米消費者物価指数(CPI)発表 (22/07/14)

昨日の暗号資産取引は、ビットコインが上昇しての推移です。

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米消費者物価指数(CPI)発表 (22/07/14)

米消費者物価指数(CPI)発表

主要暗号資産価格【日本時間6時】

ビットコイン:19669.8ドル(+1.10%)
イーサリアム:1076.08ドル(+2.77%)
リップル:0.31790ドル(+1.99%)
ビットコインキャッシュ:99.2ドル(+0.40%)

【概況】

昨日の暗号資産取引は、ビットコインが上昇しての推移です。市場全体としてはリスク回避的な動きが意識されましたが、下げ渋りから持ち直す動きが展開されています。昨日は米CPIが発表となり、市場予想を上回ったことで動揺が広がりましたが、米株もダウが一時は460ドル安水準まで下落したものの、そこからは下げ幅を縮小する展開となっており、値ごろ感からの買い戻しも見られています。WTI原油が100ドルを割り込んでの推移となっていることなどを受けて、国際商品価格の上昇に対する修正の動きが意識される状況となっています。CPIに関しては後ほど書いていくことにします。その他のコインも底堅い動きで、プラス圏での推移となっています。

さて、上述の通り米CPIは市場予想を上回り、依然としてインフレ圧力が意識される状況であることが示されました。バイデン大統領はこの結果に関しては古いデータであり、直近の原油価格の下落などを反映していないといった発言をしています。この発言自体は完全に間違ったものというわけではありませんが、リアルタイムで経済データが発表されるわけではありませんし、逆のようなことが起こっても同じように古いデータであるということは無いと思われるため、疑問の残る発言であることは否めないでしょう。

ただ、原油価格をはじめとする商品価格はピークアウトしつつあるといった見方があることも事実です。もちろん、ここから再度上昇する可能性もあるわけで予断を許さないところではありますが、リセッション入りが視野に入る中で需要減から価格の下落といった動きが起こる可能性は十分に考えられるところです。そうなればインフレも落ち着いてくるものと思われます。とはいえ、今回のCPIが前年同月比で+9.1%となっており、多少落ち着いても高水準で推移することは避けがたいところであり、金融引き締め圧力がかかる状況ということができるでしょう。

実際、短期金融市場においては7月のFOMCにおいて、75bpの利上げを完全に織り込み、前代未聞の100bpの利上げも66.8%織り込んでいる状況です。来年以降は利下げも織り込んでいるようですが、年内はタカ派的な金融政策が予想されている状況です。

こういった状況が継続された場合、株式市場には売り圧力がかかりやすく、その一方で米国債利回りの上昇を眺めてドルの下値が支えられるといった動きとなりやすくなるでしょう。そうなった場合、暗号資産市場にとってはかなりの逆風となることが予想されるところです。今のところビットコインは20000ドル前後の水準が意識されていますが、動き出したら大きなものとなる可能性が高まっており、下方向に動いても何の不思議もありません。

下落すると利益となるETFなども上場されており、下落の流れが加速することも考えられます。個人的にはその局面がセリングクライマックスとなる可能性も十分にあるとみていますが、慎重に対処する必要がありそうです。

【ビットコイン節目】

ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである22080ドル前後と-2σである18790ドル前後の水準で挟まれたレンジを動いており、中心線である20410ドル前後と心理的な節目である20000ドルが意識される状況となっています。これらの価格が節目となる状況がまだしばらくは続きそうです。

【ビットコインチャート分析】

【ビットコインチャート分析】

ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σで抑えられて下落し、中心線を抜けて-2σを目指す形となっています。現状では-2σに届く前に小幅に持ち直していますが、現状ではまだ上値の重さも意識されており、-2σまで下落する可能性も十分にあるでしょう。バンドの±2σがほぼ横ばいとなっており、レンジ圏での動きが意識されやすい状況です。ただ、バンド幅が狭いため市場にはエネルギーが蓄積されており、動き出したら大きなものとなる可能性が高い点は留意しておきたいところです。

またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがデッドクロスからの下落となっています。一時下値圏に入っていた%Kが持ち直していますが、%Dは下落基調を維持しており、流れとしてはまだ上値の重さが意識される状況です。%Kの上昇基調が維持されるのかどうかに注目が集まりそうです。

ビットコインの4時間足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σを意識しての動きから中心線を目指す動きとなっています。一時売り圧力が強まりバンドの-2σまで下落しましたが、再度持ち直しての動きとなっています。目先はバンドの中心線を意識しての動きとなるのではないかと思われます。バンドの-2σが横ばいへと転じており、下値は限定的なものとなるのではないかとみています。ただ、バンドの中心線で抑えられており、上値も重そうです。

ストキャスティクスで見ると%K、%Dは下値圏での推移からゴールデンクロスとなって上昇して下値圏から外れる動きとなっています。目先は上昇の勢いが落ちていますが、じり高基調を維持しており、底堅い動きが意識される状況です。このまま上値を拡大することができるかどうかがポイントとなりそうですが、目先はまだ上値余地がありそうで、まずはバンドの中心線まで上昇するのではないかと思われます。

【ビットコイン価格の注目ポイント】

68990ドル:史上最高値
48200ドル:2022年1-6月の高値
30000ドル:心理的な節目
22030ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
20410ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
20030ドル:昨日の高値
20000ドル:心理的な節目

19670ドル:現在値

18940ドル:昨日の安値
18790ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
17630ドル:2022年1-6月の安値

(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。

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