ビットコインの価格分析:『ポジション調整は道半ば。来週も下落基調が継続か』(3/27)

今週のビットコイン円相場は、一時550.1万円まで下落するなど、冴えない動きが継続しました(週末にかけて持ち直すも戻りは限定的)。

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ビットコインの価格分析:『ポジション調整は道半ば。来週も下落基調が継続か』(3/27)

ポジション調整は道半ば。来週も下落基調が継続か

1.	直近1週間のBTC相場

1. 直近1週間のBTC相場

今週(3/21−3/27)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初633.2万円で寄り付いた後、早々に週間高値637.9万円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、①パウエルFRB議長によるビットコインに対するネガティブな発言(国際決済銀行が主催するイノベーションサミットで「ビットコインは投機的資産」「マイニングに膨大なエネルギーも要する」と発言)や、②バイデン政権による3兆ドル規模の追加インフラ投資計画に関する一部報道(国債増発懸念→米長期金利上昇→ドル高)、③米中対立激化リスク(地政学的リスクの高まり)、④新型コロナウイルス第3波への警戒感(欧州圏を中心にロックダウンの長期化懸念)、⑤伝統的金融市場に広がるリスク回避ムード(株安、債券高、商品市況下落、ドル高・円高)、⑥政府・当局による資産バブルへの警鐘を鳴らす発言・措置の増加、⑦オプション市場の月末カットオフに向けてのダウンサイド圧力、⑧ハイレバレッジ勢のロスカットが重石となり、週後半にかけて、週間安値550.7万円まで急落しました。

もっとも、売り一巡後に持ち直すと、⑨米電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOによる「You can now buy a Tesla with Bitcoin(テスラ車の購入にビットコインを利用できるようになった)」とのツイートや、⑩米大手暗号資産取引所Coinbase社によるインドでのオフィス開設・採用強化の発表(インドにおける暗号資産禁止法案を巡る懸念の後退)、⑪米CBOEのビットコイン先物・再開検討報道、⑫米投資会社スカイブリッジ・キャピタル創業者のアンソニー・スカラムチ氏によるビットコインに前向きな発言(ビットコインは必ずしも決済に幅広く使われる世界共通通貨としての立ち位置を目指す必要性はなく、価値保蔵手段としての機能で十分)、⑬米資産運用大手フィデリティによるビットコイン上場投資信託(ETF)の申請報道(投信名称は「ワイズ・オリジン・ビットコイン・トラスト」)、⑭米大手暗号資産投資会社NYDIG社のRobert Gutmann CEOによる「政府系ファンドがビットコイン投資を検討している」との発言、

⑮日銀によるCBDC実証実験を4月に開始するとの一部報道、⑯四半期末オプションカット終了に伴う安堵感(カットオフ後のデルタ調整)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間3/27午後3時10分現在)では、603.9万円前後で推移しております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

移動平均線は強い買いシグナルを示唆するパーフェクトオーダー(上から順番に短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線が並ぶ状態)が続いております。ローソク足と21日移動平均線の乖離が約2週間ぶりに埋まったことから、ポジション調整リスクはひとまず後退したと判断できます。来週は21日移動平均線を巡る攻防に注目が集まりそうです(同水準を上抜け力強さを見せるのか、或いは上値の重さを嫌気して90日移動平均線との乖離を埋めにいく展開となるのか→当方は後者を想定。600万円台での戻り売りに押されて再び下落に転じる展開を想定)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ボリンジャーバンドは縮小基調を辿っており、ボラティリティの大幅な低下が確認されます(オプション市場で取引されるインプライドボラティリティも急低下)。ボラティリティの低下は投機筋の参入意欲減退を通じて、ビットコイン売り材料として捉えられる傾向にある為、注意が必要でしょう。また、ローソク足もトレンドの方向性を示唆するミッドバンドを下抜けしており、短期的な地合いは弱いと判断できます(戻り売りが出易いチャート形状)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

一目均衡表は、強い買いシグナルを示唆する三役好転(①ローソク足の雲上限上抜け、②転換線の基準線上抜け、③遅行線の26日前のローソク足上抜けが全て揃う状態)が継続中です。但し、向こう1週間程度で転換線と基準線のデッドクロスや、遅行線のローソク足接触が見込まれることから、強い買いシグナルの「賞味期限切れ」が迫りつつある状況です(三役好転終了を回避する為には、ビットコインが向こう1週間程度で再び年初来高値672.4万円を超えなければならない→達成は困難)。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは、中立圏(過熱感なし)での推移が続いております。但し、実勢相場の方向性(トレンド)と、RSIの方向性(トレンド)が逆行する弱気のダイバージェンスが見られることから、ポジション調整リスクには引き続き注意が必要でしょう(先週は短期移動平均線との乖離を埋めるやや浅めのポジション調整が発生。来週以降は中期移動平均線との乖離を埋めるより深いポジション調整に注意)。

6. まとめ

今週のビットコイン円相場は、一時550.1万円まで下落するなど、冴えない動きが継続しました(週末にかけて持ち直すも戻りは限定的)。史上最高値(672.4万円)を記録した3/14以降、ポジション調整の動きが継続しており、来週も同様の展開が想定されます。特に強い買いシグナルを示唆する三役好転が終了する場合には、投資家心理の悪化を通じて、見切り売りが加速する恐れもある為、来週はダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。また、足元で見られるボラティリティの低下も投機筋の参入意欲減退を通じて、ビットコインの下押し材料として意識されそうです。

ファンダメンタルズ的に見ても、伝統的金融市場でリスク回避の動き(リスク回避のドル高圧力→ビットコイン下落)が警戒されている他、政府・中銀による資産価格上昇に警鐘を鳴らす発言の増加(過剰流動性相場の逆流リスク→リスクアセット下落→ビットコイン下落)、米早期テーパリング観測の高まり(米長期金利上昇→ドル高→ビットコイン下落。※パウエルFRB議長をはじめ米当局者は「インフレ圧力は一時的」と繰り返し発言していることから、米金融政策を予測する上で雇用関連指標への重要度が増している状態。

来週発表される米ADP雇用統計や、米雇用統計が力強い結果となれば、米早期テーパリング観測が一段と織り込まれる恐れあり)、納税資金確保を目的としたビットコイン売却需要(本邦:4/15、米国:5/17)等、ビットコイン円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります(今週はテスラ社のビットコイン支払い開始発表や、フィデリティのETF申請、CBOEの先物再検討などポジティブニュースが複数見られたにもかかわらず、ビットコインの反応は限定的)。以上を踏まえ、当方では引き続きビットコイン円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします(600万円台で上値の重さを確認した後、今週の安値550.1万円や、対ドルの心理的節目5万ドルを再トライする展開を想定)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 530.0万円−630.0万円

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