米雇用統計好調
主要暗号資産価格【日本時間6時】
ビットコイン:23272.0ドル(+0.45%)
イーサリアム:1721.16ドル(+0.40%)
リップル:0.37553ドル(+0.46%)
ビットコインキャッシュ:143.3ドル(+0.70%)
【概況】
先週末の暗号資産取引は、ビットコインが堅調地合いとなって推移しています。大きな動きではないものの、下落基調が一服して持ち直す動きが展開されています。ダウがしっかりとした動きとなった一方、ドル高の流れが意識され、ビットコインは底堅いもののやや方向感の見えにくい流れとなりました。その他のコインも堅調地合いで推移しています。暗号資産市場全体に買い戻しの動きが意識される状況となっています。
さて、先週末に発表された米雇用統計ですが、市場予想を大幅に上回る結果となっています。利上げを受けて若干落ち着くといった予想に反して非農業部門雇用者数は予想の倍増となる+52.8万人となり、失業率も改善しています。さらに平均時給が上昇していることが注目されるところです。非農業部門雇用者数が増加すると、一般的には低賃金労働者の就労が増加するため、平均時給も低下するといったことも多いのですが、今回はプラスとなっています。労働市場のひっ迫が意識される状況であり、インフレに対する警戒感も高まる状況です。
米雇用統計を受けて足元の米経済に対する楽観的な見方が広がる一方で、米国の金融引き締めに対する警戒感が強まる状況となっています。ダウが上昇する一方で米国債利回りが上昇したことでNASDAQが下落するなど、方向感の見定めにくい状況となっています。暗号資産市場も方向感の見えにくい展開となっていますが、米株の展開を眺めての動きということができそうです。リスク志向の動きが強まるのか、リスク回避的な動きが強まるのかがはっきりしない局面で、ポジションを傾きにくいといったところといえそうです。
因みに、短期金融市場において次回のFOMCでの利上げに関しては50bpを完全に織り込み、75bpを76%織り込む展開となっています。4日の段階では75bpを35%織り込む状況だっただけに、米雇用統計により75bpの利上げをかなり織り込んできているということができるでしょう。おそらく75bpを超える大幅利上げの可能性は低いものと思われるため、75bpの利上げを市場が織り込めば市場も多少は落ち着いてくるものと思われますが、ドルに対する買い意欲が強まる可能性があり、ビットコインなどは上値を抑えられる展開を頭に入れておく必要があるでしょう。
今週に関しては米消費者物価指数が発表となり、米国の金融政策に対する思惑から相場が動く可能性もあります。ただ、雇用統計の段階でインフレに対する警戒感が高まっているころから、消費者物価指数でインフレが意識されてもそこまではリスク回避的な動きが強まらない可能性はあるでしょう。逆にインフレ圧力の低下が意識された場合は次回の大幅利上げに対する警戒感が大幅に和らぐことが予想されるところです。
金融政策が変更となる局面は経済指標と相場の方向感が一致しないことも多く、方向感を探りにくい状況となりがちです。狭いレンジでの動きとなることも多いため、動き出したら大きくなる展開も頭に入れておく必要があるでしょう。こういった時は方向感を見極めたのち、動き出した場面で追随するほうがリスクは少ないと言えるでしょう。個人的には先行きに関してやや楽観しているところではありますが、まだ積極的にポジションを取るには時期尚早ではないかとみています。
【ビットコイン節目】
ビットコインは日足のボリンジャーバンドの中心線である22940ドル前後の水準で支えられる展開となっています。堅調地合いで再度+2σである24280ドル前後の水準まで持ち直すかに注目です。中心線を割り込んだ場合は-2σである21600ドル前後の水準が節目として意識されそうです。
【ビットコインチャート分析】
ビットコインの日足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの+2σからの下落基調となり、バンドの中心線まで下落したものの、そこでは支えられる動きとなってます。このまま上昇して+2σまで上昇するかどうかに注目です。バンドの±2σは横ばいでの推移であり、レンジ圏での動きが意識されやすい形です。バンド幅が狭いので、動き出したら大きくなる可能性が高まっていますが、まずは方向感の見極めが必要となりそうで、バンドの中心線を意識しての小動きとなる可能性も十分にありそうです。
またストキャスティクスを見ると、%K、%Dがデッドクロスからの下落となっていましたが、ここにきて持ち直し基調となっています。このまま上昇基調を維持して再度高値圏に入るかどうかに注目です。高値圏に入った場合はバンドの+2σまで上昇といった動きとなる可能性が高そうです。目先はしっかりとした動きであり、持ち直し基調から上値を拡大する展開となりやすい局面と言えそうです。
今日は週初ですので、週足分析をやっていこうと思います。
ビットコインの週足のボリンジャーバンドを見ると、バンドの-2σからの戻り基調が維持される展開となっています。上昇の勢いは弱く、じり高基調です。このままバンドの中心線まで上昇することができるかに注目です。流れとしては底堅い動きが維持されていますし、バンドの中心線も下落基調となっていることから、中心線までは上昇するのではないかとみています。
ストキャスティクスで見ると%K、%Dはゴールデンクロスからの上昇基調が意識されています。このまま上昇基調を維持するかどうかに注目です。上昇の勢いは若干強まっており、上値余地も十分にあることから、底堅い動きが維持されるのではないかとみています。その流れでバンドの中心線に到達といった展開となりそうです。
【ビットコイン価格の注目ポイント】
68990ドル:史上最高値
48200ドル:2022年1-6月の高値
30000ドル:心理的な節目
24280ドル:ボリンジャーバンド日足の+2σ水準
23170ドル:昨日の高値
23270ドル:現在値
22940ドル:ボリンジャーバンド日足の中心線
22850ドル:昨日の安値
21600ドル:ボリンジャーバンド日足の-2σ水準
20000ドル:心理的な節目
17630ドル:2022年1-6月の安値
(注)上記の暗号資産の価格に関しましては注釈がない限りInvesting.com社のデータを参照しております。
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