エルサルバドルは2022年も注目、強権発動でビットコイン債券発行成功か?(22/1/12)

昨年ビットコインを法制化したエルサルバドルからニュースが伝わっている。今年発行予定のビットコイン債券(10億ドル分)実現に向けた法案整備を行っているとのことだ。

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エルサルバドルは2022年も注目、強権発動でビットコイン債券発行成功か?(22/1/12)

エルサルバドルは2022年も注目、強権発動でビットコイン債券発行成功か?

ビットコイン債券の法案整備に動く

年明けの暗号資産市場はビットコインの下げからスタートした。米金融政策の正常化が想定よりも早まるとの見込みが強まり、米金利は上昇し株価は下落。タカ派な米国金融当局関係者の見込みに暗号資産は下げで反応した。

そんななか、昨年ビットコインを法制化したエルサルバドルからニュースが伝わっている。今年発行する予定のビットコイン債券(10億ドル分)の実現に向けた法案整備を行っているとのことだ。ソースは同国財務大臣なので事実だろう。現時点では法案の提出時期は明確ではないが、昨年の法定通貨化法案が国会で可決されてからわずか90日で施行されたことを考慮すると国会に法案が出された後、100日前後で法案は施行されると思われる。

司法でも強権発動のブケレ大統領

エルサルバドルでは、最高裁の憲法法廷が大統領の連続再選を禁止した過去の判断を覆し、連続再選を可能とする判断を昨年9月に出している。これはブケレ大統領による何かしらの圧力があったとみるべきだろう。一部情報ではブケレ大統領の支持率は8割強あるという。8割の支持率を日本の政治に例えると2001年に発足した小泉純一郎政権に匹敵する。圧倒的な民衆の支持率だ。ただ、ビットコイン法定通貨化や長期政権を目論む連続再選に絡んだデモもそれなりに発生しており、ブケレ大統領の強権に対するアレルギーは間違いなく存在している。

ジャンク債のエルサルバドル長期国債

そんな強権発動中のブケレ大統領が発行を進めているビットコイン債券は、今年予定している暗号資産推進特区の「ビットコイン・シティ」の設立資金に充当する構想だ。ビットコイン債券は年率6.5%とエルサルバドルの長期国債の利回り10%前後よりも低めに設定されるとの見込みである。同国の昨年10月時点でS&Pが「B-」と「CCC」手前とジャンク債扱いであることから、利回りのみで見るとビットコイン債券の方がリスクは低いということだ。そもそもビットコイン債券に格付会社による信用格付けがつくとは思えないが、ブケレ大統領がビットコイン債券をうまくはめ込むのだろう。昨年から続くエルサルバドルの壮大な実証実験はビットコイン債券の発行という大きな関門を迎える。民衆(支持率)、国会、司法を全て牛耳るブケレ大統領vs民衆の構図だが、ブケレ大統領が圧倒的な力を有している状況を考慮すると、Twitterでビットコイン債券発行の成功を意気揚々と宣言するブケレ大統領の姿が目に浮かぶ。

日本では地熱発電を利用したマイニングは難しい

なお、ビットコイン・シティでは火山をエネルギーとする地熱発電でマイニングを実施する壮大な話をぶち上げている。同じく火山大国である日本も地熱発電に関する研究は行われているが、火山がある場所は8割ほど国立・国定公園に指定されているケースが多く、環境省の考えは「地熱開発は、国立・国定公園の自然環境保全上重要な地域では、原則として認めない」とある。昨年小泉元環境大臣は「この原則を転換する」と言ったが、その後進展は聞かれない。こうした事情が存在する以上、日本が「地熱発電でマイニングを行う」といったニュースは出てこないだろう。

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