金融庁公表【仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ】11

私も金融機関でのカスタマーサポートの経験がありますが、カスタマーサポート業務は、当業界では非常に苦しい業務です。

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金融庁公表【仮想通貨交換業者等の検査・モニタリング 中間とりまとめ】11

II.検査・モニタリングの実施状況…8

2.検査・モニタリングで把握された事例

【問題事例2】第2線:リスク管理・コンプライアンス部門
※具体的な問題事例:A.多数(8業者以上)、B.複数(2~7業者以上)、C.個社(1社)業者の事例に区分

(4)利用者保護2
【事例3】苦情対応の問題:B.複数で認められた事例
・「苦情」「相談の内容」「苦情等に対する対応状況」を把握・管理していない。
・苦情、相談がその場の個別対応となっており、内容が一元的に把握、管理されていない。
・苦情、相談を受けての業務の改善に向けた分析が行われていない。
・照会や苦情等に対応する(カスタマーサポート)要員が十分に確保されていない。
・照会や苦情等の解決がなされないまま長期間放置されている。

私も金融機関でのカスタマーサポートの経験がありますが、カスタマーサポート業務は、当業界では非常に苦しい業務です。なぜなら「お陰様で利益が出ました!」という喜びのお声をいただくことはほぼなく、その多くは苦情であり、お金が絡んでいるだけに非常に厳しい電話・メールが多いのが実情です。従って、十分な要因を確保するのが非常に困難なのですが、『カスタマーサポート業務はコスト』だと捉えられて手薄になってしまいがちです。

これを機に上質なカスタマーサポートによる顧客満足度の向上が売上に直結するという、カスタマーサポートに対する正当な評価が得られ、改善されていくことを希望しています。


【事例4】苦情対応の問題:C.個社で認められた事例
・新規口座開設に要する時間が、HPに掲載されている目安となる期間を大幅に超えている。
・口座開設期間の短縮化に向けた対応を講じていない。

【事例5】取引の適正の問題:B.複数で認められた事例
・証拠金取引において、各暗号資産のボラティリティや取引量等を定期的に検証して「レバレッジ倍率」「ロスカットの実行」を設定していない。

今現在、暗号資産の証拠金取引/デリバティブ取引は金融商品取引法(金商法)の適用対象外ですので法規制がありません。従って「レバレッジ規制」「強制ロスカット」に対する厳格な規定はないですが、各業者が規定を作成し、それに基づいた検証と設定が必要であるということを意味しています。

(5)外部委託先管理
【事例1】C.個社で認められた事例
・外部委託業者に対して評価を行っておらず、委託契約すら締結していない。
・ホワイトラベルにおいて、システム障害が発生しても、システム提供元に対して原因究明や再発防止策を求めていない。
・クラウドサーバ事業者を外部委託先と認識しておらず、外部委託先管理が行われていない。
・外部委託業者が再委託した際の「再委託内容」「再委託業務の実施状況」を確認していない。

ホワイトラベル(ホワイトレーベル、OEMとも言う)とは、自社開発の仮想通貨交換業者またはシステム開発会社側から言うと「相手先ブランドでのシステム・サービス提供」で、システム提供を受ける側から言うと「他社からシステム提供を受け自社ブランド名でサービスを提供」することです。

世界的にFX取引業界ではホワイトラベルは一般的であり、トレーディング・プラットフォームを提供している世界最大手はMetaQuotes社で、同社のMetaTrader4(MT4)とMetaTrader5(MT5)を様々なブランド(FX業者、ブローカー)が世界中の投資家に提供しています。

システム提供を受ける側の業者の問題でシステム障害等が発生するわけではありませんが、システム提供元の責任にして逃れることはできません。原因究明や再発防止策に関しては、提供を受けている側の業者が提供元の業者に対して厳しく追求し改善させなければ、上記のように処分の対象となります。

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