ビットコインの価格分析:『約1ヵ月半ぶり安値圏へ急落。地合いの悪化が鮮明に』(11/27)

ビットコイン円相場は、11/10の史上最高値779.0万円をトップに反落に転じると、週末にかけて、約1ヵ月半ぶり安値となる611.5万円まで急落しました。

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ビットコインの価格分析:『約1ヵ月半ぶり安値圏へ急落。地合いの悪化が鮮明に』(11/27)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(11/21−11/27)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初682.0万円で寄り付いた後、早々に週間高値685.0万円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線および雲上限に続伸を阻まれると、①上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(心理的節目700.0万円や、心理的節目60000ドルをバックにした戻り売り)や、②テクニカル的な地合いの弱さ(ダブルトップのネックライン割れ→投資家心理悪化)、③対主要通貨で加速するドル高圧力(米利上げ前倒し観測→米長期金利急上昇→米ドル高→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力。パウエルFRB議長再任に伴う金融政策の先行き不透明感払拭も米ドルをサポート)、④世界的な暗号資産に係る取り締まり強化、⑤欧州圏における新型コロナウイルスの感染再拡大懸念(投資家心理悪化)、⑥国際通貨基金(IMF)によるネガティブな見解発表(エルサルバドルに対する2021年の4条協議結果の中で、「ビットコインを法定通貨として使用すべきでない」との見解を示すと共に、「ボラティリティの大きさに鑑みれば、法定通貨としての使用により、消費者保護や金融の安定性に大きなリスクが生じ、財政的な偶発債務も発生する」「ビットコイン関連法の適用範囲を狭め、新たな決済システムに対する規制および監督強化を推奨する」とコメント)、

⑦米通貨監督庁(OCC)による「米銀は特定の暗号資産関連ビジネスを開始するにあたり、銀行監督当局から許可書を取得する必要がある」との解釈通知(暗号資産関連ビジネス参入へのハードル上昇)、⑧インド政府による暗号資産正式禁止の思惑(インド政府は暗号資産規制法案の中で民間暗号資産の大半を正式に禁止する方針であると発表)、⑨南アフリカにおける新型コロナウイルス変異株の検出報道(世界的なリスクオフ到来→暗号資産を含むリスクアセットに下押し圧力)が重石となり、週末にかけて、週間安値611.5万円(10/11以来、約1ヶ月半ぶり安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反落するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/27午前4時30分現在)では、614.2万円前後で推移しております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足は21日移動平均線(SMA+EMA)および90日移動平均線(EMA)を下方ブレイクしました。現在は90日移動平均線(SMA)の下抜けをトライしており、同水準を下抜けることが出来れば、次なるターゲットとして200日移動平均線(200EMA=555.3万円、200SMA=511.8万円)が視野に入ります。当面の間は、ダウンサイドリスクに注意を要する時間帯が続きそうです。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足はボリンジャーバンド下限に接触しました。一般的にボリンジャーバンドはオシレータ系インジケータ同様、逆張りシグナルとして用いられる傾向にあるものの、現在のように、ボリンジャーバンド下限に沿ってローソク足が下落し続ける状態下においては、弱気のバンドウォーク(強い下落トレンド入り)として、逆張りシグナルとして機能しづらい状態が発生します。このため、安易な押し目買いには注意が必要でしょう(値ごろ感での押し目買いは避けたいところ)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、強い買いシグナルを示唆する三役好転は終了しました。既に遅行線の26日前のローソク足下抜け、転換線の基準線下抜けは揃っているため、現在は強い売りシグナルを示唆する三役逆転成立のもう一つの条件である、ローソク足の雲下限割れを待っている状態となっております。ローソク足が雲下限を割り込めば、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が久々に発生するため、投資家心理の悪化を通じて、ビットコイン円相場に更なる下押し圧力が加わることが想定されます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、オシレータ系インジケータのRSIは36%前後まで低下しました。但し、引き続き中立圏内(30%−70%)に留まっているため、過熱感(売られ過ぎ感)は見られておりません。上述の通り、バンドウォーク発生中は逆張りが機能しづらい状態であるため、押し目買いよりも、戻り売りが出易い構図が意識されます。

6. まとめ

ビットコイン円相場は、11/10に記録した史上最高値779.0万円をトップに反落に転じると、週末(11/26)にかけて、10/11以来、約1ヵ月半ぶり安値となる611.5万円まで急落しました。この間、主要チャート一ポイント(一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線)を軒並み下抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転の終了、弱気のバンドウォーク発生、10/20高値(774.3万円)と11/10高値(779.0万円)を起点としたダブルトップのネックライン(662.0万円)割れ成立など、テクニカル的に見て、地合いの弱さを決定付けるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、①VanEckビットコイン現物ETFの却下報道(SECによるビットコイン現物ETF承認期待の後退)や、②米利上げの前倒し観測とそれに伴うドル高圧力(米ドルとビットコインは逆相関関係。米ゴールドマンサックスはFRBが来年6月、9月、12月にそれぞれ25bpずつの利上げに踏み切るとの予想を発表)、③世界的な規制強化の思惑(米国や中国のみならずインドなどの新興国でも規制強化の方向性を示唆)、④ビットコインETF(機関投資家参入期待)や世界的なインフレ懸念(インフレヘッジ目的のビットコイン買い)といったこれまでビットコイン円相場を押し上げてきた定番材料の賞味期限切れ(ビットコイン買い材料としての影響力低下)、⑤南アフリカで検出された新たな新型コロナウイルス変異株(投資家心理悪化→リスクアセットに下押し圧力)、⑥オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(インプライドボラティリティ上昇+リスクリバーサルのBTCプットオーバー拡大)など、ビットコイン円相場の更なる下落を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします。尚、オプション市場で取引されている1ヶ月物インプライドボラティリティ81.0%で計算した向こう1週間のビットコイン円想定レンジは546.4万円−684.4万円となります。(来週の下値目途は、一目均衡表雲下限の603.7万円、心理的節目600.0万円、対ドルの心理的節目50000ドル≒566.2万円、200日EMAの555.3万円、200日SMAの511.8万円)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 560.0万円−660.0万円

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