ビットコイン円、約2週間ぶり安値圏へ急反落。二番底形成リスクに要警戒
○ビットコイン円、株式市場の急反落などが重石となり安値253.2万円まで下落
○強い売りシグナル点灯、対ドルの節目20000ドルも下方ブレイクし地合いは弱い
○ファンダメンタルズも、FRBの金融引き締め明確化や世界的な規制強化など続落を連想させる材料揃う
○直近安値237.9万円を試すなどの、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:225.0万円ー275.0万円
昨日の概況
30日(木)のビットコイン円相場は大幅下落。①パウエルFRB議長による前日海外時間のタカ派的な発言(パウエル氏は「米経済は金融引き締めに十分耐えられる」と発言→米経済よりインフレ抑制を優先する姿勢を明確化)や、②上記①を背景とした株式市場の急反落(アジア株・欧米株共に大幅下落→市場心理悪化→資産現金化需要のドル買い圧力)、③上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(対ドルの心理的節目20000ドルを割り込んだことに対する失望感)、④オプション市場のダウンサイドを織り込む動き(インプライドボラティリティの上昇とリスクリバーサルのBTCプットオーバー拡大の組み合わせ)が重石となり、米国時間午後にかけて、6/19以来、約2週間ぶり安値となる253.2万円まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/1午前6時00分現在)では、255.9万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場は約10日間に亘って継続した270ー300万円レンジを下方ブレイクすると、昨日は一時253.2万円(6/19以来の安値圏)まで急落しました。上位足から下位足に至る全てのテナーで強い売りシグナル(一目均衡表三役逆転や弱気のパーフェクトオーダー)が点灯している他、市場参加者に注目されていた対ドルの節目20000ドルも下方ブレイクしており、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます(レンジ相場終焉→下落トレンド再開を示唆)。
ファンダメンタルズ的に見ても、①米FRBによる金融引き締めスタンスの明確化(パウエル氏をはじめ複数の米当局者よりインフレ抑制を最優先するとの発言あり。また、金融引き締め強化の結果、米経済に下押し圧力が加わったとしても十分耐えられるとの楽観的な発言も増加)、②上記①を背景とした株式市場の急反落(米当局者の認識に反して、市場参加者は米金融引き締めの結果、リセッションリスクが高まるとの見方を維持→事実、アトランタ連銀が予測するGDPNowはテクニカルリセッション入りを示唆→市場心理悪化→リスクアセット下落→資産現金化需要のドル買い圧力→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)、③世界的な規制強化の方向性(テラUSDショックやセルシウスショック、スリーアローズキャピタルショックに続いて、ジェネシスショック到来への警戒感→投資家保護を目的とした規制強化が一段と求められる外部環境)、④クリプト関連事業者の撤退リスク(採算性悪化を理由に、ヘッジファンドやマイニングファーム、暗号資産取引所などの事業撤退・縮小リスク)など、ビットコイン円相場の続落を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(6/18に記録した直近安値237.9万円を試すシナリオを想定。同水準を下抜けできれば、ビットコインが15000ドル≒202.5万円や、10000ドル≒135.0万円に向かって大きく値を崩す恐れあり。オプション市場はダウンサイドを織り込む動きが継続中であり二番底形成リスクに要警戒)。
本日の予想レンジ:225.0万円ー275.0万円
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