今週の暗号資産レンジ
時価総額が大きい3つの暗号資産の週間レンジを示しています。始値は日曜東京午前9時、高値・安値は始値から金曜始値までのレンジのため、それ以降日曜午前9時までのレンジは含まれていません。なお、各レートとも特定業者のレートは示さず対ドルでの気配値となっていることにご留意ください。
Crypto Index=暗号資産インデックスの詳細は、トップページのサイト右側メニューの「暗号資産分析情報」から「暗号資産インデックス」をクリックしてご覧ください。算出の基準日は2017年9月1日です。また「到達確率チャート」も併せてご利用いただけます。
今週の振り返りと来週の見通し
今週もドル建てビットコイン(BTC/USD)について、前回執筆時点以降の値動きを振り返りつつ、今後の見通しについて純粋にテクニカルな観点から分析を加えます。使用チャートは、ドル円とユーロの週報で使っているものと同じものです。
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
今週の振り返り(日足)
これまで示していた3月末高値からのレジスタンスライン(ピンク)も6月安値からのペナント状のもみあい(青)もどちらも上抜けした動きを見せています。7月中旬までは底固めをしているものの上昇の動きにはつながりませんでしたが、暗号資産関連業者の破綻といった悪材料が短期的には一巡したこと、そこにテクニカルにレジスタンスをダブルで上抜けしてきたことがリスクオフからリスクオンへの転換へとつながったと言えるでしょう。ただここから上には5月安値などもあり、急速に上昇する流れでもありません。4時間足チャートで拡大して見てみましょう。
ここからの見通し(4時間足)
日足チャートと同色のラインに加え5月末高値と6月安値とのフィボナッチリトレースメント(赤のターゲット)を引いてあります。5月安値とこのリトレースメントの61.8%戻しが一致し26734となりますが、まだかなり離れているため、そこまでの上昇は難しいかなと思われます。その手前半値戻しが24984と25000ドルの大台と重なりますので、次の上値の目途としては25000ドルが妥当と見られます。
いっぽうで下値は上抜けたレジスタンスがサポートとなりますが、来週はおよそ21000ドル水準に位置します。来週はこれら2つの水準を参考に21000ドルをサポートに、25000ドルをレジスタンスとする流れを考えておきます。
今週の主なトピックス
今週の暗号資産関連のニュースの中から、筆者が気になった内容をコメントともに「主なトピックス」として毎週2本取り上げていきます。
取り上げた元記事を確認できるように、ピックアップするソースを日経新聞に絞っています。日経新聞の朝刊と電子版の別と日時を併記してありますので、ご自身の目でお読みいただくと良いと思います。
*筆者コメント
中国は北京オリンピックを機にデジタル人民元の実験を拡大し、その後も使える地域は広がっていますが、いまだ正式発行に向けてのスケジュールは見えてこないようです。デジタル人民元構想から8年が経過し、実証実験も間もなく2年が経過する中で、技術的な問題はクリアしてきたように見えましたが、既存のQRコード決済のシェアが8割を超え、既存ツールのユーザーがデジタル人民元に移行する動きは鈍いようです。
おそらくは民間ツールとの差別化を図り、それでも伸びないとなると規制を導入といった動きが中国ならば考えられますが、同様の動きが日本でも起きた時に、日本では民間を圧迫するような動きは取ることが出来ません。将来的なデジタル円発行に向けてデジタル人民元での問題は色々と参考になりそうですから、日銀もしっかりと研究を重ねて欲しいところです。
*筆者コメント
20日にテスラの決算発表があり、純利益は前年同期比で+98%と大幅な増益となっているいっぽうで、売上高の伸びは減速していることなどが注目されましたが、暗号資産関係者は別の部分に目が向いたようです。
同社のバランスシート上で6月末のビットコイン保有残高は約2.2億ドルにまで減少していたことが判明しましたが、2月時点には約15億ドル保有していたわけですから8割以上をその後売却していたこととなります。当然購入価格よりも売却価格の方が低く損失ということになりますが、本業の調子が良いうちに相場に一定の距離を置くというスタンスは経営者としては正しいと思います。
今週のコラム「アストロチャートのレジスタンス」
時々見ているアストロチャートですが、近いところでレジスタンスとなり得るラインが集まっていますので、見ておきたいと思います。
水色のラインと青のラインは惑星の位置を価格に置き換えるギャンの手法によるサポートレジスタンスで、茶色の点線は数字としてのサポートレジスタンスで、こちらもギャンの手法によるものです。
7月中旬から8月上旬を見ると3つのラインが24000ドル水準に集中していて強いレジスタンスになると同時に上抜けたらサポートとなりますので、このアストロチャート的には24000ドルの攻防が重要ということになります。24000ドルという水準は当面気にしておくとよいでしょう。
ディスクレーマー
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