ビットコインの価格分析:『来週は米インフレ懸念に端を発したリスクオフ再開に要注意』(6/5)

ビットコイン円相場は、5/23に記録した安値339.8(約4ヵ月ぶり安値圏)をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、一時433.3万円まで反発しました。

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ビットコインの価格分析:『来週は米インフレ懸念に端を発したリスクオフ再開に要注意』(6/5)

『来週は米インフレ懸念に端を発したリスクオフ再開に要注意』

『来週は米インフレ懸念に端を発したリスクオフ再開に要注意』

直近1週間(5/30−6/5)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初382.0万円で寄り付いた後、①5/28に発表された米4月PCEコアデフレータが上昇したこと(ドル高圧力)や、②米当局者よりタカ派的な発言が相次いだこと(クオールズFRB副議長は「資産購入縮小の条件を年内に満たす可能性がある」と発言)、③上記①②を背景とした米早期テーパリング観測の高まり(6月FOMCや7月議会証言、8月ジャクソンホール、9月FOMCへの警戒感)が重石となり、早々に週間安値369.1万円(5/23以来の安値圏)まで下落しました。しかし、売り一巡後に持ち直すと、④英米市場休場(英国はスプリングバンクホリデー、米国はメモリアルデー)に伴うポジション調整や、⑤対主要通貨でのドル売り圧力(米長期金利の伸び悩み)、

⑥インド中銀(RBI)による「顧客の暗号資産取引を商業銀行が禁止することはできない」との公式文書、⑦米大手暗号資産取引所コインベースによるドージーコインの取扱い開始(ドージーコインは急騰→暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)、⑧株高を背景としたリスク選好ムード、⑨英スタンダードチャータード銀行による暗号資産取引サービスの提供検討報道、⑩直近レンジ上抜けに伴う短期筋のストップBUY、⑪ロシア財務相による米ドル建て資産の撤退報道(ロシア政府系ファンドのドル建て資産の保有高をゼロにし、ユーロや人民元、金にシフトする計画)が支援材料となり、週後半(6/3)にかけて、約1週間ぶり高値となる433.3万円まで上昇しました。もっとも、対ドルの心理的節目40000ドル(≒440.0万円)や200日移動平均線444.7万円をバックに伸び悩むと、⑫イーロン・マスクCEOによるビットコインにネガティブなツイート発信が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/5午前7時10分現在)では408.0万円前後まで値を崩す展開となっております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は週後半にかけて上昇しましたが、市場参加者に注目される200日移動平均線の突破(上方ブレイク)には至りませんでした。同水準がレジスタンスとして確り機能していることから、上値余地は乏しいと判断できます。また、今週は21日移動平均線と200日移動平均線のデッドクロスも実現しており、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております(下落トレンド入りを示唆)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は週後半にかけて一時433.3万円まで上昇しましたが、ボリンジャーミッドバンドを上抜けることは出来ませんでした。同ラインがレジスタンスとして確り機能していることから、上値余地は乏しいと判断できます(下落トレンド入りを示唆)。ヒストリカルボラティリティの低下に沿ってバンド幅は縮小傾向を辿っていますが、オプション市場で取引されるインプライドボラティリティは高止まりの状態が続いています(ヒストリカルボラティリティとインプライドボラティリティにギャップが発生中)。こうした状態は、嵐の前の静けさと捉えることもできることから、来週は想定外の値幅拡大に注意が必要でしょう。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は一目均衡表基準線を挟んで方向感に欠ける値動きが続いております。但し、強い売りシグナルを示唆する三役逆転(転換線の基準線下抜け+遅行線の26日前のローソク足下抜け+ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃う状態)が成立する中、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(下落トレンド入りを示唆)。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは5月下旬の暴落局面で一時過熱感(売られ過ぎ感)を示唆する30%ラインを割り込む場面が見られましたが、その後ショートカバー主導で持ち直したことで、現在は中立圏内へと回帰しました。過熱感が解消されたことで、ショートカバーは一巡したと判断できます。現在はロングもショートも持ちづらく、気迷いムードが漂っていますが、日足ベースのトレンドが下落に転じたことに鑑みれば、リスクはやはりダウンサイドと判断できます(ショートカバー一巡後の反落リスクに要警戒)。

6. まとめ

ビットコイン円相場は、5/23に記録した安値339.8(約4ヵ月ぶり安値圏)をボトムに反発に転じると、今週後半にかけて、一時433.3万円まで反発しました。しかし、①対ドルの心理的節目40000ドル(≒440.0万円)や、②200日移動平均線444.7万円、③5/10高値648.4万円と5/23安値339.8万円のフィボナッチ38.2%戻し457.7万円を上抜けられなかったこと、④強い売りシグナルを示唆する三役逆転が継続していること等を踏まえれば、テクニカル的に見て、地合いは弱い(上値余地は乏しい)と判断できます(明確な下落トレンド入り。押し目買いではなく、戻り売りが適切なチャート形状。オプション市場でもリスクリバーサルがBTCプットオーバーへ拡大継続)。

ファンダメンタルズ的に見ても、①イーロン・マスクCEOによるネガティブ発言の増加(これまで暗号資産市場を押し上げる材料となっていたイーロン・マスクCEOのツイートが、先月以降一転して、暗号資産市場を押し下げる材料に変化)や、②米インフレ懸念に端を発した米早期テーパリング観測の高まり(来週6/10に発表される米消費者物価指数が市場予想を上回る結果となれば、米長期金利上昇→過剰流動性相場逆流→資産現金化需要のドル買いを通じて、ビットコイン相場を押し下げる可能性あり)、③世界的に広がる規制強化の動き(中国による規制強化に加えて、英金融行動監視機構もかなりの数の暗号資産関連企業がAML/CFTの基準を満たしていないと警告)、④ESG問題を背景とした大手企業による参入鈍化リスク(電力消費問題を背景に参入を躊躇する企業の増加懸念)など、ビットコイン円相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落(二番底形成)をメインシナリオとして予想いたします。6/4に発表された米雇用統計が不冴な結果となったことで、ビットコイン円相場は辛うじて節目400.0万円前後でサポートされましたが(米雇用統計の冴えない結果→米早期テーパリング観測後退→米長期金利低下→米ドル売り→ビットコイン上昇)、来週6/10に発表される米消費者物価指数の結果次第では、インフレ懸念再燃→米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル買い→ビットコイン下落に繋がる恐れもあるため、ダウンサイドリスクに引き続き注意が必要でしょう(事実、米雇用統計と同タイミングで発表された米平均時給は大幅な伸びを記録。来週は米インフレ懸念に端を発したリスクオフ再燃に要注意)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 325.0万円−450.0万円

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