BTMサービスのガイア社、まずは大阪でサービス開始
酷暑が続く8月、暗号資産交換業者の株式会社ガイアが、暗号資産自動両替機を用いたサービスを8月2日から開始すると発表した。一部報道では、暗号資産ATMのサービスが再開という記載はあるが、同社による暗号資産ATMサービスは今回が初めてのことだ。
対象暗号資産はビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコインの4つの暗号資産で、暗号資産両替システムつまりBTMを使用すれば、日本円へ両替できるとのことだ。2017年頃に存在した暗号資産両替システムで問題視されていた「不正・犯罪防止対策」に関しては、利用者登録時の本人確認審査やカメラ画像及び取引状況のモニタリングなどによって不正・犯罪利用がないかチェックする安全対策を講じるようだ。
〇手数料が20%と少々お高めに設定
利用の流れは、スマホもしくはPC経由で利用登録を行い、利用者カードが郵送で送られる。その利用者カードをBTMで使用し、その際、スマホでQRコードを読み取り暗号資産を送付し、BTMから法定通貨を受け取る。両替希望金額は1000円単位で、一回当たり10万円まで出金でき、一日の上限は30万円となっている。上限金額やQRコードを利用する流れは理解できる。ただ、気になるのは手数料が20%かかることだ。
10万円の法定通貨を引き出すために2万円の手数料が必要(恐らく暗号資産ベース)というわけだ。これは、海外の一般的な銀行ATMでUSDドルを引き出す際の手数料(4-5%)と比べると非常に高い。もちろん暗号資産を法定通貨に替えてすぐに受け取れるサービスは国内では他に存在しないので、ガイア社のBTMがそのニーズを独占することとなるが、このニーズはどれだけあるだろうか。国内外の暗号資産交換所で取引を実施した利用者が、いつか使用する為に、同社の利用者カードを取得するぐらいか。現状、大阪の同社のオフィスにしかBTMが設置されていないことを考慮すると利用者は限定的と想像する。新し物好きと昔を懐かしんだ利用者が反応を示すだろうが、浸透するにはさすがに台数を増やす必要がろう。
〇投資ではなく決済利用に特化した暗号資産サービス
とはいえ、リリース内容によると、東京にも設置予定とのことなので、設置された際は実際に利用してみたい。さすがに交換手数料20%なので少額お試しだが、5年前に六本木辺りで使用した以来の暗号資産ATMは非常に興味がある。資金決済法63条にもあるのだが、日本はそもそも暗号資産を、投資利用ではなく決済利用で使うべきという意味合いが強い。ある意味、ガイア社のBTMサービスはこの本質にあるような気がする。
同社は昨年6月に暗号資産交換業の登録を終えており、昨年6月21日に「国内交換業登録果たしたCoinbaseよりも、BTMサービス手掛けるガイア社に注目(21/6/21)」という記事を私は寄稿した。いつからサービスを開始するのか密かに注目していただけに、サービス開始の発表を非常に嬉しく思う。
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