ビットコイン円、狭いレンジ内で膠着商状。四半期末オプションカットに要注目
〇ビットコイン円、269.6-282.3万円の狭いレンジで膠着商状
〇幾分底堅さを取り戻しつつあるもののテクニカルの地合いは弱い
〇ファンダメンタルズも世界的金融引き締めスタンス、規制強化、関連ビジネス縮小リスク等が重石
〇本日は日本時間17時に予定されている四半期末オプションカットに注目
〇本日の予想レンジ:240.0万円ー300.0万円
昨日の概況
23日(木)のビットコイン円相場は狭いレンジ内で膠着商状。①パウエルFRB議長やシカゴ連銀エバンズ総裁による前日海外時間のタカ派発言や、②上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(対ドルの節目20000ドルの下方ブレイク)が重石となり、アジア時間早朝に、安値269.6万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、③四半期末オプションカットを控えたマグネット効果(巨大ストライク20000ドルへ吸引)や、④米金利低下に伴うドル売り圧力(米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)、⑤株式市場の底堅い動き(リスクオン再開)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値282.3万円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/24午前4時55分現在)では、281.6万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は6/18の急落劇(約1年6ヵ月ぶり安値237.9万円まで大幅下落)から約1週間が経過し、幾分底堅さを取り戻しつつあるものの、トップサイドに複数のレジスタンスポイントを控えていること(戻り売りのタイミングを探っている市場参加者が多い状態)や、日足・週足・月足の全てで強い売りシグナル(一目均衡表三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーなど)が点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱い(下落リスクに要警戒)と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、①世界的な金融引き締め(米国のみならず、ユーロ圏や英国、スイスや豪州など金融引き締め政策への転換を発表した国が急増)や、②上記①を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(金融緩和から金融引き締めへの政策転換→リスクアセットに下押し圧力→資産現金化需要のドル買い圧力→米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)、
③世界的な規制強化の方向性(G20をはじめ各国規制当局が投資家保護の観点で暗号資産に係る規制強化に踏み切る構え。6/22にはスイス連邦金融市場監督機構のトップであるウルバン・アンゲルン氏も「投資家保護を目的に更なる規制強化を求める」と発言)、④暗号資産関連ビジネスの縮小リスク(採算性低下を背景に、マイニングファームや取引所、クリプトファンドなどの関連事業者が暗号資産ビジネスから撤退する恐れ)など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が揃っています。こうした中、本日は日本時間17時に予定されている四半期末オプションカットに注目が集まります。17時のカットオフを迎えるまでは、巨大ストライク20000ドル≒270.0万円を挟んだマグネット効果が見込まれるものの、17時のカットオフ終了後は、吸引力が低減する他、巨大ストライクの位置が20000ドルから15000ドル≒202.5万円へ下方シフトすることもあり、ポジション構造的にもダウンサイドに動きやすくなることが想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(オプションカット終了後の下落リスクに要警戒。目先は6/18に記録した約1年6ヵ月ぶり安値237.9万円がターゲット)。
本日の予想レンジ:240.0万円ー300.0万円
注:ポイント要約は編集部
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