ガラパゴス化の国内暗号資産市場、尖った暗号資産の上場を望む(21/9/21)

時価総額ランキングを眺めていると、今どのような暗号資産に投資家の関心が向かっているのかが見えてくる。

ガラパゴス化の国内暗号資産市場、尖った暗号資産の上場を望む(21/9/21)

ガラパゴス化の国内暗号資産市場、尖った暗号資産の上場を望む

暗号資産市場では、業界の盟主であるビットコインが長らく時価総額1位、そして、イーサリアムが時価総額2位のポジションを維持していたが、3位以降は時代の影響を受け、その年ごとに変わっている。coinmarkecapで確認すると、2021年9月20日時点では、3位はテザー(USDT)で時価総額は7.5兆円、4位はカルダノ(ADA)で同7.4兆円、5位はバイナンスコイン(BNB)で同7.0兆円、6位にリップル(XRP)で同4.9兆円がランクインしており、これにソラナ(SOL)、ポルカドット(DOT)、USDコイン(USDC)、ドージコイン(DOGE)といった顔ぶれが名を連ねている。

6位のリップルは昨年末時価総額3位だったが、米国証券取引委員会(SEC)による訴訟問題が足を引っ張り、他の暗号資産高騰のなか、蚊帳の外となっているほか、バブルコインとも言われるドージコインは、テスラ社のイーロン・マスク氏のTwitterに翻弄され、一時は時価総額10兆円超えで時価総額3位まで買われていた。不動の時価総額1位、2位のビットコインとイーサリアムはともかく、3位以下の入れ替わりは非常に激しく、時価総額ランキングを眺めていると、今どのような暗号資産に投資家の関心が向かっているのかが見えてくる。

一方、時価総額ランキングトップ10で目に付くのが、国内暗号資産交換所での取扱いの少なさである。ビットコイン、イーサリアム、カルダノ、リップル、ポルカドットの5通貨だけが取扱い対象暗号資産である。それも、カルダノは今年8月下旬にビットポイントが、ポルカドットは同9月16日からSBI VCトレードがそれぞれ取扱いを開始したばかりで、国内暗号資産交換所で売買できる暗号資産の潮流は世界のそれとは必ずしも一致していない。今年に入って、SBI VCトレードがチェーンリンク(LINK)、コインチェックがパレットトークン(PLT)、GMOコインがテゾス(TXS、販売所取引)、ビットポイントがトロン(TRON)といった新しい暗号資産の取扱いをそれぞれ開始しているが、登録された国内交換所が新しく暗号資産を取扱うのは非常に時間がかかる。

自主規制団体である暗号資産取引業協会(JVCEA)に申請を行うのだが、この申請が受理されて監督官庁である金融庁に書類がまわるのに半年ほどかかるという話である。実際、JVCEAでは処理が追いついておらず、国内暗号資産交換所は「追って沙汰を待て」と言う状況のようだ。SBI VCトレードは、9月16日にチェーンリンク、ポルカドットの取扱いを開始していることから、申請は今年3月頃に出したのであろう。ちょうど暗号資産の価格が右肩上がりとなっていた時期だけに、時流を敏感に察知した他社も同時期に様々な暗号資産の取扱い申請を出している可能性はあり、今後、各社から取扱い開始のニュースが出てくるかもしれない。協会には、国内暗号資産市場をガラパゴス化しないように申請処理のスピードアップを図ってほしい

もっとも、国内暗号資産市場が仮にガラパゴス化しているのであれば、むしろその方針を明確にするのも手かと考える。つまり、国内暗号資産交換所でしか売買できない暗号資産のラインナップを増やし、流動性を増加させて世界にアピールするといった話だ。

coinmarketcapで国内の暗号資産交換所が売買トップになっている暗号資産は、XYM(トップはZaif)、MONA(同Bitbank)ぐらいである。Zaifは同交換所でしか国内では売買できないCMS、FSCC、CICCといった独自の暗号資産を多く取り扱っているが、いまいち流れには乗れておらず売買は低迷している。ただ、国内暗号資産市場でしか売買できない暗号資産が、coinmarketcapの時価総額100位以内に入ってくれば、発行体に、海外市場への上場を促し、より時価総額を上げるといった手もあろう。時価総額を上げる=売買増加及び価格上昇となることからなかなか難しいが、日本で話題となった暗号資産が世界に打って出るといった話は、是非とも見てみたい。

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