ビットコイン:『ボラティリティの低下が顕著となる中、BTCは3週間ぶり安値圏へ続落』(7/17)

ビットコイン円相場は軟調推移が継続し、約3週間ぶり安値となる342.3万円まで続落しました。

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ビットコイン:『ボラティリティの低下が顕著となる中、BTCは3週間ぶり安値圏へ続落』(7/17)

『ボラティリティの低下が顕著となる中、BTCは3週間ぶり安値圏へ続落』

『ボラティリティの低下が顕著となる中、BTCは3週間ぶり安値圏へ続落』

今週(7/11−7/17)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週前半(7/12)にかけて一時381.4万円まで上値を伸ばすも、心理的節目400.0万円に続伸を阻まれると、①新型コロナウイルス変異株の世界的な感染拡大(投資家心理の悪化)や、②暗号資産に係る世界的な規制強化の思惑(暗号資産取引を手控える市場参加者の増加→出来高急減→低ボラティリティ環境到来→短期投機筋の減少→更なる低商いに繋がる悪循環)、③上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、④米6月消費者物価指数が市場予想を大幅に上回ったことに伴う米早期テーパリング観測の再燃(米長期金利上昇→米ドル高→過剰流動性相場逆流→リスクアセット下落の波及経路)、⑤ハッシュレートの不安定化、

⑥中国最大手の暗号資産メディアが突如営業停止を発表したこと(中国当局の締め付けが一段と強化されているとの思惑)、⑦原油先物価格や欧米株の冴えない動きを背景としたリスク回避ムードの再燃(投資家心理の悪化)が重石となり、週後半にかけて、6/26以来、約3週間ぶり安値となる342.3万円まで下落しました。週末にかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/17午前6時45分現在)では、349.6万円前後で推移しております。尚、注目されたパウエルFRB議長の半期に一度の議会証言はハト派的な内容となりましたが、ビットコイン相場への反応は限られました(※本来であれば、パウエル氏のハト派的なスタンスはビットコイン相場を押し上げる材料になり得るものの、今回は「米長期金利低下→ドル売り」の流れにビットコインが反応できず→地合いの悪さを印象付ける結果に)。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の軟調推移を背景に、90日移動平均線(緑)と200日移動平均線(赤)のデッドクロスが実現しました。この結果、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に短期線、中期線、長期線が並ぶ状態)が成立しており、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(投資家心理の悪化に警戒。見切り売りが出易いチャート形状)。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の軟調推移を背景に、ローソク足はボリンジャーミッドバンド(赤)を下回る水準での冴えない動きが続きました(ボリンジャーミッドバンドの傾きも右肩下がり)。バンド幅(青)も低下傾向を辿っており、ボラティリティの低下を嫌気した投機マネーの更なる流出(動かない相場を受けて投機筋が別の市場に移っていく状態)が警戒されます。加えて、オプション市場で蓄積されているダウンサイドのBTCプットも、オプション勢によるデルタヘッジを通じて、ビットコイン相場を潜在的に押し下げるリスクを孕んでいます(動かない相場を受けてオプション勢がダウンサイドのオプションを売却している状態)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の下落を受けて、一目均衡表転換線と基準線のデッドクロスが実現しました。この結果、強い売りシグナルを示唆する三役逆転(一目均衡表転換線の基準線下抜け+遅行線の26日前のローソク足下抜け+ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃う状態)が再点灯しており、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。また、トップサイドからは分厚い雲が垂れ下がってきており、仮に一時的に上昇する場面が見られたとしても、売り遅れた市場参加者によるやれやれ売りが頭を抑える可能性が高く、ビットコイン円相場の上値余地は限定的と予想されます(戻り売り機会を待っている市場参加者が多い状態)。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場が緩やかに下落したことで、オシレータ系インジケータのRSIは中立圏内(30%−70%)に留まりました。現時点で過熱感(売られ過ぎ感)は見られておらず、ショートカバーの危険性は乏しいと判断できます(※オシレータ系インジケータに過熱感が見られない→ショートカバー誘発の危険性が小さい→投資家が安心して新規のショートエントリーを行える地合い)。

6. まとめ

ビットコイン円相場は軟調推移が継続し、約3週間ぶり安値となる342.3万円まで続落しました。①200日線と90日線のデッドクロスを経て弱気のパーフェクオーダーが成立したこと、②ボリンジャーミッドバンドを下回る水準での推移が続いていること、③バンド幅が縮小傾向を強めていること(ボラティリティ低下→出来高低迷→投機筋の撤退)、④一目均衡表の分厚い雲が垂れ下がってくること、⑤転換線と基準線のデッドクロスを経て三役逆転が再点灯したこと、⑥RSIに過熱感(売られ過ぎ感)が見られずショートカバーの危険性が乏しいことなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(売り遅れた市場参加者が大量に待ち構えている状態)。

ファンダメンタルズ的に見ても、①新型コロナウイルス変異株の感染拡大リスク(投資心理を冷え込ませる要因)や、②上記①を背景とした伝統的金融市場のリスク回避ムード(株式市場の下押し圧力)、③米早期テーパリング観測に端を発した過剰流動性相場の逆流リスク(議会証言でパウエル氏は慎重姿勢を強調しましたが、今週発表された米消費者物価指数、米生産者物価指数、米小売売上高などは軒並み力強い結果を示しており、米年内テーパリング観測は根強い状態)、④世界的な規制強化の思惑(中国政府による厳しい取り締まりが継続。欧米でも規制強化の方向性)、⑤大手企業による暗号資産ビジネス参入ペースの鈍化(大手企業の参入に関するヘッドラインが急減)、⑥オプション市場で蓄積されているダウンサイドのショートガンマ(ダウンサイドPUT単体の売却や、ストラングルの売却が活発化)、⑦ボラティリティ低下に伴う出来高急減(投機筋が株式市場や外国為替市場など別の市場に移っているとの観測)など、ビットコイン相場の下落を意識させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は米当局者による発言が制限される為(7/17よりブラックアウト期間入り)、金融市場に対して当局者の牽制が効きづらくなる展開が想定されます。この為、市場は催促相場に移行し易く、パウエルFRB議長の思惑とは裏腹に、米早期テーパリング観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の波及経路でビットコインを含むリスクアセットに下押し圧力を加える恐れがある点に留意が必要でしょう(万が一、対ドルの心理的節目30000ドル≒330.0万円や、6/22安値319.8万円を割り込む展開となれば、オプション勢によるショートガンマに係るBTC売りを通じて、ビットコイン相場がダウンサイドに一気に走る可能性もあり、注意が必要)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 300.0万円−390.0万円

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