自社発行ステーブルコイン一極集中のバイナンス、規制強化を意識か?(22/9/6)

Binanceが6日、主要なステーブルコインの取引所残高及び新規預金を自動的に自社ステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)に変換すると発表した。

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自社発行ステーブルコイン一極集中のバイナンス、規制強化を意識か?(22/9/6)

自社発行ステーブルコイン一極集中のバイナンス、規制強化を意識か?

業界のジャイアン的な存在である大手暗号資産交換所Binanceが6日、主要なステーブルコインの取引所残高及び新規預金を自動的に自社ステーブルコインであるバイナンスUSD(BUSD)に変換すると発表した。利用者からするとなかなか衝撃的な発表である。

今回対象となったステーブルコインは、暗号資産時価総額4位のCircle社発行のUSDコイン(USDC)、同47位のTrueCoinの提供するTrueUSD(TUSD)、同50位の米暗号資産関連サービス会社Paxosが提供しているPaxドル(USDP)の3つのステーブルコインだ。これらのステーブルコインが、同6位のBUSDに自動的に変換されるとのことだ。

9月末に自動換金を実施

バイナンス側の説明によると、流動性と資本効率を高めるために実施するようで、利用者はバイナンス上ではBUSD残高で取引を行うことになる。利用者の出金選択には影響しないようで、利用者は引き続きBUSD建ての口座残高と1対1の割合でUSDC、TUSD、USDPで出金することが可能になるという。この自動換金は9月29日から実施され、その前の26日から29日は利用者による手動換金もできるようだ。また、3つのステーブルコイン建の取引ペアの提供も停止するほか、先物取引でもUSDCが証拠金資産として利用できなくなる。

バイナンスが自社発行ステーブルコインBUSDに注力するということが明確に伝わる発表である。BUSDはほぼ100%の準備金を米ドルで確保しており、その状況はバイナンスのHPの監査内容にて確認できる。今年5月、無担保型アルゴリズムのステーブルコインであるUSTがドルとのデペッグを起こし暴落したが、BUSDは1ドル前後での安定していた。裏付けが明確なステーブルコインとして、バイナンス利用者を中心に幅広い支持を得ているというのがBUSDである。

米国で進むステーブルコイン規制をにらんだ動きか

このBUSDを中心にバイナンスは、独自の経済圏を確立するとの見方だが、このタイミングでBUSDへの一極集中を決めた背景として、米国内で進んでいるステーブルコイン規制の存在があると考える。

米国では、9月を目途に米下院の金融サービス委員会で法案の審議を行う見通しで、ステーブルコインの発行者を銀行や、資本や流動性で銀行並みの基準を満たす金融機関に限定する予定だ。利用者が気にする裏付け資産については、現金や短期国債など流動性の高い資産とするよう求めるとしている。

日本は一足先に今年6月、改正資金決済法のなかで、発行者と仲介業者を分離し、発行可能な組織として、銀行、資金移動者、信託銀行に限定した。そして、仲介業者にも登録制を導入し、マネー・ローンダリング対策を強化する方針を打ち出している。欧州も今年7月、EU域内での事業を許可制度にし、ステーブルコインの保有者に無料で資金を返還請求できるような権利を認めた。

バイナンスが米国内での規制強化の前に動いたのかどうかは不明だ。米国でのステーブルコイン規制強化を前に実施する必要があったのかもわからない。世界の中央銀行・金融当局から怒られ続け、サービスの縮小や本人確認の徹底などに動いたバイナンスだけに、このタイミングでのBUSD一極集中は様々な憶測を呼ぶことだろう。

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