ビットコイン円、下落後に持ち直すも戻りは鈍い。米金利や米ドルを睨みながらの神経質な展開
〇ビットコイン円、FOMC後のドル高で261.7万円まで下落後、米国時間に277.3万円まで上昇
〇ドル円の介入によるドル下落や、暗号資産関連ビジネスへの新規参入報道等がサポート
〇テクニカルな上値は重く、ファンダメンタルズもビットコインの下落材料多い
〇ビットコイン円相場の反落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:250.0万円ー290.0万円
昨日の概況
22日(木)のビットコイン円相場は下落後に持ち直す展開。①日本時間早朝に発表された米FOMC(米連邦公開市場委員会)で3会合連続となる75bpの大幅利上げが決定されたことや、②ドットチャートで2022年末、2023年末、2024年末の中央値が大幅に上昇修正されたこと(次回11月FOMCでの75bp利上げと12月FOMCでの50bp利上げが織り込まれると共に2023年の利下げ観測が後退)、③上記①②を背景とした米長期金利の急上昇(市場心理悪化→リスクアセット下落)及び、④ドル全面高の流れ(米ドル指数は2002年6月以来、約20年3ヵ月ぶり高値圏へ急上昇→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)が重石となり、アジア時間朝方にかけて、7/13以来、約2カ月半ぶり安値となる261.7万円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると(7/13安値260.5万円をバックに押し目買い圧力が強まると)、
⑤政府・日銀による24年ぶり円買い為替介入の実施や、⑥上記⑤を背景としたドル円ボラティリティの抑制観測(為替介入でドル円ボラティリティの抑制が見込まれることから、個人投資家マネーがドル円から暗号資産に戻ってくるのではないかとの期待感)、⑦暗号資産関連ビジネスへの大手企業の相次ぐ参入報道(米ナスダックによる機関投資家を対象とした暗号資産の保管・管理サービスの提供開始報道や、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラルによるアセットマネージャーを対象とした暗号資産関連サービスの提供開始報道など)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値277.3万円まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/23午前6時00分現在)では、274.8万円前後で推移しております。
本日の見通し
ビットコイン円相場はタカ派な米FOMCを受けて一時261.7万円(約2カ月半ぶり安値圏)まで下げ幅を広げるも、7/13安値260.5万円をバックに下げ渋ると、米国時間午後にかけて持ち直す動きとなりました。但し、上方に複数のレジスタンスポイント(一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや雲下限など)を控えていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます(一巡後の下落リスクに要警戒)。ファンダメンタルズ的に見ても、➀米FRBによるタカ派傾斜観測(年内残り2回のFOMCで計125bpの利上げを織り込む動き)や、②世界的な金融引き締め観測(昨日は米国に加えて、英国、スイス、ノルウェー、インドネシア、フィリピン、台湾が利上げを実施)、③上記①②を背景とした世界的なリスク回避ムード(過剰流動性相場逆流継続→市場心理悪化→リスクアセット下落)、④資産現金化需要のドル買い圧力(ドル指数は2002年6月以来の高値圏へ急伸→米ドルと逆相関性の強いビットコインに下押し圧力)、
⑤世界的な規制強化の思惑、⑥POW通貨への逆風継続(イーサリアムのPOS転換を受けてPOW通貨への批判が高まるリスク)など、ビットコイン円相場の下落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ビットコイン円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(米長期金利や米ドル指数を睨みながらの神経質な展開を想定)。
本日の予想レンジ:250.0万円ー290.0万円
注:ポイント要約は編集部
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