カナダではBTCETFが熱い、参考事例を手にしたSECはどう考える?

ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)は、2017年辺りから出ては消えての泡沫のようなテーマではあった。

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カナダではBTCETFが熱い、参考事例を手にしたSECはどう考える?

カナダではBTCETFが熱い、参考事例を手にしたSECはどう考える?

ビットコイン(BTC)ETF(上場投資信託)は、2017年辺りから出ては消えての泡沫のようなテーマではあった。米国では話が出る度、証券取引委員会(SEC)が却下していた。そのようななか、米国のお隣の国であるカナダでは一足先にビットコインETFがトロント証券取引所(TSX)に上場しており、取引を開始している。ETFは機関投資家、個人投資家による資金流入が期待できる投資商品のため、今後のBTC市場の新たな需給要素となるのは間違いない。

先週、TSXに新しく申請したETFは、2300億ドル規模の資産を運用するカナダ大手投資企業のCI Financialによるものである。同社はすでに暗号資産関連会社のGalaxy Digitalと提携し、BTCファンド「CI Galaxy Bitcoin Fund」を提供しており、TSXに上場している。TSXでは、2月18日に、「BTCC」、19日には「EBIT」の2本のBTCETFがそれぞれ上場した。このうちBTCCの初日の取引は1億ドルを超え、2日間での運用残高は約4億ドルを超えた。この数字を見る限り、TSX上場のBTCETFの取引は上々と言えよう。

BTCETFは、スタートすることでより多くの資金が市場に流入するだろうと言われてきた。BTCに興味はあるが、暗号資産交換所に口座を開くのは、度重なるハッキングなどセキュリティを考えると心配、乱高下するBTCの現物を売買するのは難しいし値動きの早さに疲れる、といった理由でBTC投資を躊躇していた投資家を取り込むことが可能だからだ(日本の投資家ならば、日本銀行(日銀)によるETF買入という金融緩和策を身をもって経験しているので、ETFという金融商品購入が、その原資産の価格を押し上げる効果が非常に大きいということを十分すぎるほど理解しているだろう)。感覚としては、金先物や原油先物、VIX(恐怖指数)先物を直接売買するのは怖いが、それぞれのETFなら購入のハードルが低くなるといった理屈と全く同じである。BTCの価格高騰も加わり、取引は活況となっているようだ。今後も新たなBTCETFが上場すると見込まれているTSXは、世界の暗号資産関係者から注目が集まるだろう。

そして、今後、最大の注目は、2017年以降、セキュリティなどを理由にBTCETFの申請を却下し続けているSECがどう判断するかだ。カナダとアメリカで規制当局が異なることから、「右に倣え」という簡単な承認が出るはずはないが、BTCETFが上場し取引が実際に行われているという事実は貴重な参考事例となるだろう。SECは、今後、BTCCの監査役であるErnst and Youngによる監査内容を注視し、自分たちが抱える申請内容をジャッジするベンチマークとするはずだ。

SECは、これまでの却下の理由として、暗号資産の市場操作の恐れがある点や、暗号資産市場の監視共有態勢が不十分である点など複数の問題を指摘していた。カナダの規制当局であるオンタリオ証券委員会が、今回どのような視点で申請を承認したのかは今のところ不明だが、過去、SECが問題視していたこれらの点をある程度はクリアした可能性がある。となれば、SECはカナダの事例を踏まえ、監査内容の確認など慎重に事を運んだとしても2021年中には前向きな動きが出てくるのではないだろうか。米国もBTCETFスタートとなれば、日本やETFが人気の韓国などアジアも取扱いがスタートしていく公算が大きい。今の暗号資産市場は、企業によるBTC購入など資金流入期待が価格をけん引している。ETFという投資家参入のハードルが一段下がる金融商品が各国で活発な商いとなれば、暗号資産市場の需給はしばらく安泰といえよう。

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