ビットコインの価格分析:『パニック相場到来で約9ヵ月半ぶり安値圏へ大幅続落』(5/14)

ビットコイン円相場は3/28に記録した年初来高値595.4万円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、約9ヵ月半ぶり安値となる332.1万円まで急落しました

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ビットコインの価格分析:『パニック相場到来で約9ヵ月半ぶり安値圏へ大幅続落』(5/14)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初463.4万円で寄り付いたあと、早々に週間高値463.8万円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、①アルゴリズム型・無担保型ステーブルコインTerraUSD(UST)の大暴落に端を発した市場心理の急速な悪化や、②上記①を背景としたDeFiエコシステムへの不安連鎖急拡大(USTのペッグが外れると共にUSTのペッグ化を支える機能を果たしていたLUNAも大暴落→アルゴリズム型ステーブルコインへの信用崩壊→アンカーなどテラブロックチェーン上に構築されていた複数のDeFiプロジェクトで取り付け騒動→DeFiエコシステムへのネガティブ連鎖→パニック相場到来)、③米FRBによる金融引き締め観測(今週発表された米消費者物価指数や米生産者物価指数は共にインフレの高止まりを示唆→米当局者からもタカ派的な発言が相次ぐ展開→米FRBは5月に続いて6月・7月FOMCでも通常時の2倍にあたる50bpの連続利上げに踏み切る見通し→利上げのみならずバランスシート圧縮も加わることから市場では二重引き締めとして警戒感が極度に上昇)、

④上記③を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(暗号資産などリスクアセットを売却して現金化しようとする流れが活発化→資産現金化需要のドル買いを誘発→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)、⑤テクニカル的な地合いの弱さ(対ドルの節目30000ドルを割り込んだことに伴う短期筋のロスカット)、⑥オプション勢によるショートガンマ操作(ビットコイン価格が下がれば下がるほどオプション勢によるストップSELLが膨らむポジション構造→1ヵ月物インプライドボラティリティは一時100%超の水準まで急上昇)が重石となり、週後半にかけて、昨年7/21以来、約9カ月半ぶり安値となる332.1万円まで急落しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/14午前10時20分現在)では、382.8万円前後で推移しております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足は、SMA(単純移動平均線)ベース、EMA(指数平滑移動平均線)ベース共に、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に21日移動平均線、90日移動平均線、200日移動平均線が並ぶチャート形状)が成立しました。テクニカル的に見て地合いは「極めて弱い」と判断できます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォーク(ローソク足がボリンジャーバンド下限に沿って下落し続ける状態)が成立しました。同シグナル発生中は、オシレータ系インジケータに着目した逆張りトレードがワークしづらく、一般的にはトレンドフォローが推奨されます。バンド幅の急拡大が示す通り、市場はパニック的な様相を呈しているため、来週もダウンサイドリスクに注意を要する1週間となりそうです。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、ローソク足は一目均衡表の「雲」を明確に下放れしました。また、一目均衡表転換線と基準線のデッドクロス、一目均衡表遅行線の26日前のローソク足下抜け、ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃ったことで、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立しました。テクニカル的に見て、地合いは「極めて弱い」と判断できます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の急落を受けて、オシレータ系インジケータのRSIは過熱感(売られ過ぎ感)を示唆する30%ラインを割り込みました。しかし、上述の通り、弱気のバンドウォーク発生時はオシレータ系インジケータが機能し辛くなる傾向にあるため、安易な逆張りには注意が必要でしょう(地合いの悪化が鮮明であるため、ビットコイン円相場の下落基調が短期間で終息せず長期化する恐れあり→値ごろ感での安易な逆張りは避けたいところ)。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は3/28に記録した年初来高値595.4万円をトップに反落に転じると、今週後半にかけて、約9ヵ月半ぶり安値となる332.1万円まで急落しました(わずか1カ月半で▲263.3万円の下落幅。▲44.2%の下落率)。この間、主要テクニカルポイント(一目均衡表基準線や転換線、雲上下限や200日移動平均線、90日移動平均線や21日移動平均線など)を軒並み下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する「三役逆転」や「弱気のパーフェクトオーダー」、「弱気のバンドウォーク」も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を決定づけるチャート形状となっております。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、①ロシアを巡る地政学的リスクの高まり(ロシア・ウクライナ問題に加えて、今週はフィンランドによるNATO加盟方針が発表されたため、今後はロシア・ウクライナのみならず、ロシア・フィンランドを巡る地政学的リスクが高まる恐れあり)や、②中国経済の失速懸念(新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的とした強力なロックダウンが長期化する恐れ→中国経済の失速が世界経済の失速に波及するとの警戒感)、③米FRBによるタカ派傾斜観測(米国による二重引き締めが過剰流動性相場の逆流を誘発する恐れ)、④上記①②③を背景とした世界的なリスク回避ムード(市場心理悪化→ビットコインを含むリスクアセット下落の波及経路)、⑤ステーブルコインTerraUSDショックを引き金としたDeFiエコシステムの信用不安拡大、⑥上記⑤を背景とした世界各国による規制強化の発動懸念(米SECは4/3にCrypto Assets and Cyber Unitメンバの20名の増員を発表するなど、米国による暗号資産に係る規制強化が今後一段と強まる恐れ。また、イエレン米財務長官は今週、「ステーブルコインに関する規制を2022年末までに法制化すべき」と発言)、⑦オプション市場のダウンサイドのショートガンマなど、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(外部環境も内部環境もビットコイン円相場の下落を示唆。乱高下しつつも結果としてビットコイン円相場が月内に20000ドル≒258.4万円付近まで下げ幅を拡大する展開を想定)。尚、オプション市場で取引されている1ヶ月物インプライドボラティリティ79.00%(スポット前提382.8万円)で計算した向こう1週間のビットコイン円想定レンジは340.9万円−424.7万円となっております。


来週の予想レンジ(BTCJPY): 320.0万円−420.0万円

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