ビットコイン大幅下落
主要仮想通貨(暗号資産)価格【日本時間6時】
ビットコイン:48938.3ドル(-0.70%)
イーサリアム:4144.51ドル(+1.05%)
リップル:0.79838ドル(-4.73%)
ビットコインキャッシュ:453.8ドル(-3.16%)
【概況】
先週末の仮想通貨(暗号資産)取引はビットコインが大幅下落となって推移しています。一時42000ドル台半ばまで下落するなど売り圧力が強まる展開となっています。そこからは持ち直しているものの、50000ドルが上値として意識される流れが展開されています。その他のコインも売り優勢の流れであり、先行きに対する警戒感が一気に高まる状況となっています。
さて、先週の金曜日にも書きましたが、米国の雇用統計が発表されましたが、非農業部門雇用者数が市場予想を大幅に下回り、失業率は改善したものの、平均時給も市場予想を下回る結果となり、市場にはリスク回避的な動きが強まる展開となりました。ただ、ダウは一時370ドル安水準となったものの、引けでは持ち直して50ドル安水準での引けとなっています。ここまでの下落に対する押し目買いの動きも見られており、積極的に売り込むといった状況にはなっていないようにも見えるところです。
しかし、ビットコインは雇用統計の発表を受けて上値を抑えられてその後もじり安基調を継続し、土曜日の12時頃から急落となったわけですが、レバレッジ取引をしていたポジションにおいて、大きな清算が発生し、それによって売り圧力が急激に強まり下げ幅を拡大することになった可能性は高そうです。一時42000ドル前後の水準まで下落したものの、その後は急激に持ち直す動きとなっています。オーバーシュートを意識させるような動きであり、いったんはここで下げ止まる可能性もあるでしょう。
こうした中でビットコインを法定通貨としているエルサルバドルは50000ドルを割り込んだ水準で150BTCを購入したとブケレ大統領がツイートしています。下落してきたところで買うというのは悪いやり方とは思いませんし、利益を得るために取引をしているわけではないと思われるため大きな問題とはなりにくいとは考えられます。しかし、ビットコイン購入の原資は恐らくドルと思われますが、自国のドルを消費し、仮にビットコイン価格が急落といったことになった場合、貿易などの面で問題が生じないのかといった懸念はありそうです。この問題に関しては実際には時間が経たないとわからないところであり、様子見といったところでしょう。ただ、ブケレ大統領はさらに安く購入できる機会を逃した、などとツイートしており、今後きちんと管理できるのかどうかといった点には懸念が残るところです。
今回の雇用統計ではそこまで大きな動きにはならないといった見方をしていましたが、タイミング的には半日後に急落といったタイムラグあったとはいえ、雇用統計が大幅下落の流れを作り出すきっかけとなったのは事実かと思われます。市場が早期利上げを織り込む中で指標に素直に反応しやすい地合いといった見方は概ね正しかったところですが、今回の雇用統計がここまで予想と乖離するということが想定外といったところではありました。これからは米国の年末商戦の動向が気になるところですが、供給懸念とインフレという逆風に耐えられるのかどうか、さらにはコロナ禍からの反動で個人消費が伸びるといった可能性はあるのかどうか、このあたりに注目が集まりそうで、仮想通貨(暗号資産)市場のみならず株式市場などへの影響も大きそうです。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のバンドの中心線である56490ドル前後の水準で抑えられて下値を拡大し、現在-2σである50400ドル前後の水準をブレイクしての動きです。バンドブレイクしており下値の節目が見えずらいところですが、とりあえずは今回の安値である42000ドル前後の水準や40000ドルが意識されそうです。また、50000ドルを回復できるかも注目となりそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σをブレイクしての動きが展開されており、このままバンドウォークとなるかどうかに注目です。ただ、バンドの+2σが下落基調を維持しており、バンドの±2σが下落する動きが継続しています。トレンドそのものは下向きですが、一時的に持ち直す可能性はありそうです。仮に下落基調となっているバンドの+2σが上昇に転じた場合はバンドウォークが意識されて下値拡大といった動きとなる可能性が高まるため、バンドの+2σの方向感は注意しておきたいところでしょう。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがゴールデンクロスから持ち直していましたが、ここにきて%Kが下落に転じ、%Dも横ばいでの動きとなっています。デッドクロスも意識される形であり、このまま下落基調を強めた場合は売り圧力が強まることになりそうです。特に%Dの方向感に注目で、これが再度上昇基調となった場合は底堅い動きが意識されて一時的に持ち直す動きを強めるでしょう。
今日は週初ですので、週足分析をやっていこうと思います。
ビットコインの週足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σから下落し、そのまま中心線を抜ける動きとなっています。このまま下落基調を維持してバンドの-2σまで下落といった動きとなる可能性は十分にあるでしょう。バンドの+2σは下落、-2σは上昇となっており、バンド幅は縮小傾向です。市場にはエネルギーが蓄積されており、大きな動きに対する警戒感がやや強まる状況です。バンドの-2σまで下落となれば40000ドル前後の水準まで下落といった流れとなるでしょう。
ストキャスティクスで見ると%K、%Dがデッドクロスからの下落で、そろそろ下値圏に入りそうです。%Kの下落の勢いは落ちていますが、そろそろ下値圏に入りそうで、売り優勢の流れは維持されています。このまま下値を拡大する可能性は高そうで、バンドの-2σを目指しての動きを頭に入れての対応となりそうです。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
64780ドル:2021年1-6月の高値
62590ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
60000ドル:心理的な節目
56490ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
50400ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
50000ドル:心理的な節目
49690ドル:昨日の高値
48940ドル:現在値
47800ドル:昨日の安値
28200ドル:2021年1-6月の安値
(注)上記の仮想通貨(暗号資産)の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
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