2021年MVP候補のブケレ大統領、ビットコインシティー構想を発表

エルサルバドルのブケレ大統領がまたまた面白い計画を明らかにした。戦略都市「ビットコインシティー」の建設である。

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2021年MVP候補のブケレ大統領、ビットコインシティー構想を発表

2021年暗号資産業界のMVP候補

今年も残すところ後1か月となったが、2021年の暗号資産業界は色々なイベントがあった。暗号資産市場が300兆円台に到達したこと、相場のマエストロことイーロン・マスク氏のTwitterによる巧みな操縦、大手交換所のバイナンスへの規制強化など様々だ。ランキング形式でこの一年を振り返るのは面白いが、暗号資産業界のMVPを選ぶのであれば、ビットコインの法定通貨化を決めたエルサルバドルのブゲレ大統領は間違いなく最終候補に残るだろう。そのブケレ大統領がまたまた面白い計画を明らかにした。戦略都市「ビットコインシティー」の建設である。

10億ドルのビットコイン裏付け債券

ブケレ大統領は11月20日、エルサルバドルで開催されたビットコインのイベントにて、戦略都市「ビットコインシティー」を建設する計画を明らかにした。2022年に10億ドル分のビットコインに裏付けられた10年物の債券を発行し、その建設費をまかなうという方針だ。場所はエルサルバドル東部のラ・ウニオンで、空港や居住スペース、商業施設などを建設する予定であり調達する10億ドルの半分はビットコインの調達に充てるとのことだ。エルサルバドルは債券で調達する資金で購入するビットコインを将来的には売却し、配当の原資にしたい考えを持っている。そして、ブケレ大統領は消費税以外の税金を免除する方針も打ち出している。徴収する消費税は半分を国債の発行、半分をゴミの回収の費用などに充てエルサルバドルの火山を利用した地熱発電を開発し、マイニングの電力供給に利用するなど環境都市としても訴求したい考えを持っている。

強権政治驀進中のブケレ大統領

ブケレ大統領の計画は壮大で非常に夢のある内容というのが率直な感想だ。ただ、エルサルバドルは今年9月にビットコインを法定通貨に採用したものの、政府が設けたウォレットやATMでシステム関連の不備が発生したほか、ビットコインの法定通貨化及びブケレ大統領による強権政治への反発から反政府デモも起きている。今年3月の国会議員選挙で84議席中61議席がブケレ大統領を支持する圧勝で終えた後、5月には、自らの意に沿わない最高裁憲法法廷の5人の判事と検事総長を更迭し、司法もコントロール下に置いた。最高裁は9月に大統領の連続再選を禁じた過去の判断を覆し、連続再選を可能とする判断を下すなどブケレ大統領の長期政権化の土台は早い段階で作られている。国会、司法を手にした強権政治に対する反政府デモが起きるのは容易に想像できるが、ブケレ大統領はビットコインをベースとした新しい国家のあり方を信じ、突っ走っている状況である。

早ければ2022年1月にも発行か

ブケレ大統領が発表したビットコインを裏付けとした債券は早ければ、年明けの2022年1月にも発行される予定だ。債券発行に協力するブロックストリーム社のサムソン・モウCEOによれば、「利回りは6.5%で5年間のロックアップ期間後、エルサルバドルは保有するビットコインを売却して、債券保有者に追加の配当を実施する。」といったスキームである。ビットコインそのものには金利という概念が存在しないことから、追加の配当原資だけでなく6.5%の金利もビットコインの価格上昇が原資となる。つまりビットコインの価格が上昇を続けない限り、このスキームは成立しないというわけだ。一般的な金融知識ではありえないスキームであるが、ビットコインを筆頭に暗号資産そのものが一般的な金融知識では想像できないことから、この債券が発行されればエルサルバドルの企業を中心に買い手はそれなりにつくのだろう。

デフォルトリスクの見積もりがわからない債券の格付けをムーディーズやS&Pなど格付け機関が行うのか?企業が保有した債券の経理処理をどのように監査法人が行うのか?楽しみなポイントを上げればきりがないが、猪突猛進的なブケレ大統領の言動に2022年も目を離せない。冷静に考えるとエルサルバドル国債よりもこの債券は信用度が高いかも?

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