ビットコインの価格分析:『史上最高値更新後に反落するも底堅さを堅持。米長期金利に注目』(3/20)

ビットコイン円、史上最高値(672.4万円)更新後に反落し、一時583.8万円まで急落しました(週末にかけて持ち直すも、全値戻しは達成できず→上値の重さを確認)

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ビットコインの価格分析:『史上最高値更新後に反落するも底堅さを堅持。米長期金利に注目』(3/20)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(3/14−3/20)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初667.7万円で寄り付いた後、①米政府による追加経済対策期待(1400米ドルの給付金がリスクアセットに流入するとの期待感)や、②米マイクロストラテジー社によるビットコインの追加購入報道、③対ドルでの節目60000ドル突破に伴うロスカット(短期ハイレバ・ショート勢のストップBUY)が支援材料となり、3/14アジア時間にかけて、史上最高値672.4万円まで急伸しました。しかし、節目60000ドル突破に伴う達成感から利食い売りが強まると、④CME先物市場の窓埋め圧力や、⑤インド政府による暗号資産禁止法案の提案報道(暗号資産の保有、発行、マイニング、取引、送金を犯罪行為とみなす内容。保有者には6ヵ月以内の売却義務が課せられるとのこと。但し情報は錯綜しており真偽は不明)、

⑥米Geminiへの大口送金(ビットコイン売りを連想)、⑦米FOMCを控えた警戒感(ドットチャートの利上げ時期前倒しでテーパリング観測が再燃するとの思惑)、⑧オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(ダウンサイドPUTの大口購入と、トップサイドCALLの大口売却が活発化)、⑨韓国国税庁による脱税操作の取り締まり強化、⑩世界最大級のヘッジファンド英マン・グループのエリスCEOによる「ビットコインは長期保有資産ではない」とのコメントが重石となり、週央にかけて、週間安値583.8万円まで急落しました。

もっとも、一目均衡表転換線に続落を阻まれると、⑪米みずほ証券による「給付金1400ドルの影響で2兆円以上の資金がBTC市場へ流入する可能性がある」とのリサーチレポートや、⑫Oaktree Capital創業者のHoward Marks氏による「ビットコインについてのポジティブ発言(従来のネガティブな見方が変化)」、⑬米大手暗号資産ファンドDigital Galaxy創業者のMike Novogratz氏による「ビットコインの買い増しtweet(I bought more BTC at 56,500. Just in case anyone was wondering if I’m still bullish.)、⑭米暗号資産取引所大手Kraken社による「2022年のダイレクトリスティング計画」報道、⑮スクウェア・エニックス社によるブロックチェーン技術を活用したNFTデジタルシールの販売計画発表、

⑯米FOMC後の早期テーパリング観測後退、⑰米モルガン・スタンレー社による「富裕層顧客に対してビットコインで資産運用を行うファンドサービス提供」との一部報道(※週末には同社が韓国の暗号資産取引所大手Bithumbの買収を検討しているとの報道もあり)、⑱中国系企業Meitu社によるビットコイン及びイーサ―リアムの買い増し報道、⑲バンク・オブ・ニューヨーク・メロンによる暗号資産関連スタートアップのファイアブロックス社への出資報道、⑳カナダに続き、ブラジルでもビットコインETFが承認されたこと等が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間3/20午前7時45分現在)では、635.7万円前後まで持ち直す動きとなっております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

移動平均線(Moving Average)は強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダーの形状(上から順番に短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線が並ぶ状態)が続いております。但し、ローソク足と21日移動平均線の乖離が10日以上埋まっていないことから、短期的にはポジション調整リスクに注意が必要でしょう(下落時は21日線が位置する579万円前後がイニシャルサポート)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

史上最高値更新後に反落に転じたことで、強い上昇トレンド入りを示唆するバンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿って上昇を続ける状態)は終了しました。バンド幅も縮小に転じるなど、3月上旬から中旬にかけての騰勢は徐々に和らぐ動きを見せつつあります(史上最高値672.4万円をバックに戻り売りが出易い状況。来週はやや下押しリスクに警戒)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

遅行線のローソク足接触および転換線と基準線のデッドクロスを回避できたことで、強い買いシグナルを示唆する三役好転(①ローソク足の雲上限突破、②転換線と基準線のゴールデンクロス、③遅行線の26日前のローソク足突破が全て揃う状態)が再点灯しました(3/5に三役好転が終了するも、3/9に再点灯)。但し、ローソク足と転換線が再び絡み始めたことから、同水準を維持できない場合は、基準線付近へ(566万円前後)への下押しリスクに警戒が必要でしょう。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは、過熱感(買われ過ぎ感)が消失し、現在は中立圏へと回帰しました。但し、実勢相場の方向性と、RSIの方向性が逆行する弱気のダイバージェンスが続いていることもあり、目先はもう一段のポジション調整リスクに注意が必要でしょう(戻り売りが出易いチャート形状)。

6. まとめ

今週のビットコイン円相場は、史上最高値(672.4万円)更新後に反落し、一時583.8万円まで急落しました(週末にかけて持ち直すも、全値戻しは達成できず→上値の重さを確認)。移動平均線のパーフェクトオーダーや一目均衡表三役好転など、幾つかの買いシグナルが残っているものの、バンドウォークの終焉や、バンド幅の縮小、RSIのダイバージェンス発生に鑑みると、目先はもう一段のポジション調整リスクに注意が必要でしょう(史上最高値672.4万円や対ドルの心理的節目60000ドルに近づくにつれて、戻り売りが強まる展開を想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、①米長期金利の急上昇(米FRBの意図に反して市場で早期テーパリングを織り込む動き。米格付け大手フィッチ・レーティングスも「FRBは今年後半にテーパリング方針を定め、来年早々より開始するだろう」と発表。また、一部で延長への期待感があったSLR=補完的レバレッジ比率の特例措置も3月末で終了。来週は米長期金利が一段と上昇しやすい地合い)や、②上記①を背景としたリスク回避ムードの再燃リスク(米長期金利上昇・ドル高→株安・商品安→リスクアセットとしてのビットコイン下落)、③中国で広がるバブル抑制を目的とした金融引き締め観測(中国以外にも今週はトルコやブラジル、ロシアでサプライズ利上げを実施→過剰流動性相場の逆流リスクに警戒)、④3月の下落アノマリー、⑤オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(来週3/26の日本時間17時は市場参加者に注目される四半期末のオプションカット日。現時点で40000ドルが最大建玉)など、下落リスクを意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続きビットコイン円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 570.0万円−670.0万円

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