ETHWの価値はゼロ?スマートコントラクトに疑義(22/9/20)

日本時間9月15日の昼頃、イーサリアムの大型アップデート「The Merge」が実行された。

ETHWの価値はゼロ?スマートコントラクトに疑義(22/9/20)

ETHWの価値はゼロ?スマートコントラクトに疑義

日本時間9月15日の昼頃、イーサリアムの大型アップデート「The Merge」が実行された。イーサリアムはコンセンサス・アルゴリズムが従来のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)から、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行したことによって、PoW下で問題視されていた消費電力を99%削減する選択を行った。世の中、ESGが投資のベースとなりつつあることから、引き続きPoWを採用しているビットコインとは大きな差別化を果たすこととなる。一方、従来のPoWを存続させるためにマイナーが主体となって「Ethreum PoW(ETHW)」もほぼ同時に立ち上がっており、海外の大手暗号資産交換所FTXなどでは売買が行われている。ETHWは15日時点では60ドル台まで上昇したが、新規上場後は5ドル台に急落。時価総額のランキングでは2000番台(Coin Market Cap)と蚊帳の外、昔の「草コイン」という位置付けである。2017年夏にビットコインがハードフォークしたことで、誕生したビットコインキャッシュと同じような存在になると指摘する関係者もいるが、まるで価値が異なっている状況だ。

ETHWに価値はあるのか?

このETHWの先行きはいかがなものなのか?誕生した翌日、早速、メッセージ(スマートコントラクトによって生成されるトランザクションのこと)を複製して暗号資産を盗む「リプレイアタック」が確認されるなどなかなかきな臭い。盗まれたのは200ETWなので金額ベースでは大したことないが、リプレイアタックを受けやすいブロックチェーンが分岐するタイミングで想定通り発生してしまったことは、セキュリティ面の低さを露呈している。

そして、イーサリアム系の肝ともいえるスマートコントラクトも様々な指摘がある。ハードフォーク時に、資産残高やスマートコントラクト機能、過去誕生したdAppsを含むイーサリアム上の全ての記録がETHW上には存在するとされているが、「ETHWのスマートコントラクトは正常に機能せず価値は無い」という評価が既に聞かれている。

今回のリプレイアタックを分析したサイバーセキュリティ会社のBlockSecは、「直接的な影響は、攻撃者が多くのETHWを奪い、いくつかの暗号資産交換所などでそれらを取引することができる」ことを指摘している。

国内で取引される可能性はほぼゼロ

では、このような暗号資産が国内暗号資産交換所に上場する可能性はあるだろうか?答えは「ほぼ可能性は0」である。

国内で新しい暗号資産が上場する際、自主規制団体である一般社団法人暗号資産取引業協会(JVCEA)が新規取扱(IEOは世界でまだどこも取り扱っていないことが前提なので、ETHWはIEOではない)に関する審査を行う。ホワイトペーパーはもちろん、発行体の財務や業績、暗号資産の特性など事細かな内容を精査して、「問題無し」とJVCEAが判断した後、金融庁が再確認を行うフローだ。どんなに知名度が高い暗号資産でも国内で新規取扱の審査をクリアするには3か月から半年は必要だろう。まして、ETHWは肝ともいえるスマートコントラクトに疑義が生じているという話が出ていることから、JVCEAの審査をクリアするのは至難の業と言えよう。

こうした理由から、ETHWを国内暗号資産交換所で上場するというストーリーはほぼ無理と考える。仮に伝わっている通りスマートコントラクトが無価値ということであれば、ETHWの価格は限りなく0に収斂するはずだ。ハードフォーク後は乱高下したが、今後、ETHWを投資対象とは見ない方がいいだろう。

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