勢整備状況等の自己チェックを行うなど、有効に活用してほしい」としました。
自主規制団体(一般社団法人 日本仮想通貨交換業協会:JVCEAが8月2日に申請)に対しては、「自主ルール策定を含めた自主規制機能の構築の参考」にすることを勧めています。
また、仮想通貨利用者(投資家)に対しては「仮想通貨交換業者選定等の一助(注意事項)」となることが期待されています。
これらの公表により検査・モニタリングを受けた仮想通貨交換業者等の実態が明らかになり、その管理体制等に対して批判的な意見も見受けられます。
しかし過去に遡って後ろ向きに評価するのではなく、未来に向けて前向きに私なりに解説してみたいと考えています。
結論として一番の問題は、『金融業界の常識』がITベンチャー系の方には『非常識』であった、ということだと私は感じています。
これは逆に『ITベンチャー系の常識』は金融業界からすると『非常識』であったとも言えます。
私が両者の意見を聞く限り、どちらが正しい、間違っているとは一概には言えません。しかし、仮想通貨が金融庁管轄下となった以上は、好き・嫌いではなく従わなければならない法規制があります。
これらを数値化するのは困難であり、それぞれが持っている「ものさし」の目盛も違っていたため、今まではお互いがお互いを理解するのは困難でした。しかし今回の各事例の公表により共通認識できる基準ができたと期待しています。
そして既存の仮想通貨交換業に係る業者(登録業者、みなし業者、新規登録申請業者)だけでなく、100社以上いると言われるこれから仮想通貨交換業者の登録を申請する企業にとって、最低限やらなければならないことの一部が見えてきた、非常に有益な資料であると私は確信しています。
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