ビットコイン円、イースター明けの株高を横目に急反発。但し上値余地は限定的か
〇ビットコイン円、イースターマンデー明けのリスク選好の回復に米国時間に537.2万円まで急伸
〇一目均衡表雲上限の下抜けに失敗、転換線を上抜けテクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズは下落連想させる材料多い、G20での暗号資産関連ヘッドラインに注意
〇引き続き、ビットコイン円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:490.0万円ー550.0万円
昨日の概況
19日(火)のビットコイン円相場は堅調な値動き。①ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念や、②米FRBによるタカ派傾斜観測(米FRBがタカ派色を一段と強めるとの警戒感→米長期金利急上昇→過剰流動性相場逆流リスク)、③分散型クレジットベースのステーブルコインプロトコルBeanstalkの大規模ハッキング被害を背景に、前日4/18には一時488.9万円(約1ヵ月ぶり安値圏)まで下げ幅を広げましたが、一目均衡表雲上限をバックに下げ渋ると、④イースターマンデー明けの株式市場が堅調に推移したことや、⑤上記④を背景としたリスク選好ムード再開への期待感(市場心理改善→VIX指数低下→リスクアセット上昇)、⑥短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値537.2万円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/19午前5時55分現在)では531.7万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は4/18に記録した約1ヵ月ぶり安値488.9万円をボトムに反発に転じると、昨日は一時537.2万円まで急伸しました。一目均衡表雲上限の下抜けに失敗したこと(一目均衡表雲の持ち上がりに沿って上昇し始めていること)や、ローソク足が一目均衡表転換線を上抜けしたことなどを踏まえると、テクニカル的に見て地合いは強いと判断できます。但し、上方には一目均衡表基準線や200日移動平均線といった主要レジスタンポイントが複数控えているため、ここからの続伸は容易ではないと考えられます(一巡後の反落リスクに要警戒)。ファンダメンタルズ的に見ても、①ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(プーチン露大統領が5/9に勝利宣言を行うとの警戒感→向こう3週間で決着をつけるようロシア軍による攻撃が激化するとの思惑)や、②米FRBによるタカ派傾斜観測(インフレ抑制を目的に米FRBが連続大幅利上げと早期バランスシート圧縮に踏み切るとの警戒感→米10年債利回りは2018年12月以来となる2.94%へ急上昇→過剰流動性相場逆流)、
③上記①②を背景とした市場心理の悪化懸念(リスクアセットに再び下押し圧力が加わる恐れ)、④世界的な規制強化の発動リスク(欧米諸国とロシアの対立激化→欧米諸国による制裁強化→制裁回避の抜け穴を防ぐ措置の早期検討→世界的な規制強化発動の思惑)、⑤調達コスト上昇に伴うビットコインへの投資意欲減退観測(レバレッジ勢によるロングポジションの保有コスト上昇)など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日はG20財務相・中央銀行総裁会議が予定されているため、暗号資産に関するヘッドライン等(規制強化に関するヘッドライン)には細心の注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:490.0万円ー550.0万円
注:ポイント要約は編集部
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