ビットコインの価格分析:『重要イベント通過で持ち直す展開。来週は夏枯れ相場入りか』(7/29)

ビットコイン円相場は7/26に記録した安値283.5万円をボトムに反発に転じると、週後半にかけて324.6万円まで持ち直す動きとなりました。

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ビットコインの価格分析:『重要イベント通過で持ち直す展開。来週は夏枯れ相場入りか』(7/29)

1. 直近1週間のBTC相場

1.	直近1週間のBTC相場

今週(7/24−7/29)のビットコイン円相場(BTCJPY)は、週初305.8万円で寄り付いた後、①米FOMCを控えた警戒感(米FRBが市場コンセンサスの75bpを上回る100bpのサプライズ利上げに踏み切るのではないかとの思惑)や、②上記①を背景とした米長期金利の上昇とそれに伴う過剰流動性相場逆流の動き(米10年債利回りは一時2.84%へ上昇→リスクアセット下落→資産現金化需要のドル買い圧力→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)、③米大手ハイテク企業決算(アップル、アルファベット、メタプラットフォームズ、アマゾン、マイクロソフト)を控えた警戒感、④テクニカル的な地合いの弱さ(対円の節目300.0万円や一目均衡表雲下限を再び割り込んだことに伴う失望感)、⑤アルトコインの冴えない動き(これまでポジティブムードを牽引してきたイーサリアムが急反落→市場心理悪化)、

⑥米証券取引委員会(SEC)による暗号資産取引所大手コインベース・グローバル社に対する調査継続、⑦タイ証券取引委員会による暗号資産取引所ジップメックス社の先般の資金引き出し一時停止に関する調査開始報道などが重石となり、7/26海外時間にかけて、7/15以来となる安値283.5万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、⑧米大手ハイテク企業決算が総じて良好な結果となったこと(市場で燻っていた米大手ハイテク企業決算が散々なものになるとの警戒感が後退)や、⑨米FOMCでの75bp利上げ決定(一部で燻っていた100bpの利上げが回避されたことに対する安堵感)、⑩パウエルFRB議長による「ある時点で利上げ速度を緩めることが適切であるだろう」との慎重な発言(米利上げペースの鈍化期待)、⑪上記⑩を背景とした米長期金利の急低下とそれに伴う株式市場の堅調推移(米10年債利回りは4/14以来となる2.64%へ急低下→米ダウ平均株価は6/9以来の高値圏へ上昇→リスク選好ムード再開)、

⑫対主要通貨でのドル売り圧力(米金利低下→ドル全面安→米ドルと逆相関性の強いビットコインに上昇圧力)、⑬日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)および日本暗号資産取引業協会(JVCEA)による税制改正要望期待が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値324.6万円(7/20以来の高値圏)まで反発しました。週末にかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間7/29午後5時30分現在)では、318.5万円前後で推移しております。

以下、テクニカル分析の観点でビットコイン円相場の先行きを考察いたします。

2. 移動平均線(テクニカル分析)

2.	移動平均線(テクニカル分析)

ビットコイン円相場は、短期移動平均線(21日線)の上抜けに成功し、中期移動平均線(90日線)を十分狙える位置に付けました。SMAベース(単純移動平均線)、EMAベース(指数平滑移動委平均線)共に、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダー(下から順番に短期線・中期線・長期線が並ぶ状態)が継続してはいるものの、21日線、90日線共にEMAとSMAのゴールデンクロス(EMAがSMAを上抜ける状態)が実現するなど、テクニカル的に見て、地合いは幾分改善しつつあると判断できます。

3. ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

3.	ボリンジャーバンド(テクニカル分析)

ローソク足がボリンジャーミッドバンド上側で推移している他、ボリンジャーミッドバンドの傾きも右肩上がりの傾斜を維持するなど、テクニカル的に見て、地合いの改善が意識されます。ボリンジャーバンド上限が目先の逆張りシグナルとして警戒されてはいるものの、バンド幅の縮小傾向を見る限り、大きな動きは期待できず、来週はやや夏枯れ相場入りの様相を呈するものと考えられます(狭いレンジ内で底堅さを維持するシナリオを想定)。

4. 一目均衡表(テクニカル分析)

4.	一目均衡表(テクニカル分析)

ビットコイン円相場の持ち直しを受けて、①遅行線が26日前のローソク足を上回っている状態、②転換線が基準線を上回っている状態が実現しました。強い買いシグナルを示唆する三役好転成立のためには、最後の条件として、ローソク足の一目均衡表雲上限突破が必要となります。一目均衡表雲上限は328.7万円前後に位置している為、現在の相場環境に鑑みると十分狙える位置に付けております。但し、同水準をなかなか上抜けられない場合(攻めあぐねる場合)は、上値の重さを嫌気した見切り売りに繋がる恐れもある為、なるべく早いタイミングで同水準を突破できるか否かが来週の鍵となりそうです。

5. RSI(テクニカル分析)

5.	RSI(テクニカル分析)

オシレータ系インジケータのRSIは4時間足・日足・週足・月足の全ての期間において、中立圏(30%−70%)での推移が続いております。買われ過ぎ・売られ過ぎ共に過熱感が一切見られず、また、ダイバージェンス(実勢相場のトレンドとRSIのトレンドが逆行する現象)の発生も確認できず、ここ数週間はRSIから相場の方向性に関するヒントを得られない状態が続いております。

6. まとめ

6.	まとめ

ビットコイン円相場は7/26に記録した安値283.5万円(7/15以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、週後半にかけて324.6万円まで持ち直す動きとなりました。この間、ローソク足が主要レジスタンスポイント(一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線、一目均衡表雲下限など)を軒並み上抜けした他、対円の節目300.0万円や、対ドルの節目24000ドルも回復するなど、テクニカル的に見て、地合いの改善を印象付けるチャート形状となっています。目先は一目均衡表雲上限(328.7万円)を上抜けられるか否かに注目が集まります。同水準を上抜けられれば、強い買いシグナルを示唆する三役好転が点灯するため、地合いがもう一段改善するシナリオが期待されます(この場合は、7/20高値335.4万円も一気に吞み込み上昇する可能性大)。

但し、インプライドボラティリティの低下が示唆する通り、来週は夏枯れ相場入り(注目されていたFOMCを終えたことで市場参加者が夏季休暇に突入)が見込まれることから、同水準を突破したとしても、フォロースルーは弱くなると考えています(急伸後や急落後に相場がピタッと止まる現象)。尚、ファンダメンタルズ的な側面では、①世界的な金融引き締めや、②過剰流動性相場逆流の恐れ、③米国によるドル高容認姿勢、④暗号資産に関する規制強化の思惑、⑤暗号資産業界を取り巻くネガティブムード、⑥電力不足に端を発したPOW通貨への逆風など、悪材料噴出状態が続いているため、ビットコイン円相場には引き続き下方圧力が加わる展開が想定されます。

今週は上記の内、①がパウエルFRB議長による慎重な発言を通じて緩和されたことで、ビットコイン持ち直しに繋がりましたが、本格上昇に繋がるほどの材料でもなく、「米金利低下→リスクアセット上昇」の賞味期限切れは予想以上に近いのではないかと考えています。以上を踏まえ、当方は、テクニカル主導で目先底堅さを維持する展開を予想しつつも、一巡後は再びファンダメンタルズ主導で下落基調に戻る展開をメインシナリオとして想定いたします(350.0万円付近まで上昇した後に再び300.0万円割れへと反落するシナリオを想定)。

来週の予想レンジ(BTCJPY): 285.0万円−350.0万円

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