暗号資産ヘッジファンドに清算命令

昨日の暗号資産取引は、ビットコインが小幅に下落しての推移となっています。

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暗号資産ヘッジファンドに清算命令

暗号資産ヘッジファンドに清算命令

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:20216.2ドル(-0.28%)
イーサリアム:1109.99ドル(-4.50%)
リップル:0.33260ドル(-2.72%)
ビットコインキャッシュ:106.4ドル(+0.28%)

【概況】

昨日の暗号資産取引は、ビットコインが小幅に下落しての推移となっています。一時20000ドルを割り込むなど警戒感が高まりましたが、米国株式市場が方向感の見えにくい、様子見ムードが強まる状況となり、ビットコインに対する売りの流れが巻き戻される展開となりました。その他のコインはまちまちとなっていますが、イーサリアムなどはやや下げ幅を拡大する展開であり、全体的には先行きに対する不透明感が意識されやすい状況ということが言えるでしょう。

さて、ビットコインの価格下落によりマイナーが苦境に陥っていることは先日書きましたが、価格下落によって暗号資産ヘッジファンドのスリー・アローズ・キャピタルが経営難に陥り、英領バージン諸島の裁判所によって事業清算を命じられたと報じられています。

暗号資産の貸し出しを行うボイジャーデジタルはスリー・アローズ・キャピタルの約6.5億ドルの暗号資産ローンが返金できないとして、デフォルトとなったと発表しています。そして、スリー・アローズ・キャピタルと提携しているバージン諸島のテネオ・リストラクチャリングが清算を処理する準備を進めているようです。

スリー・アローズ・キャピタルはシンガポールに本社を置く最大手の暗号資産ヘッジファンドであり、数多くのDeFiプロジェクトに出資を行っており、仮に清算により資産の売却ということになれば、規模が大きいだけに大きな価格下落をもたらす可能性もあり、清算を処理することも非常に難しいものとなることが予想されるところです。

暗号資産の売却が加速すれば、連鎖的なデフォルトが発生する可能性も十分に考えられるところであり、こういった動きが暗号資産ヘッジファンドのみならず、マイナーや個人投資家の売りなどを誘発する展開も視野に入ってくるでしょう。

現状において、暗号資産は機関投資家の参入も増加しており、株式市場などのその他の市場への影響も拡大してきています。つまり、暗号資産市場がさらに大幅下落といった展開となれば、株式市場にとっても看過できない事態となる可能性があるでしょう。そうなれば、中央銀行などの金融当局は暗号資産への規制を一層強化するといった方向へとかじを切る可能性も出てくるでしょう。そして、投資家も暗号資産に対する懐疑的な視線を強めることも考えられ、スパイラル的に状況が悪化するといったことも起こり得るでしょう。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの-2σである16530ドル前後の水準と中心線である21950ドル前後の水準で挟まれたレンジを動いています。20000ドルを挟んでの動きとなっており、ここをどう意識するかは重要なところかと思われます。現状ではこの3つの価格が節目として意識されそうです。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σから持ち直す動きとなってバンドの中心線を目指す動きとなっていましたが、中心線に届かずにじり安基調となっています。大きな動きにはなっていませんが、上値の重い展開が継続しており、このままバンドの-2σまで下落するかどうかに注目です。バンド幅は縮小傾向であり、徐々にエネルギーが蓄積されてきていますが、まだ縮小の余地はありそうで、大きな動きには目先なりにくそうです。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがゴールデンクロスからの上昇となっていましたが、%Kが腰折れから上値を抑えられる動きとなっています。このまま下落基調を維持するかどうかに注目です。ただ、%Dは上昇基調を維持していることから、積極的に売り込む展開にもなりにくいところかと思われます。%Kが持ち直して底堅い動きとなるのか、%Dが腰折れして下落基調を強めるのかに注目が集まりそうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σを意識しての動きからじり高基調となっています。バンドの中心線を目指しての動きであり、下げ渋る展開となっています。ただ、大きな動きにはなっておらず、狭いレンジでの動きが継続しています。バンドの±2σが緩やかな下落基調となっておりトレンドそのものもやや下向きです。バンドの中止線で抑えられて再度下落といった動きになるのではないでしょうか。バンド幅は狭い状況が続いており、動き出したら大きなものとなりやすいので、その点も注意したいところです。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dはゴールデンクロスからの上昇基調で、%Kが下値圏から外れる動きです。%Dもすぐに下値圏から外れてきそうで、しっかりとした動きが意識されやすいところです。このまま上昇基調を維持することができるかがポイントとなりそうですが、このまま上昇基調を維持して高値圏に入る動きとなれば、バンドの中心線をブレイクする可能性もありそうです。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値・2021年7-12月の高値
30000ドル:心理的な節目
29310ドル:2021年7-12月の安値
27380ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
21950ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
20420ドル:昨日の高値

20220ドル:現在値

20000ドル:心理的な節目
19880ドル:昨日の安値
16530ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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