ビットコイン円、約2ヵ月ぶり高値更新後に急反落。ブルトラップに要警戒(8/16朝)

週明け15日(月)のビットコイン円相場は上昇後に急反落。

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ビットコイン円、約2ヵ月ぶり高値更新後に急反落。ブルトラップに要警戒(8/16朝)

ビットコイン円、約2ヵ月ぶり高値更新後に急反落。ブルトラップに要警戒

〇ビットコイン円、米インフレ鈍化後の市場の楽観ムード等にアジア時間に335.9万円まで上昇
〇買い一巡後は中国指標の不冴え等に米国時間朝方にかけて安値317.9万円まで反落
〇ビットコイン昨日一時対ドル25,000ドルを上回るも滞空時間短く上値重い
〇引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:300.0万円ー340.0万円

昨日の概況

週明け15日(月)のビットコイン円相場は上昇後に急反落。①米インフレピークアウト論の台頭(先週発表された米CPIや米PPI、米輸入物価指数が軒並み鈍化)や、②上記①を背景としたリスク選好ムード(米FRBによる大幅利上げ観測後退→米株上昇→リスクアセット上昇)、③暗号資産ビジネスの復調期待(米資産運用会社ブラックロックと暗号資産交換業者コインベース・グローバル社の提携報道や、ヘッジファンド大手ブレバン・ハワード社による暗号資産ファンドを目的とした10億ドルの資金調達実施など)、④個人投資家フローの流入復活期待(ソフトウェアアップグレード「マージ」を9/15前後に控えるイーサリアムのみならず、ドージコインやシバイヌなど「ミームコイン」も上昇→暗号資産市場全体に広がる楽観ムード)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、6/13以来、約2ヵ月ぶり高値となる335.9万円まで上昇しました(対ドルの心理的節目25000ドルも一時的に回復)。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、⑤上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(25000ドル到達に伴う達成感→利食い売り)や、⑥中国経済指標の冴えない結果(中国7月小売売上高、中国7月固定資産投資、中国7月鉱工業生産が軒並み市場予想を下回る結果→リスク回避ムード再燃)、⑦対主要通貨で広がるドル買い圧力(米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)、⑧マイケル・ノボグラーツ氏率いる暗号資産投資会社ギャラクシー・デジタル・ホールディングス社による暗号資産保管機関ビットゴー社の買収打ち切り報道などが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値317.9万円まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間8/16午前4時50分現在)では、320.7万円前後で推移しております。

本日の見通し

ビットコイン円相場は、①米インフレピークアウト論台頭に伴うリスク選好ムード(米大幅利上げ観測後退→米株高)と、②機関投資家の流入期待(ブラックロックやブレバン・ハワードに関する各種報道)、③個人投資家の復活期待(ミームコイン上昇で個人投資家の再流入期待浮上)を背景に、一時335.9万円まで急伸(7/20に記録した直近高値335.4万円を上抜けると共に、対ドルの節目25000ドルも一時的に突破)しましたが、終値ベースで一目均衡表雲上限突破に失敗したことや、25000ドルより上側での推移がわずか30分間に留まったこと、米FRBによる75bp利上げ観測が根強く残っていること(CMEが提供するFedWatchは9月FOMCでの75bp利上げ確率を依然として40.5%程度織り込む状況)などを踏まえると、更なる上昇は容易では無いと考えられます。

アジア時間朝方に見せた三角保ち合い上放れや、一目均衡表雲上限突破、直近高値突破が全て騙し上げ(ブルトラップ)であった可能性も否定できず、本日はむしろ下落リスク(高値追いでロングポジションを掴んでしまった投資家によるロスカット)に警戒が必要と考えられます。特に対欧州通貨、対資源国通貨でドル買いがじわじわと進んでいるため、米ドルと逆相関性の強いビットコインにはしばらくの間、下押し圧力が加わり続ける可能性があります(来週のジャクソンホールに向けてドル買いが活発化する恐れあり)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:300.0万円ー340.0万円

注:ポイント要約は編集部

ビットコイン円、約2ヵ月ぶり高値更新後に急反落。ブルトラップに要警戒

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