仮想通貨(暗号資産)週報「年末をまえにしてもみあい継続か」(12月第4週)

先週には対ドルに続いて対円でも史上最高値を更新し達成感もある中での年末となってきたため、来週も底堅いものの基本はもみあいという流れを考えたいところです。

仮想通貨(暗号資産)週報「年末をまえにしてもみあい継続か」(12月第4週)

今週の仮想通貨(暗号資産)レンジ

時価総額が大きい3つの仮想通貨(暗号資産)の週間レンジを示しています。始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値から金曜正午までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。

今週の仮想通貨(暗号資産)レンジ

Crypto Index=仮想通貨(暗号資産)インデックスの詳細は、トップページのサイト右側メニューの「仮想通貨(暗号資産)分析情報」から「仮想通貨(暗号資産)インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。

今週の仮想通貨(暗号資産)レンジ 2枚目の画像

チャート(上段から上記表の順番)は、到達確率チャートと同じ1時間足・週7日のチャートです。上記レンジに含まれていない前週金曜午後~日曜午前9時も表示されています。

今週の振り返りと来週の見通し

今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。使用チャートは、ドル円とユーロの週報で使っているものと同じものです。
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

中長期の動きと今週の振り返り(日足)

中長期の動きと今週の振り返り(日足)

今週はリップル(XRP)がSECによる提訴で急落し、その余波でビットコインにも売りが入りましたが、あくまでもXRPの問題であってビットコインは関係が無いことという見方もあって21日に下げた後は再び高値圏でのもみあいに戻してきました。
しかし、クリスマスと年末を控えて市場参加者が減っている中で積極的に取引をする向きも基本的には出て来ないでしょうし、テクニカルにも高値圏でペナント(小さな三角もちあい)状のもみあい局面となっています。教科書的には以前の上昇トレンドに戻す可能性が高いと見るのですが、先週には対ドルに続いて対円でも史上最高値を更新し達成感もある中での年末となってきたため、来週も底堅いものの基本はもみあいという流れを考えたいところです。4時間足チャートで拡大して見てみましょう。

ここからの見通し(4時間足)

ここからの見通し(4時間足)

日足チャートのラインはそのままに1本だけ別のラインを追加してあります。今週の動きは明らかにピンクの三角の中でペナントを形成していますが、このペナント自体が今週末には頂点に行ってしまうため、ごく短期間の参考にしかなりません。それよりはピンクのサポートとそれに平行に引いた青のラインによる上昇チャンネル継続と見た方が妥当そうです。
そして、先週に大きく上げて以降の動きを見ると22500~24000ドル水準での横ばいと見ることも出来、その場合は下に抜けるとリバーサルパターンの形成となり、その場合には22000ドルを割り込んでくると一段の下げにつながる可能性が出てきます。現状ではまだもみあいの中にあり、上にも下にも動きうるのですが、年末に向けて参加者が減ってくることを考えるともう1週間程度はもみあいを挟んで、そこから新年に入って新たな動きが出てくる可能性が高そうです。
ということで来週も今週のレンジ内でのもみあいを考え、22500ドルをサポートに24200ドルをレジスタンスとする週と見ておきます。

今週の主なトピックス

今週の仮想通貨(暗号資産)関連のニュースの中から、筆者が気になった内容をコメントともに「主なトピックス」として取り上げていきます。今週はこの1週間(前回執筆時以降)で気になったニュースを海外から2本取り上げます。

取り上げた元記事を確認できるように、ピックアップするソースを日経新聞に絞っています。日経新聞の朝刊と電子版の別と日時を併記してありますので、ご自身の目でお読みいただくと良いと思います。

今週の主なトピックス

*筆者コメント
リップル社は21日同社のリップル(XRP)を巡りSEC(米国証券取引委員会)に提訴される予想を示し、翌22日にSECはリップル社を投資家保護違反の疑いで提訴しました。
これはリップル社がXRPを通貨とするいっぽうで、SECはXRPを有価証券とみなしたことによるものです。これまでも仮想通貨(暗号資産)が有価証券にあたるかどうかは議論されていたところですが、SECはビットコインとイーサリアムについては分散化されているため有価証券ではないとし、他の仮想通貨(暗号資産)については見解を示していませんでした。
そこに今回SECがXRPを有価証券としたことで、XRPは急落。今後XRPが通貨なのか有価証券なのかはっきりするまで、XRPはビットコインとイーサリアムに大きく後れを取る状況が続きそうです。

今週の主なトピックス 2枚目の画像

*筆者コメント
上の記事と関連して仮想通貨が通貨なのか証券なのかについて解説された記事ですので、セットで紹介しておきましょう。今回のSECによる提訴でビットコインとイーサリアムは通貨だが、XRP(リップル)は有価証券とされた違いです。
ビットコインとイーサリアムには発行主体が無くマイニングで発行量が増えていきますが、XRPにはリップル社という発行主体があり、しかもリップル社はXRPを売却することでこれまで13.8億ドルの資金調達をしてきました。また、SECが特に問題視しているのは仮想通貨交換業者(取引所)にインセンティブ(割安で売却して資金調達、業者も差益が得られる)を与えたことです。
日本の取引所もインセンティブを受けていない業者は、受けていない旨を明確にしていますが、何も出していない業者はおそらくインセンティブを受けていたのではないかと考えられ、今後の取引所選別要因にもなるかもしれません。それ以上にリップル社と提携している大手金融機関への影響も大きそうです。
XRPの流通形態を見ると、株式を安価に第三者割当していることと何ら変わらないと言えますので、今回の提訴をきっかけに多くの仮想通貨(暗号資産)発行業者は、戦略の見直しを迫られることになりそうです。最終的な結論が出るにはまだ時間がかかりそうですが、年末を控えて思いがけないニュースが出てきたものです。

今週のコラム「リップルの週足チャート」

ビットコインが対ドル、対円とも史上最高値を更新する動きの中でXRP(リップル)も途中までは歩調を合わせていましたが、SECによる提訴を受けて、ビットコインとは明暗を分けることとなりました。これまでもビットコインは強くイーサリアム、リップルと時価総額ランキング順に上昇も弱いという流れでしたが、リップルの2020年の動きを週足チャートで見てみましょう。

今週のコラム「リップルの週足チャート」

リップルは、2月高値と3月安値を起点とした長期的なトライアングル(ピンク)の中での動きとなっていましたが、11月にこのトライアングルを上抜けやっとビットコインに追随する動きとなっていましたが、ビットコインよりも一足早く11月中には高値をつけ水準を下げてきたところにSECのニュースで急落しました。

年初来安値と年初来高値の78.6%押しも割り込み、11月の上昇前に9月から10月にかけてもみあっていた水準の安値(青の水平線)にまで下げることとなりました。ここで下げ止まれば、まだ回復の可能性も出てきますが、SECによる提訴の結果が見えるまでは投資家としても手を出しにくい状況です。今から考えるとペイパルがマイニングする仮想通貨(暗号資産)のみを対象にしていたのは大正解ですが、もしリップル社が負ける結果ということになると年初来安値を見に行く流れもありそうです。引き続きXRP(リップル)の動きからは目が離せそうもありません。

なお、年内の更新は本日が最終となり次回の仮想通貨週報は2021年1月8日からとなります。今年も1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

ディスクレーマー

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