暗号資産週報「続落リスクが一段と高まる」(6月第3週)

しばらくは大台2万ドル割れと18000ドル水準を視野に入れた動きが続きそうです。

暗号資産週報「続落リスクが一段と高まる」(6月第3週)

今週の暗号資産レンジ

時価総額が大きい3つの暗号資産の週間レンジを示しています。始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値から金曜始値までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。

今週の暗号資産レンジ

Crypto Index=暗号資産インデックスの詳細は、トップページのサイト右側メニューの「暗号資産分析情報」から「暗号資産インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。

今週の暗号資産レンジ 2枚目の画像

チャート(上段から上記表の順番)は、到達確率チャートと同じ1時間足・週7日のチャートです。上記レンジに含まれていない前週金曜9時~日曜午前9時の2日間もチャートには表示されています。

今週の振り返りと来週の見通し

今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。使用チャートは、ドル円とユーロの週報で使っているものと同じものです。
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の振り返り(週足)

今週の振り返り(週足)

今週は再び下げ幅が大きくなってきましたので週足チャートから見て行きます。見やすくするために対数を使った価格表示にしてあります。材料的にはセルシウスの破綻懸念や米国株式市場下げとともにリスクオフの波にさらされていることがあげられますが、テクニカルにも1年半かけて形成された高値圏でのリバーサルパターンのネックライン(昨年安値)を下抜けたことで完成したと見てよいでしょう。
コロナショック時の安値と史上最高値に対して78.6%(61.8%の平方根)押しの水準が17806ドルとなっていますので、しばらくは大台2万ドル割れと18000ドル水準を視野に入れた動きが続きそうです。日足チャートで拡大して見てみましょう。

ここからの見通し(日足)

ここからの見通し(日足)

レジスタンスライン(ピンク)以外のこれまでのラインは全て消し、ネックラインとなっている昨年安値28000ドルを青の水平線で、週足チャートで示したターゲット17806ドルをピンクの水平線で引きました。
下値の目途が18000ドルというには良さそうですが、上値の戻りはあまり参考にならないため、1000ドル単位の節目として25000ドルの大台が参考になる程度かと思います。それでも現行水準からは遠い気がしますので、やや下げて24000ドルを考えることとします。
来週は引き続き下値追いを継続しやすいと考え18000ドルをサポートに、24000ドルをレジスタンスとする流れを考えておきます。

今週の主なトピックス

今週の暗号資産関連のニュースの中から、筆者が気になった内容をコメントともに「主なトピックス」として毎週2本取り上げていきます。

取り上げた元記事を確認できるように、ピックアップするソースを日経新聞に絞っています。日経新聞の朝刊と電子版の別と日時を併記してありますので、ご自身の目でお読みいただくと良いと思います。

今週の主なトピックス

*筆者コメント
暗号資産関連企業がリストラを迫られている状況だそうです。米国最大手のコインベースは従業員の18%を削減し、採用停止、内定取り消しを発表しました。FRBが引き締めに転じて以降は米国株式市場を中心にリスク資産市場はリスクオフの動きが強まりましたが、利上げペースを速めてきたことに以下のセルシウスの動きが重なり、暗号資産市場は急激なリスクオフにさらされています。
株安と暗号資産安とがスパイラル上に市場をシュリンクさせている流れですが、後述のコラムで扱うマイクロストラテジーのような企業は他にも多いはずで、企業によってはやむを得ず暗号資産のポートフォリオを落とさざるを得ない状況に追い込まれる可能性もあります。
米国の利上げ加速が金融市場全体の混乱を招く展開はしばらく続くと見た方がよさそうです。

今週の主なトピックス 2枚目の画像

*筆者コメント
セルシウス・ネットワーク社は投資家から暗号資産を預かり別の投資家に貸し出すことによる高い運用利回りを謳い文句にしていましたが、12日に出金や資金移動の停止を発表したことで、暗号資産市場急落を招く結果となりました。
セルシウスはこれまでどのような運用をしていたのか不透明な点が多かったもののいくつかの投資商品で大きな損失を出している模様です。また銀行では無いため預金保険も存在せずゲンスラーSEC委員長も投資家に注意喚起を促していました。
ブルームバーグも昨日の記事でセルシウスはリーマンに近い状況であると報じ、今後米国株式市場が一段安となり、リスクオフの動きが強まると暗号資産市場はさらなる下落にさらされるリスクがあるでしょう。

今週のコラム「マイクロストラテジー株」

FRBによる引き締めと利上げペース加速によって米国株式市場はハイテク株を中心に大幅安となっています。株式市場は2割下げたら下降トレンドへの転換と言われますが、ナスダック100指数は史上最高値から既に3分の1押しの水準に下げています。

ハイテク株の下げが大きいことがその理由ですが、ハイテク株の中でもマイクロストラテジー株が注目を集めています。同社のマイケル・セイラ―CEOはテスラのイーロン・マスクCEOへのビットコイン投資指南役としても知られますが、マイクロストラテジーは約13万ビットコインと米企業で最大のビットコインを保有し、現時点で含み損が約10億ドルとなっています。

今週のコラム「マイクロストラテジー株」

上のチャートはマイクロストラテジーの週足チャートですが、昨年2月の史上最高値1315ドルから5月安値は134.09ドルとほぼ90%の下げを演じています。ビットコインが21000ドルを割り込んだことでマイクロストラテジーは借入金への追加での担保差し入れが必要になったと考えられ、こうしたビットコイン投資銘柄は今後もハイテク株の波乱材料となってくるでしょう。

ディスクレーマー

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