ビットコイン:『約1ヵ月半ぶり高値圏へ急伸も楽観は禁物。FOMC後の反落に警戒』(7/23)

ビットコイン円相場は、6/18に記録した安値237.9万円をボトムに反発に転じると、今週半ばにかけて、約1ヵ月半ぶり高値となる335.4万円まで急伸しました

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ビットコイン:『約1ヵ月半ぶり高値圏へ急伸も楽観は禁物。FOMC後の反落に警戒』(7/23)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(7/17−7/23)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初293.5万円で寄り付いた後、早々に週間安値287.0万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、①ウォラーFRB理事による75bp利上げ支持発言や、②米7月ミシガン大学消費者信頼感指数における期待インフレ項目鈍化、③ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャーであるニック・ティミラオス記者による「7月FOMCは100bpではなく75bpの利上げになる」とのハト派的な発言、④上記①②③を背景とした米FRBによる100bp利上げ観測の後退(米CPIや米PPIの急上昇を背景に、7/26ー7/27の米FOMCで100bpの利上げが実施されるとの見方が強まっていたが、上記①②③を材料に100bp利上げ観測が急速に後退。米金利低下を通じてドル全面安の流れが活発化し、米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)、

⑤イーサリアム主導のアルトコイン急伸(POSへの移行日決定)、⑥テクニカル的な地合いの強さ(これまでレジスタンスとして機能し続けてきた日足ベースの一目均衡表雲下限上方ブレイク)、⑦株式市場の堅調推移(市場心理改善→リスクアセット持ち直し)が支援材料となり、週央にかけて、約1ヵ月半ぶり高値となる335.4万円(6/13以来の高値圏)まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、⑧オプション市場のマグネット効果(7/22行使期日の巨大ストライク22000ドルに吸い寄せられる現象)や、⑨米テスラ社による「保有しているビットコインの約75%を4ー6月期に法定通貨へ転換した」とのサプライズ開示、⑩暗号資産取引所ジップメックス社による資金の引き出し停止発表、⑪世界的な金融引き締め観測(今週はECB理事会が市場予想の25bpを上回る50bp利上げに踏み切った他、南アフリカ中銀も市場予想の50bpを上回る75bpの利上げを実施)、⑫上記⑪を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク、

⑬米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長による暗号資産レンディング会社を証券法の対象とする構想についての見解発表などが重石となり、本稿執筆時点(日本時間7/23午前9時30分現在)では、309.7万円前後まで反落する冴えない動きとなっております。

以下、テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、短期移動平均線(21日線)をクリアに上抜けするも、中期移動平均線(90日線)には届かず結局反落に転じました。また、SMAベース(単純移動平均線)、EMAベース(指数平滑移動委平均線)共に、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に短期線・中期線・長期線が並ぶ状態)が継続するなど、テクニカル的に見て、上値余地は乏しい(上値は次第に重くなる)と判断できます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ローソク足がボリンジャーミッドバンドの上側で推移している他、ボリンジャーミッドバンドの傾きも緩やかな右肩上がりを形成しているため、テクニカル的に見て、地合いの改善が意識されます。但し、先週末より続いていた強気のバンドウォーク(ボリンジャーバンド上限に沿ってローソク足が上昇し続けるチャート形状)が消失している点には留意が必要でしょう。ここから先は「逆張り勢」や「戻り売り勢」の力が増してくることが想定されるため、来週はサイクル的に下落リスクに警戒が必要と考えられます。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の持ち直しを受けて、①遅行線の26日前のローソク足上抜け、②転換線と基準線のゴールデンクロス、③ローソク足の一目均衡表雲下限上抜けが成立しました。結果として、強い売りシグナルを示唆する三役逆転の発生条件が全て消失したこととなり、地合い改善への期待感が高まっています。但し、上方には強いレジスタンスポイントとして意識されている一目均衡表雲上限が待ち構えているため、ここからの更なる上昇は容易では無く、上値は次第に重くなることが想定されます。一方、一目均衡表雲上限を仮に突破することが出来れば、強い買いシグナルを示唆する三役好転が久々に点灯することになるため、ショート勢のロスカットを巻き込みながら、大きな上昇に繋がるリスクを孕んでいる点に念のため留意が必要でしょう。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは中立圏(30%−70%)での推移が続いております(買われ過ぎ感・売られ過ぎ感共に過熱感は見られず)。また、ダイバージェンス(実勢相場のトレンドとRSIのトレンドが逆行する現象)の発生も確認できておらず、現在はRSIから相場の方向性に対するヒントを得ることが出来ない状態となっています。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は、6/18に記録した約1年6ヵ月ぶり安値237.9万円(2020年12月以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、今週半ばにかけて、約1ヵ月半ぶり高値となる335.4万円まで急伸しました(直近1ヵ月間で約100万円の値幅で上昇)。但し、昨年11/10に記録した史上最高値779.0万円を起点に考えれば、今回の戻りは僅か18%程度に留まっており(11/10高値→6/18安値→7/20高値)、戻りの鈍さが印象的なチャート形状に変わりはありません(売り遅れた勢力によるやれやれ売り等、上方には戻り待ち勢力が大量に待ち構えている状態)。移動平均線の弱気のパーフェクトオーダー継続や、ダウ理論の下落トレンド継続などを踏まえると、テクニカル的に見て、下落トレンド継続中と判断できます(今週はビットコイン相場の底堅さが目立ちましたが油断は禁物。ブルトラップ発生後の急落リスクに要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、①世界的な金融引き締め観測の高まり(ECBや南ア中銀など世界各国の中央銀行が市場予想を上回るペースでの利上げを実施。来週の米FOMCも市場コンセンサスの75bpを上回る100bp利上げに踏み切るリスクあり)や、②上記①を背景とした過剰流動性相場の逆流リスク(資産現金化需要のドル買い再開の恐れ)、③世界的な規制強化の方向性(テラUSDショックや3ACショック、ボイジャー・デジタルショックやセルシウスショックなど、暗号資産業界の不安定化を背景に、世界的に規制強化の動きが進むとの思惑)、④クリプト関連ビジネスの縮小・撤退リスク(上記③のレギュレーションコスト増大を背景に採算性は今後著しく悪化する公算大→クリプト関連事業者の撤退や倒産、リストラに拍車がかかる可能性あり)、⑤環境問題に端を発したPOW通貨に対する逆風懸念(POSへの移行を決めたイーサリアムとは異なり、ビットコインはマイニングに電力消費を伴うPOW通貨→世界的にエネルギー不足が深刻となる中、POW通貨に対する逆風は今後もう一段強まる恐れ)など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が増えつつあります。

こうした中、来週は米FOMC(日本時間7/28午前3時00分にFOMC声明、同3時30分にパウエルFRB議長記者会見)に注目が集まります。タカ派的なスタンス(100bpの利上げに踏み切る場合や、足元の米経済指標の不冴な結果を受けても尚景気よりインフレ抑制を重視する姿勢を見せる場合、9月FOMCへの利上げ予告を行う場合など)が確認できれば、米金利上昇→資産現金化需要のドル買い再燃→米ドル高の経路で、米ドルと逆相関性の強いビットコインには強い下押し圧力が加わるものと推察されます。「世界的な金融引き締め」「ドル高」「規制強化」「ビジネス縮小」「環境問題」など、暗号資産業界を取り巻く逆風が続く中、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。尚、オプション市場で取引されている1週間物インプライドボラティリティ79.5%(スポット前提309.7万円)で計算した向こう1週間のビットコイン円想定レンジは275.6万円−343.8万円となっております。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 265.0万円−335.0万円

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