乱高下する市場(21/12/7)

昨日の仮想通貨(暗号資産)取引はビットコインが小幅に持ち直しての動きです。

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乱高下する市場(21/12/7)

乱高下する市場

主要仮想通貨(暗号資産)価格【日本時間6時】

ビットコイン:48907.3ドル(+0.08%)
イーサリアム:4216.63ドル(+1.89%)
リップル:0.79881ドル(+0.36%)
ビットコインキャッシュ:459.3ドル(+1.21%)

【概況】

昨日の仮想通貨(暗号資産)取引はビットコインが小幅に持ち直しての動きです。その他のコインも底堅い動きが展開されており、買い戻しの動きが展開される形となっています。オミクロン株に対する警戒感が後退したことでリスク志向の動きが強まり、米株が大幅上昇する展開となっています。こうした動きを受けて仮想通貨(暗号資産)市場にも買い意欲が強まる状況となっています。ただ、米国債利回りの上昇やドルの堅調などが上値を抑える流れとなっています。ちなみに、データを取ったのちにビットコインは急騰して50000ドルを回復する展開となっています。ここからは50000ドルを維持することができるかに注目が集まりそうです。

さて、相場がかなり乱高下する状況となっていますが、オミクロン株に関しては感染力は高そうですが、重症化するリスクは高くないのではないかといった見方が強まっています。これに関しては今のところ予想通りですが、今後の展開次第といったところであり、そこまで楽観視もしにくいといったところではないでしょうか。ただ、現状においてはそこまで市場に対してはインパクトを与えないのではないかと思われます。それよりも意識すべきはやはり米国の金融政策であり、モルガンスタンレーのストラテジストであるマイケル・ウィルソン氏らも新たな変異株よりも心配すべきことは米国の金融政策といった指摘をしています。

もちろん、新たな変異種の感染拡大が物流などに影響を与え、それがインフレなどを加速させるということも考えられるため、一概に影響はないとは言い切れないところではありますが、今回の急落のように直接的に影響を与える可能性は低くなっていくのではないでしょうか。逆にコロナの影響が低下すれば、インフレに対する警戒感も和らぐ可能性もあるため、米金融政策での早期利上げ観測が後退するといった動きもあり得るでしょう。

米金融政策に関しては以前からもたびたび指摘してきている問題であり、材料としてどこまで意識されるのかといったところは確かにありそうです。その一方で、昨日米国が北京冬季五輪の外交的ボイコットを発表しています。さらにロシアのウクライナ侵攻に対する懸念が強まるなど、世界的にリスクの高まる状況となっています。これらの地政学的リスクの高まりにより、仮想通貨(暗号資産)が買われるということはこれまでにもあったことです。一方、リスク回避的な動きが強まることで先日のような急落といった展開も考えられるところです。ロシアがウクライナに侵攻といったことが起こるのかは定かではありませんが、年明け早々にもといった報道もあるだけに懸念が高まるでしょう。

仮想通貨(暗号資産)だけを考えれば、金融庁がステーブルコインの発行体を銀行と資金移動業者に限定などといった規制を打ち出したり、米SECが現物ビットコインETFを非承認とするなどの動きはあるものの、全体的な流れとしては順調に成長しているように見えますが、周囲を取り巻く環境が来年前半波乱含みであることは事実でしょう。持ち直す可能性も十分あるとはみていますが、対応が難しい局面であると言えるでしょう。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のバンドの-2σである49360ドル前後の水準を意識しての動きです。上述の通りその後の動きで50000ドルを突破していますが、この50000ドルをどう意識するのかで先行きの流れが変わってきそうです。さらに持ち直した場合はバンドの中心線である55960ドル前後の水準が節目として意識されそうです。下値を拡大した場合は直近の安値水準である42000ドル前後の水準が意識されそうです。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σをブレイクしての動きが展開されています。ただ、乖離が大きくなっていたために下げ渋る展開となっており、ここから持ち直す動きとなるのか、バンドウォークとなるのかに注目です。バンドの+2σが下落基調から横ばいへと変化しており、これが上昇となったらバンドウォークを継続して下値拡大といった動きになりそうです。逆に横ばい基調を維持した場合はレンジ圏での動きが意識されやすくなるため、一時的には持ち直す可能性が高まるでしょう。ただ、現状ではまだ上値の重さが意識されやすい形です。

またストキャスティクスを見ると、%Kが持ち直し基調一服となってじり安となる一方、%Dが下落基調から持ち直す動きとなっています。全体的に方向感の見えにくい形であり、様子見ムードが意識されやすい状況となっています。まずは大きな方向感が出てくるのを待つといった局面と言えそうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σをブレイクする動きから持ち直しての動きです。ただ、目先は狭いレンジを動いており、上値を抑えられています。現状バンドの中心線に到達していますが、ここで抑えられるのか、ブレイクしてバンドの+2σを目指すのかに注目です。バンド幅は縮小傾向を強めており、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。動き出したら大きくなる可能性が高まってきているだけに、注意が必要でしょう。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となっていましたが、%Kが下落基調へと転じています。このまま下落基調を維持するかどうかに注目です。ただ、%Dはしっかりとした動きで高値圏に入りそうで、%Kもつられて持ち直すといった動きになる可能性もあるので、%Dの方向感に注意しながらの対応となりそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
64780ドル:2021年1-6月の高値
62560ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
60000ドル:心理的な節目
55960ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
50000ドル:心理的な節目
49460ドル:昨日の高値
49360ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準

48910ドル:現在値

47240ドル:昨日の安値
28200ドル:2021年1-6月の安値

(注)上記の仮想通貨(暗号資産)の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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