ビットコインの価格分析:『ネックライン下方ブレイクで地合いが急速に悪化』(11/20)

ビットコイン円相場は、11/10に記録した史上最高値779.0万円をトップに反落に転じると、週末にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる636.6万円まで急落しました。

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ビットコインの価格分析:『ネックライン下方ブレイクで地合いが急速に悪化』(11/20)

1. 直近1週間のBTC相場

1. 直近1週間のBTC相場

今週(11/14−11/20)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初734.7万円で寄り付いた後、①ビットコインの大型アップグレード「Taproot」実装成功(2017年8月の「SegWit」以来、約4年3ヵ月ぶりソフトフォーク)や、②VanEck社のビットコイン先物ETFローンチ報道(11/16にCBOEへ上場。ティッカーコードはXBTF)が支援材料となり、翌11/15にかけて、週間高値755.1万円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、③米金利上昇に伴うドル高圧力(米利上げ前倒し観測→米金利上昇→米ドル高→米ドルと逆相関関係にあるビットコインに下押し圧力)や、④米ツイッター社CFOのNed Segal氏による会社の資産として「ビットコインを保有しない方針」示唆、⑤暗号資産取引所大手FTX社による突然のIPブロック(日本から同社ウェブサイトにアクセスする際に「FTX is not available in your country」との文言が表示されてログイン出来ず)、⑥上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(対円の心理的節目700.0万円や対ドルの心理的節目60000ドルを割り込んだことに伴う短期筋のロスカット)、

⑦バイデン米政権による暗号資産を巡る税務報告義務化の思惑、⑧中国当局による暗号資産マイニングの取り締まり強化報道(国家発展改革委員会は記者会見で、ビットコイン・マイニングの取り締まり強化を計画していることを発表。従わない場合は懲罰措置の導入も検討)、⑨本邦財務省による暗号資産を外為法上の資本取引規制の対象に加えるとの方針発表、⑩暗号資産レンディング大手ブロックファイ社が米SEC(米証券取引委員会)の調査を受けているとの一部報道、⑪豪中銀(RBA)の決済担当責任者リチャーズ氏による「ビットコインの投機的需要が逆転し始める可能性がある」とのネガティブ発言、⑫Mt.GOX事件の再生計画確定(BTCやBCHの返還分が売り圧力に繋がるとの警戒感)、⑬テクニカル的な売りシグナル点灯(ダブルトップ形成後のネックライン下方ブレイク)が重石となり、週末(11/19)にかけて、10/13以来、約1ヵ月ぶり安値となる636.6万円まで急落しました。

一巡後に持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/20午前5時30分現在)では、659.8万円前後で推移しております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足はこれまで強力なサポートとして機能してきた21日移動平均線を下方ブレイクしました。強気のパーフェクトオーダーの形状は続いているものの、21日EMA(指数平滑移動平均線)と21日SMA(単純移動平均線)のデッドクロスが生じているため、目先ダウンサイドリスクに注意を要するチャート形状となりつつあります。来週は90日線(90日EMA=621.5万円。90日SMA=604.1万円)を死守できるか否かに注目が集まりそうです。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ローソク足はこれまでサポートとして機能してきたボリンジャーミッドバンドをついに割り込みました。週央以降はボリンジャーバンド下限に沿って下落を続ける弱気のバンドウォーク(強い下落トレンド入りを示唆)も成立するなど、地合いの悪化が鮮明となりつつあります。弱気のバンドウォーク発生中は逆張り(押し目買い)が機能しづらい傾向にあるため、安易な値ごろ感での押し目買いは避けたいところ。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

遅行線が26日前のローソク足を下方ブレイクしたことや、転換線と基準線のデッドクロスが発生したことを受けて、強い買いシグナルを示唆する三役好転が消失しました。また、ローソク足も一目均衡表雲上限を割り込み、雲の中へと突入しました。目先のターゲットは一目均衡表雲下限が位置する603.7万円が意識されます(同水準を割り込む場合には、強い売りシグナルを示唆する三役逆転の成立を通じて、ビットコイン円相場が一段と下げ足を速める恐れあり)。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、オシレータ系インジケータのRSIは40%台へと低下しました。但し、引き続き中立圏内(30%−70%)に留まっているため、過熱感(売られ過ぎ感)は見られておりません。逆張り勢による押し目買いよりも、売り遅れた勢力による戻り売りが出易い構図であり、ビットコイン円相場は目先ダウンサイドリスクの方が大きいと判断できます。尚、RSIのダイバージェンスは今週のビットコイン急落を受けて解消しました。

6. まとめ

ビットコイン円相場は、11/10に記録した史上最高値779.0万円をトップに反落に転じると、週末(11/19)にかけて、10/13以来、約1ヵ月ぶり安値となる636.6万円まで急落しました。この間、①一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線といった主要チャートポイントの下方ブレイク、②強い買いシグナルを示唆する三役好転の終了、③弱気のバンドウォーク発生、④10/20高値(774.3万円)と11/10高値(779.0万円)を起点としたダブルトップ(ネックライン662.0万円の下方ブレイク)成立など、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となりつつあります。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、①VanEckビットコイン現物ETFの却下報道(SECによるビットコイン現物ETF承認期待の後退)や、②米当局者によるタカ派的な発言(ウォーラーFRB理事は11/19に「FRBはテーパリングのペースを加速させ、予想よりも早期に利上げを実施する用意を整える必要がある」との見解を発表。クラリダFRB副議長も「12月FOMCでテーパリングの加速について議論することが適切となる可能性がある」と発言)、③上記②を背景とした米利上げの前倒し観測(米ドルとビットコインは逆相関関係→米ドル高はビットコインの重石)、④中国当局による規制強化報道(暗号資産マイニング事業の一層懸念)、⑤Mt.GOX事件の再生計画確定(潜在的なBTC及びBCHの売り圧力)、⑥オプション市場のダウンサイドを織り込む動きなど、ビットコイン円相場の更なる下落を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の短期的な下落をメインシナリオとして予想いたします。

尚、オプション市場で取引されている1ヶ月物インプライドボラティリティ78.5%で計算した向こう1週間のビットコイン円想定レンジは588.3万円−731.8万円となります(レンジ下限が心理的節目600.0万円を下回っている点に要注意。来週の下値目途は、90日EMAの621.5万円、90日SMAの604.1万円、一目均衡表雲下限603.7万円、心理的節目600.0万円)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 600.0万円−700.0万円

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