ビットコインの価格分析:『約1年4ヵ月ぶり高値圏へ急伸。押し目待ちに押し目なし』

ビットコイン円は、3/13に記録した約1年ぶり安値44.2万円をボトムに反発に転じると、10/28には約1年4ヵ月ぶり高値となる144.5万円まで急伸しました。

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ビットコインの価格分析:『約1年4ヵ月ぶり高値圏へ急伸。押し目待ちに押し目なし』

1. ファンダメンタルズ分析

1.	ファンダメンタルズ分析

2020年のビットコイン円相場は、①新型コロナウイルスの感染拡大に端を発した投資家心理の急速な悪化(資産現金化需要の高まり→ビットコインなどリスクアセットを売却し、米ドルなど法定通貨に戻す動き)や、②半減期を前にした大手マイニングファームの撤退観測(採算性悪化に伴う撤退観測→ハッシュレート急低下)、③マーケットメーカーの体力低下とそれに伴う流動性ショック(現物市場・先物市場・オプション市場の出来高が軒並み急減)が重石となり、3/13に、約1年ぶり安値(2019年3月28日以来の安値)となる44.2万円まで急落しました。

しかし、④世界的なコロナ対策期待(リスクセンチメントの改善)を背景に反発に転じると、⑤各国中銀による大規模量的緩和を背景としたインフレヘッジ需要の高まり(世界的な量的緩和→法定通貨のインフレ懸念→インフレヘッジを目的とした金及びビットコイン買いへの波及経路)や、⑥米中対立激化や米政治不安を背景としたドル売り圧力(ドル全面安→USDTからBTCへの資金シフト観測)、⑦DeFiバブルに端を発したアルトコインの堅調推移(ETHが牽引する形で暗号資産市場全体の時価総額が上昇)、⑧グレースケールによるビットコインの追加大量購入観測、⑨米ソフトウェア企業のSquare社(Twitterを創設したJack Dorsey氏がCEO)による50百万米ドルのビットコイン購入報道、⑩オンライン決済を提供する米ペイパル・ホールディングスによる暗号資産取引の開始報道、⑪シンガポールの最大手「DBS銀行」による暗号資産取引所の開設報道、⑫機関投資家・大手企業の更なる参入期待が支援材料となり、10/28には、約1年4ヵ月ぶり高値(2019年6月26日以来の高値)となる144.5万円まで急伸しました。

もっとも、その後は、⑬新型コロナウイルスの感染拡大(ユーロ圏における相次ぐロックダウン開始報道。マクロン仏大統領は10/30から全国規模でロックダウンを開始すると発表。ドイツのメルケル首相も11/2から1ヶ月間部分的なロックダウンを実施すると発表)を受けたリスク回避ムードの再燃や、⑭欧米株の急落を受けた資産現金化重要の高まり、⑮ビットコインと連動性の高い金価格の急反落、⑯ハッシュレートの急低下が続伸を阻み、本稿執筆時点(日本時間10/31午前6時現在)では141.8万円前後へ値を下げる展開となっております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急伸を受けて、強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダー(上から順番に短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線が並ぶ状態=強い買いシグナル)が成立しました。ローソク足も全ての移動平均線を上回る水準で推移するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さが確認できます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急伸を受けて、強い上昇トレンド入りを示唆する強気のバンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態→オシレータ系インジケータが機能しづらく、安易なショートメイクが踏みあげられる展開)が発生しました。トレンドの方向性を示唆するボリンジャーミッドバンドも右肩上がりの形状を描くなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」が確認できます(但しバンド幅が拡大傾向を示している為、来週はボラティリティの更なる拡大に要注意)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急伸を受けて、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転(①ローソク足の一目均衡表雲上限突破、②一目均衡表転換線と一目均衡表基準線のゴールデンクロス成立、③一目均衡表遅行線のローソク足突破が全て揃う状態=強い買いシグナル)が成立しました。雲の捻じれ後に上昇に転じるなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」が確認できます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは、過熱感(買われ過ぎ感)を示唆する70%超での推移が続いております。但し、強い上昇トレンド入りを示唆するバンドウォーク(オシレータ系インジケータが機能しづらい力強い上昇トレンド発生時に見られる現象)が同時発生していることから、安易なショートメイク(売り建玉の造成)には注意が必要と考えられます。

6. まとめ

ビットコインの対円相場は、3/13に記録した約1年ぶり安値44.2万円をボトムに反発に転じると、10/28には約1年4ヵ月ぶり高値となる144.5万円まで急伸しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや一目均衡表雲上下限を突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダー、強い上昇トレンド入りを示唆する強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております(目先は2019年6月26日高値149.7万円を試すシナリオを想定)。

もっとも、ファンダメンタルズ的に見ると、①新型コロナウイルスの感染再拡大懸念(欧米を中心に経済封鎖→リスク回避ムード再燃→資産現金化需要の高まり。※本年3月に発生したコロナショックに伴うビットコイン暴落を想起)や、②世界的な財政出動限界論の台頭(米追加景気対策の後ずれ観測)、③インフレヘッジ資産の反落リスク(リスク回避のドル買い再燃→インフレヘッジ資産である金や銀など貴金属市場に下押し→ビットコイン連れ安。金価格は9/28以来、約1ヵ月ぶり安値圏へ急落)、④世界的な規制強化の流れ(一時的にビットコイン相場を下押し)等、ビットコイン相場の下落を想起させる不安材料も残っております(特に来週は米大統領選前後で相場が大きく荒れる恐れあり)。

以上の通り、ビットコイン円相場は、ファンダメンタルズ的な弱さを残しながらも、テクニカル主導の力強い動きが続いております(短期筋が都度ショートメイクで仕掛けるもすぐに踏み上げられる力強い相場展開=押し目待ちに押し目なし)。

欧米株や米ドル相場の動向や、ビットコインと連動性の高い貴金属市場の動き、先物市場やオプション市場のポジショニング(米CFTCが10/30に発表した10/27時点の投機筋のCMEビットコイン先物建玉は過去最大規模となる18,065BTCのネットショートを記録→更なるショートカバー余地あり)、新型コロナウイルスに関するヘッドライン(欧米で広がるロックダウン再開)、11/3に投開票が実施される米大統領選挙の結果を睨みながらも、当方では引き続き、ビットコイン円相場の堅調推移をメインシナリオとして予想いたします(※但し、来週は今年最大の山場となる米大統領選挙が実施される他、新型コロナウイルスの第二波到来や地政学的リスクの高まりを通じてリスク回避ムードが強まる恐れもあることから、伝統的金融市場のボラティリティ急拡大を通じて、ビットコイン相場に下押し圧力を加えるシナリオも想定されます。この為、来週はポジションサイズを縮小しつつ、高値掴みを厳に回避したトレードが必要となりそうです)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 130.0万円−147.5万円

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