楽観的な雰囲気
主要暗号資産価格【日本時間6時】
ビットコイン:23820.4ドル(-0.65%)
イーサリアム:1706.31ドル(+0.83%)
リップル:0.38855ドル(-1.37%)
ビットコインキャッシュ:144.7ドル(-1.90%)
【概況】
先週末の暗号資産取引は、ビットコインが小幅に下落しての推移。大きな動きにはなっておらず、方向感の見えにくい展開となりました。週末の米株は上昇、米国債利回りはまちまち、ドルインデックスは軟調地合いとなって引けています。暗号資産市場にとっては買われやすい地合いではありましたが、ここまでの上昇に対する調整の動きなども意識されており、上値を抑えられました。
さて、ここにきて暗号資産市場は全体的に底堅い動きを見せています。そしてそれは暗号資産市場に限った話ではなく、米国株式市場もしっかりとした動きが展開されている状況ということができるでしょう。しかし、FEDが連続して75bpの利上げに踏み切り、GDPは2四半期連続のマイナスとなるなど、状況が好転しているかと言われれば必ずしもそういえないところであることは事実です。
しかし『知ったらしまい』といった格言もありますが、これらの悪材料が出尽くしてきたといった思惑が市場にはあるのかもしれません。経済の失速が明らかとなれば、FEDの利上げも想定通りに進まない可能性が高まるでしょう。また、前回も述べましたが、2回連続のGDPのマイナス成長であっても全米経済研究所がリセッションを宣言しない可能性もあります。ウクライナからの穀物輸出がスタートするといった思惑からインフレに対する警戒感が和らぐ展開も期待されています。こうした期待感を背景に、楽観的な見方が強まっている状況となっています。
現状において、暗号資産市場も上記の楽観的な雰囲気によって下支えされ、上昇をうかがう展開となっているところです。問題はこうした楽観的な雰囲気がどの程度継続するのかといったところでしょう。注目しておきたいのはFEDの利上げが想定通りに進まないのではないか、といった思惑が市場に織り込まれたのちに経済指標が大きく悪化しないか、といった点かと思われます。大幅利上げ観測が後退している状況で経済指標が大きく悪化した場合、下支え要因が失われているためにリスク回避的な動きが強まる可能性があるでしょう。また、インフレ圧力が根強く残った場合も状況の悪化に拍車をかけるでしょう。
週末には雇用統計が発表となりますが、それ以上に来週の消費者物価指数が問題となりそうです。インフレが収まってくればFEDとしても利上げを急ぐ必要性が低下します。そうなれば、これまでの楽観的な雰囲気がさらに強まることも考えられるでしょう。
また、米国の利上げに伴う新興国からの資金の引き上げなども警戒すべき状況にあります。例えば、韓国などは米国に先んじて利上げをしているにもかかわらず、韓国ウォンが対ドルで下落の一途をたどっており、危険水域をはるかに超える水準で推移しています。アジア通貨危機のようなことが再び起これば、これまでの流れが一気に逆流するでしょうし、暗号資産市場にとっても状況の悪化は避けられないでしょう。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のボリンジャーバンドの+2σである24850
ドル前後と中心線である22180ドルで挟まれたレンジを動いています。現状の水準は上値抵抗帯として意識されている水準であり、ここをブレイクした場合は30000ドルが意識されそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σからじり安基調となっています。バンドの±2σがじり高基調となっており、トレンドそのものは上向きです。底堅い動きが意識されやすい状況で、再度バンドの+2σまで上昇する可能性は高そうです。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dが高値圏を意識しての動きが継続しています。目先は割り込んでの推移となっていますが、%Kが再度上昇して高値圏に入りそうです。%Dが高値圏から転落する動きであり、やや警戒感が強まる状況ですが、まだしっかりとした動きが意識されやすい状況といえそうです。
今日は週初ですので、週足分析をやっていこうと思います。
ビットコインの週足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σから持ち直し基調が継続しています。大きな動きではないものの、バンドの中心線を目指しての動きです。このまま中心線まで上昇する可能性は十分にありそうです。ただ、バンドの±2σが下落基調となっていることからトレンドそのものは下向きであり、一時的に調整の動きが入っても上値は重そうです。バンドの中心線まで上昇しても戻し売りに抑えられるとみています。
ストキャスティクスで見ると%K、%Dはゴールデンクロスからの上昇となり、下値圏から外れる動きとなっています。上昇の勢いはそこまで強くないものの、しっかりとした動きが継続しています。このまま上昇基調を維持することができるかどうかに注目ですが、目先はまだ底堅い動きが意識されやすい形ということができそうです。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
48200ドル:2022年1-6月の高値
30000ドル:心理的な節目
24850ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
24180ドル:昨日の高値
23820ドル:現在値
23410ドル:昨日の安値
22180ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
20000ドル:心理的な節目
19510ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
17630ドル:2022年1-6月の安値
(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
- 関連通貨:
関連記事
-
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2022.08.16
ビットコイン円、約2ヵ月ぶり高値更新後に急反落。ブルトラップに要警戒(8/16朝)
週明け15日(月)のビットコイン円相場は上昇後に急反落。
-
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2022.08.02
ビットコイン円、センチメント悪化で高値圏から急反落。続落リスクに要警戒(8/2朝)
週明け1日(月)のビットコイン円相場は冴えない動き。
-
暗号資産(仮想通貨)情報
Edited by:照葉 栗太
2022.07.29
ビットコインの価格分析:『重要イベント通過で持ち直す展開。来週は夏枯れ相場入りか』(7/29)
ビットコイン円相場は7/26に記録した安値283.5万円をボトムに反発に転じると、週後半にかけて324.6万円まで持ち直す動きとなりました。