ビットコインの価格分析:『嵐の前の静けさ的様相。突発的な急落リスクに要警戒』(5/28)

今週は再び356.9万円まで反落するなど、上値の重い状態が続いております。

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ビットコインの価格分析:『嵐の前の静けさ的様相。突発的な急落リスクに要警戒』(5/28)

『嵐の前の静けさ的様相。突発的な急落リスクに要警戒』

『嵐の前の静けさ的様相。突発的な急落リスクに要警戒』

今週のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初376.4万円で寄り付いたあと、①バイデン米大統領による「対中関税の引き下げを検討している」との前向きな発言や、②上記①を背景とした株式市場の堅調推移(市場心理改善→リスクオン再開)、③米金利低下に伴うドル売り圧力(米経済を巡る悲観論台頭→米長期金利低下→米ドル売り→米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)が支援材料となり、翌5/23にかけて、週間高値391.5万円まで上昇しました。しかし、心理的節目400.0万円をバックに伸び悩むと、④上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(対円の節目400.0万円や、対ドルの節目30000ドルのトライに失敗したことに対する失望感)や、⑤テクニカル的な地合いの弱さ、⑥ブレイナードFRB副議長による「FRBは高すぎるインフレ率の抑制に向けて金融引き締めにしっかりと取り組んでいく」とのタカ派的な発言、⑦米FOMC議事要旨(5/3ー5/4開催分)における「大半の参加者が6月・7月の会合で各々50bpの追加利上げを行うことが適切」「インフレがピークに達したと確信するには時期尚早」とのタカ派的な内容、

⑧暗号資産に係る規制強化の思惑、⑨伝統的金融市場のリスクオフ再燃(米リセッション懸念を織り込む形で米主要株価指数がハイテク株中心に下落→市場心理悪化)、⑩グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード最高投資責任者による「ビットコインは8000ドルに下落する」「ビットコインを含めいかなる暗号資産も現時点で信頼できる投資先としてのポジションを確立していない」「ポジションを取るなら空売り」との否定的な発言、⑪オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(6/3期日の26000ドルや、6/24期日の25000ドルおよび20000ドル、9/30期日の20000ドルなどダウンサイドputに大口取引が集中)が重石となり、週後半にかけて、週間安値356.9万円(5/12以来の安値圏)まで下落しました。週末にかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/28午前11時00分現在)では364.5万円前後で推移しております。

本稿では、以下テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、短期・中期・長期全ての移動平均線の下側での低空飛行が続いています。また、SMA(単純移動平均線)ベース、EMA(指数平滑移動平均線)ベース共に、強い売りシグナルを示唆するパーフェクトオーダー(下から順番に短期移動平均線・中期移動平均線・長期移動平均線が並ぶ状態)も継続するなど、テクニカル的に見て地合いは「弱い」と判断できます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ビットコイン円相場はトレンドの方向性を示唆するボリンジャーミッドバンドを下回る水準での低空飛行が続いております。バンド幅も急速に縮小する中、来週はダウンサイドへのボラティリティ急拡大に注意が必要でしょう(5/27期日のオプションカットオフを受けて、30000ドル近辺のガンマロングも解消済→現在は嵐の前の静けさ的様相→ダウンサイドに走り易い状態)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は一目均衡表転換線をレジスタンスに冴えない動きが続いております。強い売りシグナルを示唆する三役逆転(一目均衡表転換線と基準線のデッドクロスや、一目均衡表遅行線の26日前のローソク足下抜け、ローソク足の一目均衡表雲下限下抜けが全て揃う状態)も継続する中、テクニカル的に見て、地合いは「弱い」と判断できます。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは、30%台での低空飛行が続いていますが、現時点で過熱感(売られ過ぎ感)は特段見られません。過熱感が出ていないことから(ショートカバーの発生リスクが低いことから)、新規のショートエントリを行いやすく、来週はビットコイン円相場の下落リスクに注意が必要でしょう(過熱感なき下落は暴落前の予兆と捉える向きあり)。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は3/28に記録した年初来高値595.4万円をトップに反落に転じると、5/12にかけて、約9ヵ月半ぶり安値となる332.1万円まで急落しました。その後2週間に亘って小幅に持ち直す動きとなりましたが、今週は再び356.9万円まで反落するなど、上値の重い状態が続いております。

ローソク足が主要サポートポイントを軒並み下回っていること、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダーや一目均衡表三役逆転が継続していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「弱い」と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、①ロシアを巡る地政学的リスクの長期化懸念(ロシア・ウクライナ問題に加えて、地政学的リスクがスウェーデンやフィンランドへも飛び火する恐れ)や、②中国経済の失速懸念(チャイナショックの再来懸念)、③米FRBによる強力なタカ派スタンス(大幅利上げとバランスシート圧縮の二重引き締めが過剰流動性相場逆流を引き起こすとの警戒感)、④上記①②③を背景としたリスクアセットへの下押し圧力(不確実性が燻る中、資産現金化需要のドル買いを促しやすい外部環境)、⑤暗号資産投資家の逆資産効果(テラUSDショック等で痛みを被った投資家の逆資産効果→新規投資意欲減退)

、⑥世界的な規制強化の思惑(先週開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議で「暗号資産市場における最近の混乱を考慮し、G7は金融安定理事会に対し一貫した包括的な規制の迅速な策定と実施を促す」と発表。その後も世界各国で暗号資産の規制強化を求める要人発言が増加)、⑦オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(オプション勢によるダウンサイドPUT大量購入の動き)など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の大幅下落をメインシナリオとして予想いたします(足元の膠着相場は嵐の前の静けさと考えられるため、来週はボラティリティの急拡大とビットコイン円相場の大幅下落に要警戒。事実、今週はヒストリカルボラティリティが急落する中、インプライドボラティリティが底堅さを保つなど、ヒストリカルボラティリティとインプライドボラティリティのスプレッドが急拡大→暴落前の予兆の可能性あり)。尚、オプション市場で取引されている1ヶ月物インプライドボラティリティ72.3%(スポット前提364.5万円)で計算した向こう1週間のビットコイン円想定レンジは328.0万円−401.0万円となっております。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 310.0万円−410.0万円

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