ビットコイン円、冴えない動きが継続中。200日線の下方ブレイクに要警戒
〇ビットコイン円、昨年末のオプションカット後に558.3万円まで上昇するも、年明け525.7万円まで反落
〇その後も本邦でのコロナ感染拡大、中国恒大集団株の売買停止報道、米長期金利上昇等で上値重い
〇ビットコイン円昨年末以降、200日線を挟んで方向感の定まらない動き続く
〇上方向にレジスタンスポイント多くテクニカルの上値余地乏しい
〇ファンダメンタルズもビットコイン円のダウンサイドリスクを意識させる材料増えつつある
〇本日の予想レンジ:490.0万円ー560.0万円
昨日の概況
年末・年始のビットコイン円相場は冴えない動き。昨年末17時に期日を迎えた大規模オプションカット直後に一時558.3万円まで上値を伸ばすも(オプションカット後のデルタ調整が背景)、一目均衡表基準線や転換線に続伸を阻まれると、①納税額確定を目的とした法定通貨への換金需要の高まりや、②上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り、③テクニカル的な地合いの弱さが重石となり、年明け1日(土)には一時525.7万円まで反落する動きとなりました。その後も、④新型コロナウイルスの感染拡大ヘッドライン(世界的に感染拡大が報告される中、東京都でも103人の感染者を確認。昨年10/8以来となる100人超)や、⑤中国恒大集団の売買停止報道、⑥上記④⑤を背景としたリスク回避ムード(投資家心理悪化)、⑦米長期金利の急上昇(ドル買い→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間1/4午前5時10分現在)においても、534.1万円前後での冴えない動きが続いております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は昨年末以降、200日移動平均線を挟んで方向感の定まらない動きが続いております(同水準の下側で逆張りの買い、同水準の上側で利食い売りが出ている典型的なレンジ相場)。但し、アップサイドに一目均衡表転換線および基準線といったレジスタンスポイントが控えていることや、上方より一目均衡表「雲」が垂れ下がってくることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます(反発時の利食いが浅くなりがち。ビットコイン円相場が市場参加者に注目されている200日移動平均線をクリアに下抜けることが出来れば、短期筋やオプション勢のストップSELLを巻き込みながら、大きく値を下げるリスクあり)。
ファンダメンタルズ的に見ても、①新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大懸念(重傷者リスクは小さいものの、入院急増で医療逼迫の恐れあり)や、②中国恒大集団を巡るネガティブ・ヘッドライン(中国の不動産バブル崩壊懸念)、③米早期利上げ観測(インフレ抑制)、④上記①②③を背景としたドル買い圧力(①②はリスク回避のドル買い、③は米利上げ観測に伴うドル買い。米ドルとビットコインは逆相関関係)、⑤暗号資産に係る規制強化の思惑(2022年はイタリア・フランス・韓国・日本・中国・米国などで政治・選挙イベントが盛り沢山→規制強化が一気に進む可能性あり)、⑥オプション絡みの下押し圧力(投資家によるアップサイドCALLの売却が活発化→当該フローを引き受けるマーケットメイカーによるデルタヘッジのビットコイン売り増加)など、ビットコイン円相場のダウンサイドリスクを意識させる材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の二番底形成をメインシナリオとして予想いたします(200日移動平均線および心理的節目500.0万円の下抜けを経て、昨年12/4に記録した約2ヵ月ぶり安値486.8万円まで一気に下落する展開を想定)。
本日の予想レンジ:490.0万円ー560.0万円
注:ポイント要約は編集部
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