ビットコイン円、ポジション調整主導で急反落。イエレン氏の発言も重石に
〇ビットコイン円2/21に614.2万円まで急伸するも、パウエルFRB議長議会証言を警戒して反落
〇イエレン米財務長官「ビットコインは投機性が強く、利用者は警戒が必要」
〇米テスラ社のイーロン・マスクCEO「ビットコイン価格が高いように見える」(2/20のツイート)
〇納税資金確保を目的としたビットコイン売りのアノマリーも重石となる一時510.5万円まで急落
〇売り一巡後は574.7万円まで持ち直す
〇ビットコイン円押し目買い意欲強く、テクニカルも上昇トレンド継続示唆
〇ファンダメンタルズも投資促進のインフラ整備進む
〇FRB議長証言前に海外時間のボラティリティ急拡大に要注意
〇本日の予想レンジ:500.0万円ー600.0万円
昨日の概況
22日(月)のビットコイン円相場は高値圏から急反落。相次ぐ好材料(マイクロストラテジー社によるビットコインの追加投資計画の発表や、世界最大規模の資産運用会社ブロックロック社によるビットコイン投資検討報道、ビットコインETFの順調な滑り出し、時価総額1兆ドル突破に伴う楽観ムードなど)を背景に、前日2/21には史上最高値となる614.2万円まで急伸するも、①パウエルFRB議長による半期に一度の議会証言を前にした警戒感(テーパー・タントラム再燃への警戒感)や、②上記①を背景とした米長期金利の急上昇(米長期金利上昇→ドル高→米株安→ビットコイン下落の波及経路)、③オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(ローデルタ物のPUTオプションを購入する大口フローの増加)、④短期筋のロスカット(ハイレバレッジ勢によるストップSELL)、
⑤イエレン米財務長官による「ビットコインは投機性が強く、利用者は警戒が必要」とのネガティブな発言、⑥米テスラ社のイーロン・マスクCEOによる「ビットコイン価格が高いように見える」との2/20のツイート、⑦納税資金確保を目的としたビットコイン売りのアノマリーが重石となり、米国時間朝方には一時510.5万円まで急落する場面も見られました(対ドルでは心理的節目5万ドル割れ)。もっとも、売り一巡後は押し目買いに支えられる形で急反発に転じ、本稿執筆時点(日本時間6時45分現在)では、574.7万円付近まで持ち直す動きとなっております(ボラタイルな相場展開)。
本日の見通し
ビットコイン円相場は2/21に記録した史上最高値614.2万円をトップに反落に転じると、昨日は一時510.5万円(わずか1日で▲103.7万円の下落幅)まで急落しました。しかし、心理的節目500.0万円や、21日移動平均線491.3万円をバックに下げ渋ると、結局押し目買い主導で574.7万円まで持ち直す力強い動きとなりました。強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転やパーフェクトオーダーも継続しており、テクニカル的に見て、上昇トレンドの継続が意識されます(昨日の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整と整理)。ファンダメンタルズ的に見ても、米企業による新規参入・資金流入の動きが継続している他、BNYメロンによるカストディ事業参入や、カナダでのビットコインETFローンチ等、投資促進に繋がるインフラ整備も着々と進んでいます。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。但し、今晩(日本時間0時00分)予定されているパウエルFRB議長の議会証言にて「テーパー・タントラム」を引き起こす展開となった場合には、米長期金利上昇→米主要株価指数急落の波及経路でビットコインを含むリスクアセットに強い下押し圧力が加わる恐れもある為、海外時間帯のボラティリティ急拡大には細心の注意が必要でしょう(同イベントを無難にこなせばビットコインは再び上昇基調に戻ると予想)。
本日の予想レンジ:500.0万円ー600.0万円
注:ポイント要約は編集部
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