ビットコイン円、ショートカバー一巡で伸び悩む展開。チャイナリスクが相場の重石
〇ビットコイン円前日暴落の反動で一時434.5万円まで急伸
〇買い一巡後はテクニカルな戻り売り圧力、HSBCの不参入方針、チャイナマネー撤退の思惑に反落
〇ビットコイン円テクニカルの地合い弱く、ファンダメンタルズも弱気材料増加
〇ビットコイン円相場下落がメインシナリオ、オプションのボラティリティ高く、荒れ模様
〇本日の予想レンジ:370.0万円ー450.0万円
昨日の概況
25日(火)のビットコイン円相場は上値の重い展開。前日24日に暴落した反動を受けて、アジア時間朝方にかけて一時434.5万円まで急伸しました(24日安値339.8万円→25日高値434.5万円)。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、①心理的節目40000ドルおよび200日移動平均線433.7万円をバックにした戻り売り圧力や、②上値の重さを嫌気した短期ハイレバレッジ勢の見切り売り、③英銀行大手HSBCによるビットコイン事業に参入しない方針の発表、④暗号資産取引所大手Bybitによる中国人ユーザーのアカウント制限措置、⑤上記④を背景としたチャイナリスクへの警戒感(Bybitに続いて他取引所も一斉にアカウント制限に踏み切るのではないかとの思惑→チャイナマネーの撤退の思惑)が重石となり、米国時間朝方にかけて、日通し安値398.4万円まで急落しました。米国勢参入後に持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5時20分現在)では410.0万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は強烈に下げた(5/24安値339.8万円)反動を受けて、日本時間朝方に一時434.5万円まで反発するも、ショートカバー一巡後に伸び悩むと、再び反落に転じる冴えない動きとなりました(市場参加者に注目されている対ドルの節目40000ドルを回復できず)。強い売りシグナルを示唆する一目均衡表三役逆転が継続していること、200日移動平均線を上抜けられなかったこと等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(下落トレンドの途中に見られる一時的な反発局面と認識=売り遅れた勢力によるオファーが並んでいると考えられる為、上値余地は限定的)。
ファンダメンタルズ的に見ても、チャイナマネーの撤退観測(マイナー・投資家双方)や、過剰流動性相場の逆流リスク(米国を含めた世界的なテーパリング観測が懸念材料。昨日は本邦の須田美矢子元日銀審議員からも金融緩和の出口議論を早くはじめるべきとの発言あり)、暗号資産に係る世界的な規制強化の思惑(投資家保護の観点、AMLCFTの観点)など、ビットコイン円相場の下落を意識させる弱気材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、暗号資産オプション市場では依然としてインプライドボラティリティが1ヵ月物110%前後の高水準で取引されており、今週金曜日17時のオプションカットを迎えるまでは、ショートガンマの構造が継続すると考えられます。この為、上下共大きな値幅が出易くなっており、ポジションサイズの管理に引き続き注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:370.0万円ー450.0万円
注:ポイント要約は編集部
- 関連通貨:
関連記事
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2023.05.27
ビットコインの価格分析:『膠着相場が継続も、来週はレンジ上方ブレイクに要警戒』(5/27朝)
ビットコイン円相場は、約2週間に亘って360.0−380.0万円レンジが続いています
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:山中 康司
2023.05.26
暗号資産週報「地合いは弱く一段安を目指すか」(5月第4週)
5月安値を改めて試す動きとなっていて、ここを下抜けてくると3月安値と4月高値の半値押しとなる25291ドルを視野に入れる展開となって行きそうです。
-
-
-