ビットコインの価格分析:『節目400万円を回復するもすぐに失速。来週は下落リスクに要警戒』(7/3)

ビットコインの対円相場は、今週前半にかけ約2週間ぶり高値となる404.2万円まで反発しました。

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ビットコインの価格分析:『節目400万円を回復するもすぐに失速。来週は下落リスクに要警戒』(7/3)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

ビットコインの対円相場(BTCJPY)は、①四半期末オプションのカットオフ到来(6/25)に伴う36000ドルへのマグネット効果消失や、②金融庁によるBinanceへの警告発出、③中国当局による規制強化の発表、④上記③を背景としたハッシュレートの不安定化が重石となり、6/26にかけて、一時335.0万円まで急落しました。

しかし、対ドルの心理的節目30000ドルをバックに下げ渋ると、⑤下値の堅さを嫌気した短期筋のショートカバーや、⑥イーロン・マスク氏とジャック・ドーシー氏が7/21に開催されるイベント「BWord」に参加するとの一部報道、⑦イーロン・マスク氏の誕生日(6/28)に何かしらのポジティブTweetがなされるとの期待感、⑧米長期金利低下に伴うドル売り圧力(先週末金曜日に発表された米PCEデフレータが市場予想を下回ったことが背景)、⑨世界最大の金融ブローカー英TP・ICAPと米資産運用大手フィデリティ・インベストメンツ、英銀行大手スタンダード・チャータードが共同で暗号資産の取引プラットフォームを設立するとのサプライズ発表、⑩大型アップデート「ロンドン」を控えたイーサリアムの急上昇(イーサリアム上昇→アルトコイン上昇→ビットコイン連れ高の流れ。暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)、⑪心理的節目400.0万円の大台突破に伴う短期筋のロスカット、⑫本邦における相次ぐ暗号資産交換業登録の認可取得発表(6月は東京ハッシュ株式会社、株式会社ガイア、Coinbase株式会社、株式会社CryptoGarageの4社が取得)が支援材料となり、6/29にかけて、週間高値404.2万円まで反発しました。

もっとも、その後は、⑬上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(心理的節目400.0万円台を維持できず失速。滞在期間は僅か10時間程度)や、⑭良好な米経済指標を背景とした米早期テーパリング観測の再燃、⑮米当局者によるタカ派的な発言、⑯上記⑭⑮を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(ビットコインを含むリスクアセットへの下押し懸念)、⑰世界的な規制強化の思惑(FATFレポートの中でテロリストへの資金供与手段の一つとしてビットコインなど暗号資産の活用が記されたこと)が重石となり、7/3にかけては、一時365.2万円まで反落する場面も見られました。週末にかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/3午前7時45分現在)では、373.0万円前後で推移しております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、週前半にかけて、心理的節目400.0万円の大台を回復するも、21日移動平均線(青)に続伸を阻まれると、週央以降、反落に転じました(21日移動平均線が短期レジスタンスポイントとして2週連続で機能)。90日移動平均線(緑)と200日移動平均線(赤)の早期デッドクロスも視野に入る中、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(弱気のパーフェクトオーダー成立への警戒感が相場の重石)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は、ボリンジャーミッドバンド(赤)に続伸を阻まれる形で失速しました。ローソク足は直近2週間、終値ベースで一度もミッドバンドより上側に浮上できておらず、テクニカル的に見て、上値の重さを印象付けるチャート形状となっております。バンド幅(青)もじわじわと拡大傾向にあることから、来週はボラティリティの拡大に伴う下落リスクに注意が必要でしょう(現在は膠着相場にも係わらず、暗号資産オプション市場でインプライドボラティリティが90%前後の高水準で取引されている状態)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコインの対円相場は週前半にかけて上昇するも、上方から垂れ下がってくる分厚い雲に続伸を阻まれる形で反落に転じました(来週後半には一目均衡表雲下限が400.0万円付近まで降りてくる為、ビットコイン円相場は引き続き400.0万円前後が強力なレジスタンスとして意識される可能性あり)。また、強い売りシグナルを示唆する三役逆転(一目均衡表転換線の基準線下抜け+遅行線の26日前のローソク足下抜け+ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃う状態)も継続する中、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは中立圏内(30%−70%)での推移が継続しており、過熱感(買われ過ぎ・売られ過ぎ)は特段見られません。ポジションの偏りが概ね無くなったことから(先月の急落局面でショートポジションを引っ張っていた勢力のショートカバー一巡。先週の上昇局面でロングポジションを保有していた勢力のロスカット一巡)、来週は新規ポジション構築に伴うボラティリティ上昇に注意が必要でしょう。

6. まとめ

ビットコインの対円相場は、6/22に記録した約5カ月ぶり安値319.8万円をボトムに反発に転じると、今週前半にかけて、約2週間ぶり高値となる404.2万円まで反発しました。しかし、上方より急ピッチで垂れ下がってくる分厚い雲や、強い売りシグナルを示唆する三役逆転、ダウ理論における日足ベースでの下落トレンド成立、200日線と90日線の早期デッドクロス実現懸念などを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、①米早期テーパリング観測に端を発した過剰流動性相場の逆流リスク(米長期金利上昇・米ドル高は暗号資産を含むリスクアセットのマイナス要因)、②世界的な規制強化の思惑(欧米による規制強化に加えて、中国政府による厳しい取り締まりが相場の重石)、③中国系マイニングファームの撤退観測(ハッシュレートの不安定化要因)、④大手金融機関による暗号資産ビジネスへの参入ペースの鈍化懸念(バーゼル銀行監督委員会はビットコインなど暗号資産に1250%という極めて高いリスクウエートを適用する保有規制案を公表)、⑤仮想通貨投資信託グレースケール・ビットコイン・トラストのロックアップ期間終了に伴う需給悪化懸念(ロックアップ解除→ビットコイン売り)など、ビットコイン相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(ボラティリティの拡大に伴う下落リスクに要警戒。オプション市場はダウンサイドを織り込む動き)。尚、アノマリー的な要素としては、先月以降、火曜日に直近高値・直近安値を示現する動きが繰り返されているため(6/8安値340.0万円→6/15高値454.9万円→6/22安値319.8万円→6/29高値404.2万円)、来週火曜日(7/6)に向けての下落リスクに念のため注意が必要でしょう。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 310.0万円−410.0万円

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