大幅持ち直し(21/5/25)

昨日の仮想通貨(暗号資産)取引は、ビットコインが大きく上昇しての推移となっています。

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大幅持ち直し(21/5/25)

大幅持ち直し

主要仮想通貨(暗号資産)価格【日本時間6時】

ビットコイン:39242.4ドル(+15.36%)
イーサリアム:2645.3ドル(+27.96%)
リップル:0.92913ドル(+27.42%)
ビットコインキャッシュ:703.57ドル(+33.04%)

【概況】

昨日の仮想通貨(暗号資産)取引は、ビットコインが大きく上昇しての推移となっています。米株の上昇やブリッジウォーターの創業者であるダリオ氏、テスラのマスクCEOの発言などが意識されての動きとなっています。米株の上昇に関しては仮想通貨(暗号資産)市場の買い戻しが意識されての動きという見方もあり、鶏が先か卵が先かといった話になるかとは思いますが、いずれにしても相互に影響を与えているという認識で問題ないのではないかといった見方をしています。その他の通貨も大幅上昇となっており、ここまでの下落に対する調整の動きが強まっている局面ということができそうです。

さて、今回は上述のダリオ氏とマスク氏の発言についてみていこうと思います。まずはダリオ氏ですが、仮想通貨の勢いが引き続き増すのであれば投資家は国債よりも仮想通貨を投資先に決める可能性があるとし、政府の資金調達能力の制御を失う可能性について指摘しました。過去に債券利回りがインフレを下回る状況では債券に投資する経済的意味はおろかなものとなっていると発言するなど、債券に対して弱気の見方を示しており、今回の発言はそれに沿ったものということができるでしょう。しかし、その一方でブリッジウォーターの投資先における米国債やその他国債に対する割合は高くなっていることには注意が必要でしょう。ビットコインもいくらか保有しているとも述べています。

そもそも、仮想通貨(暗号資産)と国債とを投資対象として比較することに対する違和感はぬぐえないところではないでしょうか。安全資産としての国債の役割と投機的な側面の強いビットコインを比較しており、ビットコインが上昇局面にあればビットコインが選好されるのはある程度は当然のことであり、仮にここから下落局面が継続した場合は国債を保有していたほうが理に適うことになるのではないでしょうか。その意味ではダリオ氏の発言は現段階においてはおかしいとは言い難いものの、永続的なものとは言い難いという点は頭に入れておくべきではないでしょうか。しかも、テーパリングに対する思惑が意識される中で米国債利回りも上昇基調を強める可能性が出てきているだけに、一概に国債よりもビットコインとは言えない状況となる可能性も十分にあるでしょう。

一方、マスク氏の発言ですが、北米のマイナーと話をして再生エネルギー使用データを公表するといったもので、ビットコインの下落に対する警戒感を持っているのではないかと思われるツイートをしています。ビットコインの価格はテスラの株価にも一定以上の影響を持っているのではないかと思われる動きであり、自身の発言で相場を押し上げたいとの思惑があってもおかしくなさそうな状況ではあります。

そもそも、マイニングの中心は中国であり、中国の石炭火力の環境負荷が問題としては大きな部分であり、北米のマイニングは最近伸びてきているとは言われているものの、ここで再生エネルギーが用いられていたとしても問題の解決になるのかどうかといった点は不透明です。もちろん、中国でも水力発電などから多くの電力供給がなされており、言われているほどには環境負荷が大きくないという見方もあります。しかし、今回の北米のマイナーの話からマイニングの環境負荷を語るのはピントがずれているのではないかと考えています。

個人的にはマスク氏の発言に関しては仮想通貨(暗号資産)の将来を考える上でリスク要因ではないかと考えています。しかし、その一方で相場を動かす要因となっていることは事実であり、無視すべきではないと言えるでしょう。とりあえずは動向に注目しつつ、発言に沿った動きをしておくのが投資としては無難といえるでしょう。

【ビットコイン節目】

ビットコインはバンドの-2σである31500ドル前後の水準から持ち直し基調となっており、40000ドルを目指しての動きです。40000ドル前後の水準はバンドの-1σに当たる水準であり、ここが重要な節目となりそうです。ここを抜けた場合はバンドの中心線である47770ドルや50000ドルが意識されそうです。下落した場合はバンドの-2σが意識されそうです。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σから持ち直しての動きです。バンドの±2σが下落する動きとなっているため、トレンドそのものは下向きですが、バンドブレイクからバンドウォークといった大きな動きにはなりにくいところであり、目先はバンドの-2σに到達したことで持ち直す動きが展開されています。一時的には買い戻される可能性が高まっていますが、上値は重く戻り売りに上値を抑えられそうです。再度-2σまで下落といった動きになる可能性も十分にあるので、注意が必要でしょう。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dはゴールデンクロスからの上昇が意識され、下値圏から外れる動きとなっています。このまま上昇の流れが継続するかどうかに注目です。現状ではまだ上値余地は十分にあるので、買いの流れが継続する可能性は高そうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σから持ち直しの動きとなり、そのままバンドの中心線を抜けて+2σまで上昇しています。目先は+2σで抑えられる動きが展開されていますが、バンド幅は比較的狭く市場にはエネルギーが蓄積されています。バンドブレイクからバンドウォークといった大きな動きとなる可能性もあるので、バンドの-2σの方向感には注意が必要です。バンドの-2σは目先横ばいですが、この流れ維持された場合は+2σで抑えられてレンジ圏での動きが展開されやすくなるでしょう。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dはゴールデンクロスから上昇して高値圏に入っています。%Kは目先天井打ちとなっていますが、ここから下落基調を維持して高値圏から外れる動きとなるのかどうかに注目です。今のところはまだそういった動きにはなっていないため、底堅い動きは意識されそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

64780ドル:史上最高値
64040ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
47770ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
40000ドル:心理的な節目
39850ドル:昨日の高値

39240ドル:現在値

34470ドル:昨日の安値
31500ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
30000ドル:心理的な節目
29300ドル:2020年の高値
4000ドル:2020年の安値

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