エルサルバドル、財政面では保有BTC換金売りの可能性もあるか?(21/9/8)

エルサルバドルでは、9月7日からビットコインが米ドルと並んで法定通貨となる。

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エルサルバドル、財政面では保有BTC換金売りの可能性もあるか?(21/9/8)

エルサルバドル、財政面では保有BTC換金売りの可能性もあるか?

エルサルバドルでは、9月7日からビットコインが米ドルと並んで法定通貨となる。同国のブケレ大統領は、9月6日、ビットコインを法定通貨とする法律の施行を前に、200BTCを追加購入したと発表したことから、同国が保有するBTCは合計400BTCとなった。

2001年、価値が不安定だった自国通貨コロンを取りやめ、米ドルを法定通貨として採用しちょうど20年。法定通貨である米ドルにビットコインが加わり2つの法定通貨が併存する格好となる。自国通貨を法定通貨として採用していない国は、米ドルを採用しているエクアドル、パラオや、オーストラリアドルを採用しているキリバスやツバル、ナウルなど10数か国存在するが、複数の法定通貨を採用した上、自国通貨を持たない国は世界中でエルサルバドルとジンバブエ(2009年以降、米ドル、南アフリカランドに加え、2014年以降は日本円、中国人民元、オーストラリアドル、インドルピーを新たに法定通貨として加えたとされている。ちなみに、日本円が日本以外で法定通貨扱いされていることは今回の調査で知った)ぐらいだ。もちろん、暗号資産であるビットコインを法定通貨とした国はエルサルバドルが初めてとなる。

そんなエルサルバドルでは、新しい法律スタートによって、税金もビットコインで納められることとなる。法定通貨ビットコインのインフラを整備するために、ブゲレ大統領は国内に200台の専用ATMを設置すると発表しているほか、CHIVOという名称の政府公認のウォレットも導入し、利用奨励施策として30ドル分のビットコインを配布する計画も打ち出している。とはいえ、人口600万人の国にビットコインATM200台は少ない。至る所にATMが存在するATM天国の日本と比較してはいけないが、本気でビットコインの普及を考えるのであれば、専用ATMは少なく見積もっても1000から2000台は必要ではないか。ブゲレ大統領がATMを200台と少なく見積もった背景には、エルサルバドル商工会議所が行った調査で90%以上がビットコイン導入に懐疑的であったという結果も影響しているのだろう。

財政面でギリギリのエルサルバドルが新たにビットコイン普及のためのインフラ整備を本格的に行うには厳しい。そもそも、国際通貨基金(IMF)と10億ドルの融資交渉を進めているが、IMFは7月に、批判的な論文を発表しており、融資交渉が順調に進む保証はない。今年末には総額20億ドルの債務返済期限も迫ることから、IMFとの融資交渉がこじれるとエルサルバドルは財政的に厳しい状況に陥る。なお、2021年7月30日に、米ムーディーズが出した同国の長期格付けはCaa1と21段階中、下から5番目で、見通しも「Negative」である。

今回、ブゲレ大統領は200BTCを追加購入したが、今後もビットコインのポジションを増やすとコメントしている。エルサルバドルとして保有するビットコインが、デフォルト等で換金売りされ、価格が押し下げられる局面は避けたいところだ。

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