リップル騒動、SBIが狙うは大阪・神戸「国際金融センター」誘致か(21/1/18)

昨年12月、米国証券取引委員会が暗号資産時価総額5位のXRP(リップル)を訴えるというニュースが流れてそろそろ一か月が経過しようとしている。

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リップル騒動、SBIが狙うは大阪・神戸「国際金融センター」誘致か(21/1/18)

リップル騒動、SBIが狙うは大阪・神戸「国際金融センター」誘致か

昨年12月、米国証券取引委員会(SEC)が暗号資産時価総額5位(2021年1月17日時点、コインマーケットキャップ)のXRP(リップル)を訴えるというニュースが流れてそろそろ一か月が経過しようとしている。ビットコインやイーサリアムなどと同じく、リップルも価格を上げていただけに、想定外のニュースを受けて、投資家だけではなく取り扱っている交換所も大混乱となった。今回、争点となっているポイントと日本の対応がどうなるかを確認していきたい。

SECは昨年12月23日に、リップル社とCEOなどを証券法違反で提訴した。SEC側の主張は「リップル社は2013年から7年間に渡って、米国の有価証券登録を行わずにリップルを販売し続け、1300億円を超える資金を調達した」というものである。この主張に対して、リップル社CEOのガーリングハウス氏は「SEC長官は、暗号資産業界のイノベーションをビットコインとイーサリアムに限定するつもり。異議を申し立てる。」と反論、全面対決の構図となっている。以前より、リップルの販売に対しては米国内で厳しい監視及び規制を受けており、その都度、ガーリングハウス氏は強気の見解を述べていた。

SECの見解はシンプルで、「ビットコインやイーサリアムは暗号資産であって有価証券ではないが、リップルは有価証券である。有価証券にも関わらず、リップル社は無登録で証券ビジネスを長年展開している」というロジックである。リップルはビットコインのような分散化されたシステムではなく、リップル社が中央管理する「XRPレジャー」という固有のシステムを使用しており、ブロックチェーン・ベースではない。確かにこの観点から考えるとSECの指摘は理屈が通るものの、ビットコイン等の有価証券性に関する議論は2年ほど前に決着しており、なぜこのタイミングでリップルを狙い撃ちしたのかは謎だ。訴訟が終わるまでには数年の時間がかかる可能性があり、仮にリップルが有価証券であるというSECの主張が認められれば、暗号資産交換所のほとんどは、有価証券を取り扱う許可を持っていないことで、リップルを取扱うことはできなくなる。

リップル上場を維持したい交換所は、SECから証券取引所としての登録を求められるだろう。米国では有価証券を取り扱う壁は高く、そもそも未登録の有価証券を扱っていたという罰則を受ける可能性すらあり、ビジネスを展開するうえでのリスクは非常に高い。日本も同じく、第一種金融商品取引業の登録を取りに行く(暗号資産デリバティブを行うことを前提)わけだが、金商業者となるための内部管理態勢の構築(受発注に伴う証票の管理、不公正取引の検知、1線・2線・3線の整理など)は、人件費、時間といったコストが莫大にかかる。生半可な態勢構築では、当局のOKは出ないためそれ相応の資本を投下する必要がある。

このようなSECの動きに対して、日本の金融庁はSECとは異なる見解を示している。1月13日、リップルを証券とは考えていないと一部ウェブメディアが報じている。報道では、金融庁は、リップルは日本の法律下では証券としての要件を満たしていないと述べたという。この見解は、昨年12月末にリップルと距離が近いSBIホールディングの北尾吉孝氏が述べた「日本のFSAは、リップルは証券ではないことを明確にしている」と同じ見解である。リップル社の本社移転先に日本も候補地にあがっており、リップル社取締役の北尾氏の存在は大きい。北尾氏は大阪・神戸を中心とした国際金融センター誘致構想を打ち出していることから、リップル社の本社日本移転というストーリーはあながち夢物語ではないだろう。

SECとFSAの見解が見事に分かれているが、日本は資金決済法の元、世界で一番早く暗号資産を法整備している。今回の騒動は、日本がリップルを取り込む大きなきっかけとなりそうだ。となれば、時価総額5位に入る暗号資産を有する企業が日本を中心に事業を展開することとなる。SBIホールディングスとしては注力するには十分なネタである。後は、FSAが米国のプレッシャーに屈しないことだけを祈るだけだ。

リップル騒動、SBIが狙うは大阪・神戸「国際金融センター」誘致か

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